ジャンル:FOOD

あたらしい日常料理 ふじわら

【あたらしい日常料理 ふじわら PROFILE】
「日常の料理を簡単に美味しく」。そんな想いを込めた「おいしいびん詰め」の開発・製造・販売を中心に活動する、料理家・藤原奈緒さん。2014年からは、JR東小金井駅の高架下で、おいしいびん詰めと、小金井市内で採れる新鮮野菜を使った料理をふるまう食堂「あたらしい日常料理 ふじわら」の営業、自宅で手軽に作れる「あたらしい日常料理教室」を開催。イベント出店&出品にも積極的に参加。彼女の日常は「おいしいびん詰め」調味料をひとりでも多くの人に届けるためにあると言っても大げさではないくらい。保温保冷効果のある製品を俗に魔法瓶と言いますが、この調味料こそ、まさに“魔法瓶”。たかが調味料、されど調味料です。例えば誰でも30秒以内で作れる卵かけご飯に調味料を加えるだけでとっておきのごちそうに大変身! これ、ホントの話です。
http://nichijyoryori.com/

【商品カタログ予習帳】

おいしい唐辛子
カレーのもと(6~8食分)
にんにくえび塩
パクチーレモンオイル
メニューその①:ルーローハンがメインの台湾プレート ※写真はイメージです
メニューその②:豆乳スープ ※写真はイメージです
メニューその③:料理家・フルタヨウコさんのシロップを使ったドリンク ※写真はイメージです
料理には新鮮な旬の野菜をたくさん使います
あたらしい日常料理ふじわらの台湾プレート
あたらしい日常料理ふじわらのあたたかい豆じゃん

【スペシャルインタビュー「『あたらしい “非日常” 料理ふじわら』に出会う2日間」】
「ふじわらのおいしいびん詰め」の存在を知ったのは、手紙社が営む店舗のひとつ「手紙舎 2nd STORY」でした。雑貨店の仕入れを担当していた私(担当:新居)が、「おいしくて(Good Taste)、デザインが魅力的で(Good Design)、つくり手の想いがあふれている(Good Spirit)」GOOD FOODを毎日探していた時のこと。雑貨部門の責任者である渡辺が「いいものを見つけた!」と持ってきたのがまさにそれでした。当時販売していた、どのGOOD FOODともまったくもって違う佇まい。究極にシンプルなパッケージがとっても気になり、購入したのがきっかけです。この調味料を手がけていたのは、料理家の藤原奈緒さん。料理家としての始まり、「おいしいびん詰め」ができるまで、そしてもみじ市に参加することについて、気になっていたことを聞いてきました。

お話を伺ったのは、JR小金井駅から徒歩3分圏内の場所にある食堂「あたらしい日常料理ふじわら」。営業は金〜月曜の11:30〜14:30、18:00〜22:00。新商品の試作をしたりするアトリエでもあります。(写真:柳川夏子)

手探りで見つけた料理家という職業

— — —「おいしいびん詰め」の制作と販売、店舗運営、料理教室やイベント出店など、料理家として幅広く活動されていますが、料理の道に進むと決めたのはいつ頃のことなんですか?
藤原:大学進学のために札幌から上京。教育関係の勉強をしていたのですが、20歳くらいに「今後どう仕事をして生きていくか」ということをけっこう真面目に考えた時に、料理をしている時が私は一番「生きているな」って気がついて。

母子家庭で育ったので幼少期から料理をする機会が多かったのですが、楽しかったんですよね。人が喜んでくれたり、食事の時間が大事だったり…それももちろんあるけど、カレーや焼きそばみたいな簡単な料理を自分の好きな味にできる、ってことが単純に楽しくて。作ることが好きなんですね。料理は上手くできてもできなくても後に残せないっていうのも、性に合っていたような気がします。

— — —料理に関わる仕事はたくさんありますが、今のスタイルに行き着いた経緯を教えてください。
藤原:私が20歳の頃は、暮らしのまわりの仕事をされている方が今のようには多くなくて、情報も少なかった。女性でお店をやっている方も、料理研究家をされている方もごくわずかの方しか知らなくて、どうしたらそこに行けるか道が見えなかった。「家庭料理をおいしくしたい、それに関わることを仕事にしたい」。そのことはわかっているのに、どうしたらできるのかはわからない。それでもずーっと考えていましたね。

大学卒業後は、いくつかの飲食店で働きました。東京都小金井市の野菜を使った料理を提供するカフェで働くことになって、野菜のおいしさにほんとうに驚いたんです。毎日変わる味や食感を生かしたくて、素材を見てからメニューを決めるようにしたら、ものすごく得るものがたくさんあって。「これは、知りたい人がたくさんいるのでは?」と思って料理教室を始めました。そのうちに雑誌の連載などのお仕事をいただくようになって、“料理家”と呼んでいただけるようになり、そこで初めて自分の職業がわかったというか(笑)

細やかに軽やかに。藤原さんの調理する姿は、“無我夢中”という言葉がピタリと当てはまります。(写真:柳川夏子)

知るほどに可能性を感じた“びん詰め”というアイテム

— — —料理の魅力を伝える手段のひとつだった料理教室。どういった経緯でびん詰めにシフトしていったのでしょうか。
藤原:カフェを退職し独立。場所を自宅に移して料理教室を続けながら、今後の活動内容を模索していました。料理教室は確実に料理の魅力が伝わるけど、伝えられる人数が限られる。当時は、飲食店をやる気もなかったんですよね。そんな中、イベント出店の機会をいただいて「自分の仕事を楽にするために使っているオリジナルの調味料をびんに詰めで販売してみよう」と思ったんです。自分でも「使える!」と感じていたのですが、予想を超える反響をいただいて。しかも常温で販売できるようにすれば、遠くまでたくさんの方に届けられることもわかりました。「あ! これだ!」って。

— — —確かに! びん詰めは誰がどこで使っても味が変わらない。そして発送することもできますね。
藤原:食べもののいいところって伝わるのが一瞬。ものすごく早い。レシピや料理教室など、文字や言葉で伝えても実際に作ると「これ正しいのかな?」となる方が多いんですよ。レシピを作成する私も数字で計れないことがたくさんあります。素材が違うと味が変わるのは当然ですから。

— — —びん詰めを作る上で大切にしていることは何ですか?
藤原:欲しいと思ってくださる方に確実に届けること。なので、使う材料は一年を通し安定して手に入るものを選んでいます。あと、びん詰めが主役にならないことですね。レシピの提案もしていますが、びん詰めに合わせて料理をするのではなく、いつも作っているものに足すだけでぐっとおいしくなる。家庭で作る普通のご飯を底上げするというか。ふじわらの商品はそんな存在でありたいと思っています。

みなさん、仕事をしていたり、子育てをしていたりで忙しいですから。少しでも楽になるように、適当に使ってもおいしい料理が作れるように。自分の手でおいしいものが作れることがその人を支えたり、「おいしいね」って言い合えることでうまく回ることもたくさんあると思うんです。“おいしい”は、そのくらい偉大だと思っています。

女性はもちろん「男性からのラブコールがすごい!」という「ふじわらのおいしいびん詰め」。子供に合わせた味付けの料理には、大人が食べる分に調味料をプラス。これで物足りなさが解消されます。

多摩川河川敷に台湾屋台がオープン!?

— — —ことしのもみじ市には、どんなお料理が並びそうですか?
藤原:イベント出店時は、うちの調味料をおいしく召し上がっていただけるメニューを意識して作っています。もみじ市自体はもちろん、参加されている出店者さんにも世界感があるなーと感じるので、私も毎回しっかり企画を練って参加したいと思っていますが、1回目、2回目は今思い返してもまったく余裕がなかった…。今回は3回目で、少しだけ余裕を持って考えられていて、先日旅した“台湾”をテーマに考えています。

— — —台湾いかがでしたか? おいしいお料理たくさんありますもんね!
藤原:台湾通の友人が、以前から「台湾の日常料理を紹介しますよ」って話をしてくれていたんです。「もみじ市に出すメニューのヒントを探しに行こう」と今年の頭から行くことは決めていました(笑)

台湾には5泊したんですけど、屋台やレストランでいろいろ食べたり、市場で仕入れをして料理したり、ものづくりにも少し触れました。とにかくなんでもおいしかったし、台湾の食材も人も元気で本当に感激しました。

もみじ市では、『魯肉飯(ルーローハン)』をメインに台湾料理をいくつか盛り合わせたプレートにしようと考えています。飲食店のブースで並ばれる方も多いと思うので、一品で満足できるメニューがいいかなと。あとは、温かい『豆漿(ドウジャン)』。豆乳を使った台湾の定番朝ごはんメニューで、うちの調味料との相性が良さそう。ドリンクとデザートは、今回の台湾旅でご一緒した、料理家・フルタヨウコさんの特製シロップを使っていくつかご用意したいなと思っています。

台湾で洋服を手がけるジェンさんのものを現地で購入。もみじ市当日は、スタッフ一同“台湾娘”に。

もみじ市は一年で一番大きい仕事

— — —今回で3回目の出店になるもみじ市。藤原さんにとってもみじ市ってどういう存在ですか?
藤原:…! ちょっと考えますね……

たくさんの方がものすごく楽しみにしているのもわかっているし、私自身もそこに向けて新しいものを作ったり、考えたりするのがとても楽しい。でもプレッシャーも相当。1年で一番大きな仕事ですかね。終わるたびに成長もさせてもらっています。自分も含め、スタッフにとってもお店にとっても、もみじ市が終わるたびに出来ることがものすごく増えている。大きな山というか、チャレンジの機会をいただいているというか…

私にとってもみじ市は、日常ではなく非日常ですね。

味わい深い看板は、イベント出店に欠かせないアイテムのひとつ。

〜取材を終えて〜
“あたらしい日常料理”を提案する藤原さんにとって、“あたらしい非日常”を提供する場所がもみじ市。それは、私たちスタッフにとっても、もみじ市に足を運んでくださるお客さんにとっても同じこと。一年365日の中で、今年も忘れられない夢のような2日間がやってこようとしています。(手紙社 新居鮎美)

【もみじ市当日の、あたらしい日常料理 ふじわらさんのブースイメージはこちら!】
台湾の街中にある屋台の雰囲気を出した、賑やかなブースになる予定です。今年のもみじ市のテーマ「ROUND」を意識した、気持ちがまぁるくなる味のごはんとおいしいびん詰め、料理家・フルタヨウコさんのHOME.のジャムもお届けします!