ジャンル:ILLUST&DESIGN

柴田ケイコイラスト店

【柴田ケイコプロフィール】
イラストレーター。高知県出身。奈良芸術短期大学ビジュアルデザインコース卒業。広告全般、出版物、webのイラストはもとより、土佐和紙を使用した立体物や紙もの雑貨など、多岐にわたり制作している。近年では、2016年の『めがねこ』(手紙社)を皮切りに、『おいしそうなしろくま』『あま〜いしろくま』(PHP研究所)と絵本作家として活躍中。カラフルでいて、深みを感じさせる独特な色使い、そしてイラストのユーモアセンスに、心を鷲掴みにされる人続出!
http://www.shibata-illust.com

【商品カタログ予習帳】

クマQ

絵本「あま〜いしろくま」から メモ帳しろくまアイス
絵本「あま〜いしろくま」から メモ帳しろくまプリン
「おなま絵」マスキングテープ
あま〜いしろくまマスキングテープ
あま〜いあめちゃん
「おなま絵」ポーチ
小林さんハンカチ
小林さん手ぬぐい

【スペシャルインタビュー「夢の扉が開くとき」】
今回、もみじ市のメインビジュアルを描いてくれた、イラストレーター柴田ケイコさんに、樫尾有羽子(手紙社)がお話を伺いました。

グラフィックデザイナーからイラストレーターへ。オイルパステルとの出会い

ーーーイラストレーターになったきっかけを教えてください。
柴田 実は、最初はグラフィックデザイナーを目指していました。そのために、大学卒業後、数年かけて、やっとデザイン事務所に就職したんですね。そこで楽しく働いていたのですが、ある時、会社の先輩に「柴田さんは、グラフィックデザイナーよりイラストレーターの方が向いてるよ」とアドバイスされたんです。その頃には、グラフィックもやりつつ、ちょっとしたイラストも会社で描いたりしていました。その言葉を受けて、よくよく考えたら、グラフィックデザインには、文字組みとか、文字を揃えるとかあるんですけど、それが全然好きじゃないし、向いてなかった。それに比べて、イラストを描くことは、本当に楽しかったんです。そこから、イラストレーターとして、フリーでやることにしました。

ーーー先輩の鶴の一声だったんですね。当初から、今のようなイラストだったんですか?
柴田 いえいえ、以前は、ツンツンした、ファッション誌に載るようなおしゃれな画風にしていたこともありました。憧れで描いていたところが大きかったと思うんです。でも、すごく辛くて(笑)。素直になれればよかったのですが、その時は、そういうものを描きたくて、すごく背伸びしていたと思います。

ーーーそうなのですね。では、今のようなスタイルになったのは?
柴田 オイルパステルと出会ったことですね。当時、イラストレーターのカミムラアキコさんの個展を見にいったときに、クレヨンで描かれていて、「これだ!」と思いました。ちょうどフリーになったばっかりの頃だったので、憧れもあったし、すごく感動したんですね。しかも、私、筆が苦手で…、すごく嫌だったんですよ。あとMAYA MAXXさんも好きな作家さんで、クレヨンぽい絵の擦れた感じがすごくよくて。自分自身、きれいにていねいに描くタイプじゃないですし(笑)。オイルパステルは、直に色をぬれるというところが、自分の性分にあった気がしています。ただ、絵の具みたいに上から塗ることができないので、やり直しになる場合もありますし、発色はやはり絵の具の方がいいんですけど。

ーーーオイルパステルという画材との出会いによって、柴田さんのイラストが花開いたんですね。
柴田 ありがとうございます。そんなふうにいっていただけて、うれしいです(笑)

ーーー柴田さんの作品は、色使いも魅力的ですし、イラストの表情も大好きなのですが、どこからそのアイデアは湧いてくるんですか?
柴田 全然意識してないんですよ。むしろ、説明のしようがなくて申し訳ないくらいです。色については、仕事机にオイルパステルを並べてあるので、その中から感覚的に選んでいるだけで。表情とかも、そういう顔が好きとしか、いいようがない(笑)。変に計算して描いたこともありましたけど、それは自分では納得できないものになりました。

ーーーグッズもたくさんつくられていますけど、どういったいきさつで?
柴田 そもそもグッズは、ずっとつくりたいもののひとつで、いろいろ探していたんですね。そんなとき、とても仲の良い友達の家族が印刷会社で働いているからと、たまたま紹介してもらったのがきっかけです。それまでは自分のコピー機で出力したものを切り貼りして一つ一つ制作していたのですが、その小ロットで印刷してくれる会社に出会ってから、ガラッと変わりました。そして、その印刷会社で最初にメモ帳をつくることに。できあがったときは感激しました。それからずっとその印刷所にお願いして、つくり続けています。こういった縁が縁を呼ぶような、出会いがあったからこそ、今があると思ってます。

ーーーやりたいことをどんどん叶えられている印象ですが、今後の夢はありますか?
柴田 実は、長年の夢があって、それは、絵本を出すことだったんですね。イラストレーターとして歩み始めたばかりの頃は、手作りで猫の絵本を出したりとかしていたくらいですから。それが昨年、手紙社さんで個展を行う際、「めがねこ」(手紙社)という絵本をつくることとなって、夢が叶ったんです。それ以来、立て続けに「おいしそうなしろくま」(PHP研究所)、「あま〜いしろくま」(PHP研究所)と出しています。絵本づくりは、楽しくて仕方ないです。なので、この絵本づくりを続けていくのが、今後の夢ですね。読んでくださる大人や子どもみんなが楽しくてあたたかな気持ちになれる絵本を継続的に出版していきたいと思っています。

もみじ市という特別な存在! 憧れのメインビジュアルの仕事

ーーー最初にもみじ市に出店したのは、いつですか?
柴田 2011年のパレードの年でした。

ーーーその頃には、もみじ市をご存知だったんですか?
柴田 ネットで見て知ってはいたけれど、当時、いろんなイベントが全然ないときだったので、さすが東京だなと思っていました。その頃は、子供も小さかったですし、出店なんて夢のまた夢だと思っていました。しかも、私は高知県在住ですし。ただ、東京の吉祥寺にある「にじ画廊」で個展をすることになっていて、そのDMを手紙社にお送りしていたんですね。そしたら個展に、手紙社スタッフの方がいらしてくれて! 「本当に来てくれるんだ!」と感動したことを覚えています。そのとき「作品、すごくいいですね。もみじ市に出てみませんか」と、声をかけてくださったんです。そこで、家族会議をして、「出てみたら?」という主人の後押しもあって、出店を決めました。1日出店で、しかも日帰りという弾丸出店でしたけど。

ーーーはじめて、もみじ市に出てみて、どうでしたか?
柴田 とにかく、まぁすごい人で、あれよあれよという間に、持っていったものがすぐに完売してしまって。「なんだ!?このイベント!」って思いましたね。驚きっぱなしといいますか。商品数も不足していたと思います。そのおかげで、今はしっかり持っていくようになりましたけど。

ーーー例えば、他のイベントや個展と、もみじ市の違いってありますか?
柴田 気合が全然違います! 他のイベントって、お題のテーマとかないじゃないですか。だから、自分のものを一生懸命売れば、それで問題がないわけですよね。でも、もみじ市の場合は、ひとつのテーマに向かって、つくりあげていく。それも自分だけじゃなく、他の出店者さんや事務局のスタッフさん、ボランティアスタッフのみなさんが、一つのチームになっている感じがします。そんなみんなが一丸となって、楽しむ方向に向かっていくところこそが『大人の文化祭』って言われる所以でもあると思うんですよね。だから、力の入れ方が違います!

ーーーそんなもみじ市のメインビジュアルを、今回描くことになりましたが、いかがでしたか?
柴田 実は、もみじ市のメインビジュアルを描くことも、夢のひとつでした。2010年から参加していて、その度に届くフライヤーやポスターに胸を躍らせていましたから。担当のイラストレーターさんが描く絵も素敵でしたし、フライヤーの仕様にも、いつもワクワクしていました。ですが、お話をいただいときは、驚きとプレッシャーで、自分につとまるだろうかとも考えましたね。

ーーーうれしさだけではなかったのですね。
柴田 そうなんです。なので、最初はどういうふうにしたらいいだろうと方向性に悩んでもいました。ですが、編集部さんとのやりとりを重ねるうちに、なんとなく、もみじ市を楽しい遊園地みたいなワンダーランドイベントとして描きたくなっていったんです。そう思ったら、すごくわくわくしてきて、どんどんすすんでいきました。描いている間は、ずっと楽しかったです。なので、当日をいつもに増して楽しみにしています。

ーーー改めまして、今回のもみじ市は、“ROUND”というテーマですが、どんなものをご用意いただけますか?
柴田 顔出しパネルを作って持っていくつもりです。あと看板を“ROUND”仕様になんとなくですが描きました。グッズでは丸い形のあま〜いしろくま金太郎飴や丸いシールなどなど。もみじ市は、雑貨を販売するだけの場所じゃなくて、やはりエンターテイメントの場であると思っているので、毎年、いろいろ変化を加えて、お客さんに楽しんでいただきたいんです。この空間にきて、すごく楽しかったというのを提供したいです。

ーーー柴田さん、どうもありがとうございました。今年の河川敷は、一丸となって遊園地をつくり上げられそうです。柴田さんのユーモアあふれる作品たちが並ぶのを楽しみにしています!

〜取材を終えて〜
柴田さんのイラストは、色使い、表情、ユーモアセンス、どれをとっても秀逸で、こころを朗らかにしてくれます。オイルパステルを手にしたことで、より楽しんでイラストを描くことができ、彼女自身の道も大きく開けたのでしょう。高知県出身の柴田ケイコさんと同郷の私。インタビューは、土佐弁で行いました。高知県の女性特有のざっくり感とちゃきちゃき感があって、懐かしく、親しみやすく、話が脱線することもたくさんありました。柴田さん、ほんまにありがとうございました。同じ高知出身者として、誇りに思っています。
(樫尾有羽子)

【もみじ市当日の、柴田ケイコイラスト店さんのブースイメージはこちら!】

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