ジャンル:ILLUST&DESIGN

すげさわ かよ

【PROFILE】
パリへの留学がきっかけで、イラストレーターとしての仕事を始めたすげさわ かよさん。20以上の国を旅した経験があり、海外の街並みを描くのが好きだといいます。彼女の描くイラストは、とにかくとびきりの愛らしさ。街並み、民芸品、民族衣装……イラストを眺めているうちに、描かれている国の文化がなんだかとても愛しくなってくるような、そんな魅力があります。大人も子どももまあるい気持ちで包んでくれる、すげさわさんのイラストと一緒に、世界を旅してみませんか?
https://i.fileweb.jp/sugesawakayo/

【商品カタログ予習帳】

無地ノート オランダ


ランチトートバッグ ロシア


絵付け箸置き ダーラナ馬


手刷りのてぬぐい 民族衣装


スーベニールバンダナ パリ


ちいさなハンカチ ドイツ


ちいさなきんちゃく オランダ


付箋メモ帖 スウェーデン


付箋メモ帖 ブルガリア


帆布ポーチ ロシア(ピンク)/スウェーデン(ブルー)


マスキングシール フランス

【スペシャルインタビュー「旅で出会った素敵なものを伝えたい」】
旅をこよなく愛するイラストレーター・すげさわ かよさんに、本間火詩(手紙社)がお話を伺いました。

「伝える努力をしなくちゃいけないんだ」って気がついたんです

ーーー絵を描き始めたきっかけは何だったのでしょうか。
すげさわ:絵を描いたり、物語を考えたり、そういったことは小さい頃から好きでした。ちょっと少女漫画を描いてみたりもして(笑)。イラストのお仕事をしたい、と思うようになったのは、『Olive』というファッション雑誌でイラストレーターのお仕事を知ったのがきっかけです。それからデッサンの勉強をして、日大芸術学部というところに入りました。

ーーー大学では、イラストを学んでいたのですか?
すげさわ:大学ではデザイン学科にいました。周りには広告デザイナーを目指す方も多くて、私はデザインもタイポグラフィもカチッとしたものはなんだか苦手で、手描きの風合いが残るものの方が好きだったので、あんまり成績はよくなかったです(笑)。その頃描いていた絵も、もっと色が派手だったり、全然一般受けするような感じではなくって。イラストの持ち込みなどもしましたが、当時の絵は“伝わる絵”ではなかったなと今は思います。

ーーー“伝わる絵”ですか?
すげさわ:例えば持ち込みに行く時、「こういう絵を描いている人なんだな」ってわかってもらうためには、伝える努力をしなくちゃいけないんだって気がついたんです。イラストを仕事にするんだったら、自分がいいなあって思ったものをみんなに伝えられるようなイラストを描かなきゃ、と。

ーーーそう気がついたきっかけは何だったんでしょうか。
すげさわ:旅に出たことでしょうか。大学4年生の夏休みにフランスに3週間ほど滞在したことがあって、その時に自分が見たものや食べたものなどを毎日絵日記にしていたんです。一人旅だったので、日本にいるお友達にもそういうことを伝えたいなと思ったんですよね。帰国してから見せたらみんな面白いって喜んでくれて、それがきっかけで伝える絵を描きたいなと思うようになりました。旅をテーマにイラストを描くようになったのもこの時からです。いろんな人に「この絵いいな」って思ってもらえるようにするには、独りよがりではだめで、目立とうとして何かやったりとか、そういうのは良くないなっていうのを、旅に出て気がついたんです。「今まで狭い世界しか見えてなかった、もっと色んなものを見に行かなきゃ」って。

ーーーフランス滞在のきっかけはどんなことだったんですか?
すげさわ:その頃フランスの映画とか、フランスの街並みとかそういうものにすごく憧れを持っていて、フランス語の学校に通っていたんです。その学校で、「フランスでファッションの仕事をしたい」という子と知り合って、彼女が夏休みに留学をするというので、「わたしも一緒に泊めてもらおう!」と思って3週間くらいパリに滞在することになりました。当時ほぼ初めての海外で、ガイドブックの存在もあまり知らなかったので、ほとんど何の情報も持たないまま、現地で買った地図だけを頼りに3週間色んなものを見ました。そこで出会ったものがとても新鮮で、「これをみんなにも絵で伝えたいな」と思ったんです。

ーーーパリに滞在する前から、旅行はお好きだったんですか?
すげさわ:実は全然好きじゃなくって(笑)。一人旅とかもしたことがなくて、京都とか下町は好きだったので、お散歩みたいなことはしていたんですけどね。

40日間、バックパック一つでヨーロッパを周りました

ーーー大学を出てからイラストのお仕事を始めるまで、どんな経緯があったんでしょうか。
すげさわ:大学を出てすぐイラストレーターにはなれなかったので、まずは画材屋さんに就職しました。画材を知ることも勉強になると思ったし、仕事の仲間やお客さんなど、絵を好きな人が集まるところなので、その世界に近づけるなと思ったんです。そこで28歳まで働き、1ヶ月間でヨーロッパ8カ国を周る旅を経て、その後2年間パリに住みました。パリが好きだったし、好きな絵本作家さんが若い頃パリに住んでいたというお話を聞いたりもして、自分も住みたいって思ってお金を貯めて。

ーーーパリに住む前にはヨーロッパを周ったんですね。どんなところに行ったんですか?
すげさわ:スイス、オーストリア、ハンガリー、ベルギー、オランダ、ドイツ、デンマーク、スウェーデンの8カ国を、“ユーレイルパス”という、日本でいう青春18切符みたいな鉄道のチケットを使って一人旅しました。英語は全然喋れなかったんですけど、ガッツだけはあったので(笑)。1泊2000円くらいのドミトリーとかに泊まって、バックパック一つで40日間ヨーロッパを周りました。

ーーーすごい行動力ですね! 治安などの不安はありませんでしたか?
すげさわ:本当はスペインやイタリアなどにも興味があったんですけど、治安の面で断念したところはあります。治安の良い国を選んで行っていたので、危ない目には遭わなかったです。

ーーーその時も、絵日記を描かれていたんですか?
すげさわ:描いていました。絵日記は基本的に、忘れないようにその日のうちに描くようにしていて、国から国へ行く電車が早くて2、3時間。長いと6時間くらいあったので、そういう時間をずっと絵日記に充てていました。一人旅だったので、日本語も話せないし、ご飯待ってる間とかも手持ち無沙汰で、そういった時間にも。公園のベンチで描いてみたり、雰囲気の良いところで描けて楽しかったです。

ーーーその後2年間、パリに?
すげさわ:そうです。でも実はその直前にお仕事のお話をいただいて。画材屋さんで働いている頃から、カラーコピーを使った手作りの便箋など紙もの雑貨を少しずつ作って、下北沢にあった、雑貨作家のものを置いている雑貨屋さんに並べていました。そこに、ヨーロッパ旅行を経て作った、各国の魅力をまとめた小さな本も置いてもらっていたら、偶然来店した出版社の方から「こういう本を出しませんか?」ってお声かけいただいたんですけど、それがなんとパリに行く前日で(笑)。「私明日からパリに行くんです」って言ったら「じゃあ帰ってきたら連絡をください」って言ってくれたので、「忘れられちゃいけない」と思ってパリに住んでいる間は新聞を描いていました。毎月……まではいかなかったと思うんですけど、その出版社の方や、友人や家族に送っていて、おかげで無事に本も出してもらえました(笑)。

パリ滞在中に描いていた新聞や、ヨーロッパ各国の魅力をまとめた冊子、最初に出したパリの本など

ーーー旅がきっかけで、イラストレーターのお仕事にも繋がったんですね。イラストを描く際、インスピレーションを受けているものはやっぱり“旅”なんでしょうか。
すげさわ:そうですね。パリの本をはじめ、いろいろな国の旅行を題材にした本を出版させていただいたり、仕事の幅が広がりました。今はちょっと小さい子供がいて旅には行けないので、過去の旅を思い起こして描いています。

インスピレーションの元になっているという、海外の可愛らしいお土産
実際にお土産をモチーフにイラストを描き起こすこともあるそう

ーーー今、気になっている国などはありますか?
すげさわ:ノルウェーとロシアに行きたいです! ロシアは日本に近い、東の方は行ったことがあるのですが、モスクワとかは行ったことがなくって。ロシアって民芸品とか、建物とか可愛いじゃないですか。ノルウェーも、北欧が好きなので行きたいなと思っています。また旅行に行って、旅の蓄えを自分の表現に還元したいなあっていうのが今の私の夢です(笑)。

ーーーお子さまが生まれて、変わったことはありますか?
すげさわ:子供が生まれる前とは随分生活が変化しましたね。自分が描くイラストは色を使うので、アトリエはあえて真っ白の部屋なんです。絵本や旅のお土産や、自分の好きなものを並べるのも楽しくて。でも、今そこには子供のものが溢れていて、とてもお見せできる状態ではないんです(笑)。だから、今は家の中で画材を持ち歩いて、子供が何かやっている隙間時間に仕事をできるようにしています。どこでも仕事ができるようになりたいなっていうのが今の気持ちです(笑)。夏休みとか、ゆっくり実家に行ける時は画材一式を持って、子供を見てもらいながら絵を描いたりします。

色鉛筆やマーカー、色紙など、すげさわさん愛用の画材の数々。

もみじ市は、新しい挑戦へのきっかけ

ーーー今年、“ROUND”というテーマのもみじ市。テーマを聞いて、何が浮かびましたか?
すげさわ:もみじ市さんの、朝にやる円陣です。いつも始まる朝、みんなで輪っかになって、一人一人名前を呼ばれて。あの円陣が大好きで、その風景が浮かびました。

ーーーもみじ市の他の出店者さんのことはどんな風に思っていますか?
すげさわ:毎年出ていると、ブースがお隣になることが多い方がいるんですけど、「今年も会えた!」って嬉しくなったり、開催中の急な悪天候の時にすごく助けてくださる方がいたり。ありがたいなあって思います。もちろん刺激ももらっています。

ーーーすげさわさんは、お寺で“花市”を開催していた頃からもみじ市に出てくださっていますよね。その頃から変化はありましたか?
すげさわ:私は基本保守的なところがあるんですけど、もみじ市さんのおかげで新しいことにチャレンジできているなあと思います(笑)。私が一番最初に参加させてもらった時は、手描きのイラストをそのままカードにして売っていたりしたんですけど、周りの作家さんがきちんと商品化されたものを色々作られるようになっていって、「あ、私もこれじゃだめだな」って思って色々業者さんを探して作ったりするようになりました。先日も初めてIllustratorを使って入稿をしてみました! 新作の付箋なんですけど。Instagramも去年もみじ市さんのプロモーションで初めて使って、おかげで色んなことにチャレンジさせてもらっているなあと思います。

今回のもみじ市、新作「ふせん」の原画のイラストレーション

ーーー新しい作品のきっかけになっているなんて、とても嬉しいです。今年はどんな作品を持って来てくださるんでしょうか?
すげさわ:紙雑貨を色々作りたいなと思っています! “ROUND“に合わせて丸いタグとかも可愛いですよね。ピンバッジとかも可愛いなあと、色々検討中です。先ほどお話しした新作の付箋や、シールも並ぶ予定です! 当日は”ROUND“に合わせて「世界一周ダーツの旅」というゲームを開催します! 私が描いた世界地図の中の的に、ダーツが命中すると、お得な商品がゲットできるかも? 大人の方も、小さなお子様も、ぜひブースに遊びに来て欲しいです。

もみじ市で開催してくれる「世界一周ダーツの旅」! どんな商品が当たるのか? 当日をどうぞお楽しみに!

ーー新作やダーツの旅、どんなブースになるのかワクワクします! すげさわさん、ありがとうございました。

〜取材を終えて〜
思わず顔がほころんでしまうような、愛らしいイラストを描くすげさわさん。イラストの雰囲気にぴったりな明るさを持っている一方、真剣に謙虚にイラストに向き合う姿勢が印象的でした。私自身イラストを描くのが好きなことや、春にヨーロッパ旅行に行ったこともあり、絵のことや旅行のこと、夢中になってお話してしまいました。旅先で買った海外の絵本のお話など、またぜひ、のお話を実現させたいなあと思っています。とっても丁寧な方で、もみじ市のことを「もみじ市さん」と呼ぶお姿に、こっそり和んでいたのは秘密です。
(手紙社 本間火詩)

【もみじ市当日の、すげさわ かよさんのブースイメージはこちら!】

ダーツにフォトスポット、新作雑貨など盛りだくさんのすげさわ かよさんのブース。ぜひ遊びにいらしてくださいね!