ジャンル:CRAFT

ユーリ白樺かご

【ユーリ白樺かごプロフィール】
自ら樹皮を採取し、幾重にも編み重ねることで“白樺かご”を作る。20年前、北欧で暮らしたことをきっかけに白樺の木に出逢い恋に落ちる。白樺かごを編み重ねてゆくことは、生きることそのものと語るユーリさんの目はあまりにもキラキラとしており、本当に恋をしているのだとわかるほど美しい。白樺への愛に満ちた作品は、少女らしい無垢さと女性らしいしなやかさを秘めており、身につけるだけでホッと落ち着くような安心感がある。

http://juliwebsite.wixsite.com/juli

【月刊 ユーリ白樺かご 7月号】

第1話 「白樺と出会い、白樺と生きる」

6月1日。私は北海道の長沼町にあるshandi nivas cafeにいた。広大な畑の中にあるこのカフェを訪れたのは、今回の主役、ユーリさんの展示があるからだ。もみじ市でユーリさんの担当になるのは今年で3回目。年を重ねる毎に、ユーリさんの考えの深さや白樺への想いの深さに感銘を受ける。

今回お邪魔したユーリさんの展示のタイトルは「七月のたからもの」展。カフェの扉を開けてまず飛び込んできたのは、白樺の樹皮で編まれたかごが美しく並んだ姿。ユーリさんを代表する作品のひとつである。ユーリさんがこの白樺かごを編むようになったきっかけは、20年以上前に遡る。関西で生まれ育ったユーリさんは、就職をきっかけにスウェーデンへ移住。その北欧での暮らしのなかで出逢ったのが“白樺の木”だった。北欧ではどこにでもある木だったが、ユーリさんにとっては初めて目にする白い樹木。そして、そのまっすぐな美しさに心を奪われたという。けれども、その白樺の樹齢は約70年程と短い。木部が弱く、中が朽ちやすく、強風で倒れることもしばしば。しかし、他の木が根をはらないような痩せた土地や荒れ地にこそ白樺は根をはり、大地を肥やし、そうして白樺が樹齢を終える頃に、その痩せた土地を豊かな土地へと変貌させる。そのため北欧では“マザーツリー”と呼ばれている。次に生まれ来るもののために自らの精一杯の力を捧げるような白樺の生き方に、ユーリさんはずっと魅了され続けている。だから、白樺かごを編み続けているという。

愛する人のことをもっと知りたいと思う気持ちと同じように、白樺のことを深く知りたいと思っているユーリさんは、常に白樺の木について学んでいる。だから、白樺かごを編むことだけでなく、かごと同じ白樺の樹皮で作られていたカヌー制作にも取り組んだ。この白樺樹皮カヌーづくりは、ユーリさんの長年の夢。2017年7月、カヌーの歴史を学ぶため、まずはカヌー発祥の地・カナダへと渡った。

(編集・鈴木麻葉)

《次号予告》
第2話 「白樺樹皮カヌーへの想い、北極圏での暮らし」