John John Festival「ライブ」(16日)

音楽は、言葉ではとらえきれない小さな感情の動きや、大き過ぎて伝えられない感動を伝えてくれる。そんな力があると思う。楽しい気持ちも、優しい気持ちも、悲しい気持ちさえも。

John John Festivalは僕にそういった音楽のすばらしさを教えてくれたバンドのひとつだ。初めてその演奏を耳にしたのはとあるパーティ会場。絶え間なく演奏を繰り返す彼らの音楽は、会場の空気に寄り添うように優しく、その場の空気に彩りを添えていた。会も後半になれば、演奏も盛り上がり加速していく。聴いている僕らも楽しいが、演奏している彼らが誰よりも楽しそうで、フィドルを弾く“彼女”が、ピョンピョンとはねまわりながら演奏していたことが印象に残っている。


踊るようにフィドルを奏でる彼女は、johnという名の女の子。歯切れよく、時にメロウにギターを鳴らすのはannie、深く、情感豊かにバウロンを響かせるのは坊主頭がトレードマークのトシ。3人は旋律を重ねて、グルーヴを生み出し、ぐんぐんと螺旋を描いて、聴く人を巻き込んでいく。

その空間では言葉はいらない。生まれた国も、音楽のジャンルの垣根も何もかもを超えて、みんながひとつの体験を共有できるのだ。

彼らが奏でるアイリッシュ音楽は、その名のとおり、アイルランドの伝統音楽。ライブでの印象は自由で即興性に溢れ、ジャズに近いようなイメージを持っていたが、伺うところによると、そういうわけでもないようだ。

「曲はほとんど決まっていて即興で弾くフレーズはほとんどないです。いろんな曲を細かくつなげていく感じ」

そうなんですね!

「AをやってBをやってCをやって、またAをやる。そうやって曲をつなげていき、それを何回も繰り返していく。フレーズ自体はシンプルで、そのシンプルな旋律を繰り返しなぞっていくと、グルーヴが螺旋になって登っていく。一緒にやる人が増えれば増えるほど、奏者の呼吸が合えば合うほど、がーっとそれが太くなっていく感覚が生まれていきます。その場がすごくいい雰囲気でコンディションもよければ、一晩中でも弾き続けられます」

すごい。

「曲のひとつ一つは、昔から口承で受け継がれてきたもので、今、演奏されている曲たちはみんな歴史の錬摩に耐えている。そういう感性に触れていけるのがいい。演奏していてもいい曲だなとしみじみ思います」

楽しく、愉快な音楽を演奏しながらも、伝統音楽に対する深い敬愛の姿勢もきちんと持ち合わせている。


John John Festivalは、3つの演奏スタイルを柱に活動をしている。ひとつめは、いわゆるストリートライブのように路上で不特定多数の人に向けて演奏をするバスキング。ふたつめは、カフェやパブでその場にいるお客さん達に混ざりながら演奏をしていくセッション。そしてみっつめは、ステージを作ってしっかりと聴かせる、ライブ。

2010年1月にバウロンのトシさんが佐賀で行われるライブに誘われたことがきっかけで結成されたこのバンドは、吉祥寺の旧FFビル(現コピス)前広場で毎日のようにバスキングを重ね、グルーヴに磨きをかけ続けた。そして、現在は吉祥寺のcafe amarでの定期セッションとライブツアーを軸に活動を続けている。12/4には表参道でワンマンのライブも予定されているという。

ライブのステージは本当にさまざま。ライブ会場はもちろん、カフェや旅館、お祭り、各種イベント、音楽を鳴らせる場所であればどんなところでもステージにしてしまう。たくさんの演奏をさまざまな場所でこなしている彼らは、河原に集まる人々に向けたもみじ市のステージも、とっても良く似合うと思う。

John John Festivalが登場するのは、もみじ市2日目のトップバッター。ステージの前に集まって、多摩川の気持のよい空気を胸一杯に吸い込んで、彼らの音楽をみんなで堪能しよう。Let’s Groove!!

John John Festivalに聞きました。

Q1. もみじ市2011で、どんな作品を発表していただけるのでしょうか?
ジョンジョンフェスティバルの魅力の詰まった曲、主にCD収録曲に添った楽曲をライブ感たっぷりにお届けします。

Q2. もみじ市にお見えになるお客さまに、“末広がり”な自己紹介をお願いします!
どうも、ジョンジョンフェスティバルです。
アイルランドの伝統音楽をやっています。
アイルランドの音楽を知らない方はもちろん、知っている方にも楽しんでもらえる、踊れる音楽をお届けします。折角の野外ですし、是非踊ってください。

Q3. もみじ市の宣伝部長になったつもりで、お客さまに一言お願いします
もみじ市にはもみじ市にしかない魅力があります。
ここでしか探せない、そんな魅力につまった楽しいお祭りです。
是非一度足をお運びください。一度足を運ばれた方も、今年ならではの再発見をお楽しみに。
そして僕らの音楽を是非生で体感してください。

さて続いては、出店者紹介もいよいよ残り9組! 一度聞いたら忘れられない名前の、あのダンスカンパニーが登場です。みんなで一緒に踊りましょう!

文・藤枝大裕