五月女寛「陶のオブジェ」

豊島区雑司が谷。昔ながらの街並みが、いまも残る場所。ゆるやかな時間が流れていて、歩いていると、なんだかタイムスリップしてしまった気分。レトロな風景にワクワクしながらいくつかの路地を曲がると、こちらを見て手を振る人の姿が。いつもの、人懐っこい笑顔の五月女寛さんが、僕を迎えてくれました。

五月女さんのご自宅は、昔、下宿をしていた物件を大改装したおうち(改装前の間取りは9Kだったとか!)。リビングとダイニングは吹き抜けになっていて、板張りの壁や床が気持ちのいい空間をつくっています。

2階へ上がると、そこは、”おうちのおうち”でした! 目に飛び込んできたのは、五月女さんの代名詞といってもいい、陶でできた小さなおうちたち。純粋無垢なその姿は、色づけされ、焼かれる前のもの。完成したものは、奥の壁に設置された棚にありました。一面、おうち、おうち、おうち! 屋根の部分が色づけされたもの、入口や窓の付いているもの、おちびさんからせいたかのっぽのものまで、さまざまなおうちが並んでします。まるで、おとぎの国に迷い込んでしまったよう。
もう少し、おとぎの国の住人でいたいところでしたが、五月女さんに案内され、奥の部屋へ。そこが、五月女さんのアトリエでした。作品を作るための道具や材料があるのはもちろん、壁の棚にはたくさんの本が並び、デスクの上にはパソコンが置いてあります。アトリエのような書斎のような、なんとも楽しい”男の空間”。ふと見回すと、作業机の上に、小さな手まわしろくろがあるのを見つけました。

「おうちばかりじゃなくて、器なども作っていますよ。そこのろくろを使ったり、手びねりだったり。手びねりのものは、焼成すると少し形が変わって、味が出るのが面白いです。今年のもみじ市にもいくつか持っていく予定です」

そういえば先ほどリビングでお茶をいただいた器も、五月女さんの作品。白っぽい柔らかい印象の、普段使いしたくなるような親しみやすさ。均一な形ではなくて、それが五月女さんの人柄のようなあたたかみを出しているように思えます。そう、五月女さんの作品はかわいくてかっこいい作品であると同時に、どの作品も、とってもあたたかいのです。それは、「おうち」という作品に凝縮されているような気がします。家族を何よりも大切にし、仲良く暮らしている五月女さんだからこそつくりだせる、あたたかいおうち。

昨年のもみじ市では、たくさんのおうちを多摩川の河原に並べてくれた五月女さん。それらを見ていると、あのおうちも、このおうちも…、たくさん買いたくなってしまって困ります!
「先日、都内のあるイベントで展示をした際に、たくさんの家のオブジェを購入された方がいらっしゃいました。後日メールで写真をいただいたのですが、自分の住んでいる街を家のオブジェで再現してくれていて、とても嬉しかったです!」
やっぱりいましたか! 街を作っちゃう人。その気持ち、わかります。

さあみなさん、今年も、もみじ市に、かわいい陶器の街がやって来ますよ。 あたたかく、どこかなつかしい雰囲気は、五月女さんの住む街にも似ています。今年はさらにスペースが広がり、スケールアップする模様。2日間限りの素敵な街並みを、みなさんどうぞ訪れてみてくださいね。

*五月女寛さんにききました

Q1. 今回はどんな”いでたち”で、もみじ市のパレードに参加していただけるのでしょう?
今年も家のオブジェをたくさんつくります!そして「パレードがやってくる町」つくっちゃいます。

Q2. もみじ市をどんなふうに楽しみたいですか?
心地よい音楽を聴きながら美味しい物を食べつつ、ゆったりとした時間を楽しみたいです!

Q3. もみじ市の宣伝部長になったつもりで、来場されるお客さまにメッセージをお願いします!
もみじ市は、一年に二日間だけ姿をあらわす愉快な町。きっと良い出会いがありますよ!

さて続いては、見たら思わず’ウズウズ’しちゃう!とびきりキュートな作品と、素敵なこの2人に今年も会いに来て!
文●八木章

CRAFT  twitterでつぶやく

このページのTOPへ