柴田ケイコ「柴田ケイコ 紙商店」(23日)

夏のある日、吉祥寺で個展があると聞いて、いそいそと出かけていった。編集の仕事をしているので雑誌などのお仕事で何度がお世話になっていたし、いろいろな場面で彼女の名前を目にしていたいので、それが東京での初めての個展と聞いて、ちょっと意外な気がした。それくらい、彼女のイラストは自分の中で強く印象に残っていたのだ。

オープンしたばかりの会場は、これから迎える喧噪に備えて、まだ静かに眠っているかのようだった。壁沿いにひとつひとつ額装された作品をゆっくりと眺める。もともと画を描くことが大好きな子どもだったという柴田ケイコさんは、グラフィックデザインの仕事を経て、イラストレーターとして独立。現在、雑誌や広告、書籍などの世界で活躍する彼女の作品は、どれもが、とてもカラフル。たくさんの色を使って描かれているだけでなく、空が緑だったり、川が黄色だったりと色使いも個性的だ。さらに、多くの作品でイラストの中に英字の新聞のような紙がコラージュされていたりと、そのイラストの世界はとても現実の風景ではあり得ないのだけれど、愛嬌のあるキャラクターやどこか懐かしい風景は、すーっと見ている人の心に染みわたってくる。

「伝えたい内容(題材)によって、たとえばそれが料理ならよりおいしく味わえるようにしたり、またはおいしそうに見えるようにしたり、みなさんに気持ちよく伝わるようにするのがイラストレーターだと思っています。そういう風に、なにか人に感動をあたえる作品に、ひとつひとつつくりあげたいと思っています」

そうやって描かれたイラストをゆっくり、ゆっくりと、一枚ずつ眺めながら時間を過ごしていたら、それだけで心がじんわりとあたたかくなってきた。

もみじ市では、柴田さんのイラストがモチーフになった便せんや封筒、カレンダー、ポストカードなどの紙もの雑貨を販売してくれるとのこと。かわいらしいイラストの紙ものたちは、どれもここだけでしか買えないもの。使っているだけでも、なんだか気持ちが軽くなってきそう。

そして、個展の会場であまりのかわいさに目を奪われ、ぜひもみじ市に! と声をかけたのが、柴田さんの立体作品の数々。かわいいキャラクターや乗り物が、文字通りイラストから「飛び出して」きたもの。これ、“土佐和紙”で作られているのだとか。

「いろんな物や人がいて刺激のある都会も大好きなのですが、やっぱりおいしい食べ物ときれいな海や川や山を離れることができなかったですね」

と語る柴田さんは現在も地元の高知県に在住。高知県は平安時代から紙を漉いてきた地域なのだそう。その立体作品は、カラフルな色使いのイラストと英字のコラージュに、和紙の自然な風合いと、ふにゃりとしたカタチ”のユニークさが加わって、それを持てば子どももおとなも自然と笑顔が溢れてしまうかわいらしさ。

高知県からはるばる、もみじ市に初出店してくれる柴田さん。この機会にぜひ、柴田さんの作品を見に来てください。そのかわいらしさに、誰もが癒されること間違いなし、ですよ。

*柴田ケイコさんに聞きました

Q1. 今回はどんな“いでたち”で、もみじ市のパレードに参加していただけるのでしょう?
こじんまりとした感じですが、来ていただいた人が作品をみて、ほっこり、にんまりしてくれるような形にしようかと思っています。

Q2. もみじ市をどんなふうに楽しみたいですか?
今回初めての参加ですので自分のブースだけで満足せず、いろんな方の作品を見てモチベーションをあげたり、次の作品につながるように楽しみをもらってきたいと思っています。

Q3. もみじ市の宣伝部長になったつもりで、来場されるお客さまにメッセージをお願いします!
日常にはかくれたいろんな楽しみ方があると思います。それは食べ物だったり、アートだったり。ものをつくったり。音楽だったり。その引き出しを教えてくれるのがこのもみじ市ではないでしょうか。ぜひぜひ見て聞いて食べて楽しんでいってください。

さぁさぁ、続いては竪琴を弾くあの女性。今年もかわいらしい鳥たちがもみじ市にやってきますよ!

文●セソコマサユキ

PHOTO, ILLUST & TEXT  twitterでつぶやく

このページのTOPへ