アトリエ・モリヒコ「アトリエ・モリヒコ」

高校生のころ、カフェ好きな友達に教えてもらった一軒の店。

札幌の中でも特に、カフェやお菓子屋さんなどおしゃれなお店が多く集まる円山の、メインストリートから少し奥に入った住宅街の細い路地の先に、その店はひっそりとたたずんでいた。
「森彦」
少し背伸びをするような気持ちで中に入り、置かれている家具や内装の持つ穏やかな雰囲気にそわそわとしながら飲んだコーヒーの味は、もう覚えていない。けれど、その日の記憶に思いをはせると、今でも暖炉のような優しいぬくもりが、心を包む。

モリヒコの代表・市川草介さんは、東京で学生時代を過ごした後、デザイナーとしてオフィスを立ち上げるため札幌へ戻り、構えたオフィスの近くで魅力的な民家に出会ったことから、そこでカフェを開きたいと願うようになったという。
そして市川さんの思いと努力が重なり合い、1996年、その民家を改装したカフェ「森彦」がオープンした。それ以来、多くの人々においしいコーヒーと暖かい時間を届け続けている。

さらに、2006年には2号店「アトリエ モリヒコ」がオープン。1号店よりも街の中心に近い場所にある2号店は、洗練された雰囲気を持ち、通りに面した大きな窓からは明るい光が降り注ぐ。

そして、今年の3月、古い倉庫が建ち並ぶエリアの一角に、工場だった建物を改装した、3号店のD×M(ディーバイエム)が誕生した。店のデザインもコンセプトも、それぞれ異なった3店舗だが、訪れるお客さんに最高のコーヒーと、コーヒーと過ごす素晴らしいひとときを提供したいという思いは、どの店も変わらない。

成功に甘んじることなく、同じ場所にとどまることなく、新しいお店を生み出し続ける市川さん。現在、「アトリエ モリヒコ」の店長をつとめ、市川さんと出会った次の日にはもう、モリヒコで働いていたと語る中山さんに、市川さんについてたずねてみた。

「やりたいことがいっぱいあるんですよ。それを、一つ一つ現実にしていく人です。コーヒーと何か、『コーヒー&サムシング』というのがモリヒコのテーマなんですが、店やコーヒーだけではなく、全てに関して、常に何か新しいことをできないかと考えています」

例えば3号店では、こんな挑戦が行われているという。
「1号店と2号店はネルドリップなんですが、3号店ではフレンチプレスでコーヒーを抽出しています。本来であれば、ネルドリップで出す店が、なぜフレンチプレスを始めるのかってことになるんです。でも、モリヒコでフレンチプレスをやったら、こうなるんですよっていうのをやってみたかった。それが要は、コーヒーの可能性を広げていくことにつながるんです」

市川さんの限りない夢を一緒にかなえて行きたい。そう語る中山さんからは、並々ならぬコーヒーへの愛があふれて出していた。
「毎日新しいことに挑戦しています。同じ豆でも、今日の豆と明日の豆だと状態が違うんですよ。いつがベストかは、そのときにならないとわからない。一般の方は、焼きたてがおいしいと思われている方も多いのですが、焼いてからガスが抜けて味が出てくるまでというのは、豆によって3日から4日くらいかかるんですね。そういうのを見極めつつ毎日、常においしいものを出していけたらと思っています」

昨年、札幌で行われた「旅するもみじ市」に初参加したモリヒコは、2009年の「もみじ市」にも出店。そして、今年もまた、丁寧に焙煎されたコーヒー豆と、そこから最高の一杯を生み出す市川さんが、もみじ市へとやってくる。「10月がすごく楽しみです」とおっしゃる中山さんも、市川さんと共に初めて参加されるとのこと。

さて、ことしはどんな“新しい挑戦”を引き連れて、北の大地からもみじ市へやってきて下さるのでしょう。きっと、とびきりの一杯が、あなたを待っているはずです。コーヒーだけではありませんよ、コーヒーにぴったりの、美味しい焼き菓子もあります。すがすがしい秋空のもと、芳しいコーヒーの香りを感じたら、ふらふらと流れに身をゆだねて、アトリエモリヒコの小さなお店に立ち寄って下さいね!

*市川草介さんに聞きました。

Q1. 今回はどんな“いでたち”で、もみじ市のパレードに参加して いただけるのでしょう?
去年、はじめて本家のもみじ市に参加させていただきました。今年も巨大ネルを使い、さらに多くの皆さまにMORIHIKOのコーヒーをご提供できればと思っております。また、今年ももみじ市ブレンド2010を焙煎予定! コーヒーも焼き菓子も更にバージョンアップしたものをたくさんの方に知っていただければと思います。

Q2. もみじ市をどんなふうに楽しみたいですか?
去年は2日目しか参加が出来なく、朝早くに札幌を出発し、何時間かしか参加できませんでした。それでも多くの方からメールやお手紙をいただき、本当に心からうれしかったことが今でも胸に残っています。今年は去年よりも長い時間もみじ市に参加できればと思っています。そしてまたコーヒーを通じてステキな出会いにめぐり合って、いい思い出にしたいと思っています。

Q3. もみじ市の宣伝部長になったつもりで、来場されるお客さまにメッセージをお願いします!
今年も遠い北国からMORIHIKOは参加させていただきます。澄んだ空気の中で丁寧に焙煎したMORIHIKOのコーヒーを皆さまに楽しんいただけるといいなと思っております。そして今年はどんなステキな出会いがあるのか…。遠い北国ではなかなかお会いできない方に会えるのが今から何よりも楽しみです! 東京にふくよかなコーヒーの薫りをお持ちいたします。それでは、もみじ市で会いましょう!

さて、つづいてご紹介するのは、『雑貨』といえばこの方。で、いったいもみじ市ではどんなお店を開いてくれるのでしょう?

文●藤川茜

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