カテゴリー: STATIONERY


six「ヨーロッパの紙モノ&蚤の市」

手帳に予定を書き込む。そんな何気ない日常も、もし手帳やペンがお気に入りのものだったら、小さな幸せがあふれる特別な瞬間に変わる――。「好きなものに囲まれる幸せ」を、もみじ市のブログを読んでくださっているみなさんなら、きっと日々感じていらっしゃるのではないでしょうか。

「DELFONICS(デルフォニックス)」を主宰する佐藤達郎さんが、1988年にステーショナリーをつくる事業を始めたのも、「自分の好きなものに囲まれたい」という純粋な想いが、きっと、きっかけだったのだと思います。

「事業などという大げさなものでは、まったくありませんでした。もし自分が将来お店を持てたら、そこで仕入れたいと思えるステーショナリーをつくりたい、そう単純に思ったのです。当時は今とは違って、ほしいと思える商品が本当に少なかったのです」

では、なぜステーショナリーだったのか? 佐藤さんは続けます。

「瀬戸内で過ごした子どもの頃、小学校の前には小さな文具店がありました。いつも血気盛んな子どもたちでいっぱいで、ワクワクやドキドキにあふれていた。まるで宝探しをするように、毎朝、店内を一周してから教室に向かっていました。おそらく、文具店が最も輝いていた時代。そんな時代のお店のたたずまいや匂い、ワクワクやドキドキを伝えたい。当時、確かにそこにあったその魅力を、再現ではなく、現代なりの自分なりの解釈を添えて、“再生”していきたいと思ったのです」

その想いは、ステーショナリーをつくる仕事を始めて6年目に、新たな展開をむかえることになりました。以前からずっと、あの場所でお店ができたらいいなと考えていたところに、ちょうど建物の工事が始まりました。バブルがはじけたこともあり、望んでいた自由が丘のその場所に、奇跡的にお店を出すことができたのです。今や都内をはじめ横浜や仙台、福岡などに20店舗を構える佐藤さんが、初めて開いたお店、それが自由が丘の「six(シックス)」だったのです。

半地下にある、秘密基地のようなお店につづく階段をおり、ドアを開けると、そこには、まるでおもちゃ箱の中に迷い込んだかのような空間が広がっていました。店内には、ヨーロッパのデッドストックのステーショナリーをはじめ、カメラや時計、アクセサリー、ペーパーバッグや海外の地図、ポストカード、バッグ、ストール、雑貨など、アンティークから現行品まで、ところ狭しと並んでいます。これらの品々は、佐藤さんとsixのスタッフが海外を巡って、直接仕入れてきたもの。sixに並んだ商品を見ていると、まるで海外を旅しているような気分になってきて、時間を忘れ夢中になってしまいます。

「お店に並ぶ商品はヨーロッパのものが中心ですが、特にきまりはありません。わたしたちが“ほしい!”と思ったものを、国内外を問わずにギュッと集めたら、こんなお店になったという感じです。実はぼくも、オープンした頃は、スタッフの一人としてお店に立っていたんです。sixはデルフォニックスのお店というよりも、個人店主が好きなものを、わがままに集めてきたというお店にしたかった。その想いは、今も変わりません」

佐藤さんは、自分たちの仕事を、「人とモノの実りある出会いを創造すること」だと表現します。sixで働きはじめて4年目になる、伊藤妙子さんが話してくれた言葉の中にも、その想いがたくさん詰まっていました。

「わたしたちがほしいと思ったものを、お客様にもほしいと思っていただけたときが、いちばん嬉しい。『sixで買ったものを友達にプレゼントしたら、すごい喜んでくれた』、そんな言葉をお客様から聞けたとき、人と人をモノがつないでいる気がして、この仕事をしていて本当によかったって思うんです」

さあ、もみじ市では、sixのブースからどんな新たな出会いが生まれるのでしょう。今回、佐藤さん、伊藤さんは、sixでも人気の高いステーショナリーをはじめ、ペーパーバッグや海外の切手などの紙モノを、たくさん抱えてやって来てくれます。それだけではありません! ふだんはsixには並んでいない(並べたいものがありすぎて並べきれていない!)、海外のアンティークもののビンや食器、おもちゃ、雑貨なども、もみじ市限定で販売してくれます。

ぜひ、当日はブースの隅々までチェックしてみてください。近所の文具店で、まるで宝探しをするようにワクワク・ドキドキしていた、あの頃に戻って。

*伊藤妙子さんに聞きました

Q1.今回はどんな“いでたち”で、もみじ市のパレードに参加していただけるのでしょう?
sixで年に数回行っている蚤の市の『もみじ市限定バージョン』で参加します。お店はステーショナリーが中心の品揃えですが、紙モノやふだんは扱いのない古い雑貨も準備中です。

Q2.もみじ市をどんなふうに楽しみたいですか?
初めて参加しますので、お客様との出会い、モノとの出会いを楽しみたいです。そしてもみじ市の空気感を、存分に味わえたらと思っています。

Q3.もみじ市の宣伝部長になったつもりで、来場されるお客さまにメッセージをお願いします!
いろいろな魅力が詰まったもみじ市だと思います。それぞれの感性で発見を楽しんでください。

さて続いては、めちゃくちゃ素敵なお菓子とパッケージのコラボユニットが、もみじ市に初登場!

文●杉山正博

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水縞「文房具」

パリッとしたうすい紙に黄色い水玉模様の一筆せんは、ひと言添えたい時に使う。ガムテープでもマスキングテープでもない、鮮やかな水色の細いクロステープは、ちょっとした梱包のアクセントに使う。仕事や生活の中で、日々使う文房具こそ、好みのものを選んで使いたいと思っている。たとえばそれを使って誰かに手紙やプレゼントを贈るとき、さりげなく、自分の個性や自分の心を伝える手段にもなると思うから。

ずっと前に、雑貨屋さんで買った一筆せんとクロステープが、この二人が制作した商品だと知ったのは、つい最近のことだった。そういえば、一筆せんには、かわいいロゴが入ったタグがついていたし、テープも台紙とともにパッキングされていた。日常的な文具というよりも、雑貨のようなかわいらしさがあって、「持っていたい」「使ってみたい」と思わせる魅力があった。そうか、その魅力は、この二人の『しわざ』だったんだな。

その二人とは、「水縞」の植木明日子さんと、村上幸さん。“水”玉担当の植木さんはphrungniiというブランド名で活動しているデザイナーで、主にバッグなどの布製品などをデザインしているほか、商品のデザインも担当。“縞”々担当の村上さんは吉祥寺にあるレトロでかわいい文房具屋さん、「36 sublo」の店主。実家が文房具屋さんだったという村上さんは、 子供の頃からあるなつかしい文具が大好き。そんな二人がタッグを組んだ水縞は、自分たちが「欲しい」「かわいい」と思う文具の企画、デザイン、発注、販売までのすべてを行っている。

36の常連だった植木さんはデザインの仕事でタイに行くことが多く、お土産にタイの紙ものを、村上さんにプレゼントしていたそう。それが、村上さんの好みにピタリとはまった。
「タイでは、日本でいう『レトロ』な質感のものが、日常的に使われているんです。こんなにいい感じの封筒がスーパーにも、文房具屋さんにも、どこでも売っているんですよ」
そう言ってみせてくれたのは、ざらっとした表情が紙好きにはたまらない、茶封筒。ちょっと厚手のところや、褪せたような色も感じがいい。
「タイでは色は原色。ブルー、オレンジ、ピンク…。毒々しいんですよ(笑)」
原色だけれど、むかし、お母さんが着ていた柄物の洋服のようななつかしい色合いで、かえって新鮮に感じる。

やがて、意気投合した二人は一緒にタイに出向き、市場やたくさんのお店を巡っては、文具を探し歩いた。それが、水縞の始まりだった。

今やオリジナル商品の多くをタイで製造してもらっているそうだが、「商品が『普通に』納品されるまでにはすごく時間がかる」という。日本では常識なことが、タイの人にとってはそうでないこともしばしば。例えば、手先が器用なタイの人が作る封筒はとてもきれいな仕上がりだけど、梱包で折れ曲がってしまっていたり、ちょこっと糊がはみ出ていたせいか、重ねた2枚がくっついてしまっていたり。いつも納品されているハンコが、突然サイズがかわっていたりすることもあるそう。それを指導しながら納品にこぎつけるのは根気のいる作業で、開発から発売まで1年かかるものもあるという。
「それでも、タイのものは魅力がある。日本では手に入らないものばかりだから、やっぱりいい! と思う」
植木さんは、そんな苦労を楽しむかのように、笑顔で話してくれた。

現在、80〜90種類ほどに増えた商品のラインナップは、毎週1〜2回、2人で行っている商品会議から生まれたものだ。商品開発で大切なのは、なによりも「勢い」と「ノリ」、そして「楽しいこと」。文具に詳しく、実際にお客様の声を生で聞くことができる村上さんの思いと、市場にあるもの、ないものがまったくわかないまま「こんなのが欲しい、それならどうする?」というアイデアが豊富な植木さんが作る文具は、デザインのパンチが効いていたり、紙質が独特だったり、あえてなつかしさを感じさせる絵柄だったりと、遊び心にあふれている。

そして、もうひとつの魅力はそのパッケージにあった。販売するものには、必ず手作業が加えられているという。たとえば、タグを紐でつけたり、何枚かを組み合わせて紙でくくったり、ハンコの使い方サンプルを添えてパッケージしたり。ひとつ加える「手間」が、レトロ感のある商品にさらに温かみを増していて、それが水縞の特長になっている気がする。

「手作りの作品ではなく、大量生産でもない。その中間だからできることがあると思うんです。それがこの作業だなって思います。この作業は内職の方たちにお願いしているのですが、彼女たちは私たちの財産ですね」

初登場となるもみじ市では、文具好き、紙好きにはたまらない、「もみじ市のための特別パッケージ」が登場するそう! どんな「手」を加えてやってくるのか、そして、どんな商品が並ぶのか、宝探しをする気分でお気に入りを探して下さいね!

*水縞のお二人に聞きました

Q1. 今回はどんな“いでたち”で、もみじ市のパレードに参加していただけるのでしょう?

見て楽しい、使って楽しい「文房具」をひきつれて、パレードの行列にくっついて行きます! 青空の下の文房具。多摩川の大きな背景をバックに、小さな文具をわいわいと賑やかに並べたいと思います。

Q2. もみじ市をどんなふうに楽しみたいですか?

様々なジャンルの作家さんや、もみじ市にいらっしゃるお客さまたちと一緒に、気持ちの良い空気をたっぷり吸い込みたいです! もみじ市のパレードの一部になって体験する2日間がとても楽しみです。

Q3. もみじ市の宣伝部長になったつもりで、来場されるお客さまにメッセージをお願いします!

秋の空の下、のんびりゆったり遊びに来てください。たくさんのお楽しみを散りばめてお待ちしております!

さて続いては、昨年のもみじ市で大人気だったたいやき屋さんが、今年ももみじ市に!

文●わたなべようこ

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