これまでのもみじ市を振り返ってみよう



調布市、仙川にある小さなギャラリー「森のテラス」。第一回のもみじ市はここで開催されました。事務局(という言葉も当時はなかった)は、北島勲、渡辺洋子、増田千夏の3人。当時はまだ新信気鋭だった(?)小谷田潤さん、kata kata、charan 山田亜衣さん、ヘブンズテーブル、アノダッテ、tico moonら20組の出店者さんによる小さな市…、だったはずが開場前から行列ができてしまうほど予想外の大盛況。会場は人の熱気に包まれていました。ここからもみじ市の歴史が始まります。

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初めてのイベントで、準備期間はプレッシャーとやることの多さで、3人の間が険悪になったことも。無事にイベントが終わり、増田を車で自宅に送った別れ際、3人で抱き合って喜びを分かち合ったのを覚えています。

(北島勳)


「旅」といえばパスポート、パスポートといえばスタンプ! 「旅するスタンプ」と題して、出店者さん全員にオリジナルスタンプを作っていただきました。しかし、台風のため一日目が中止に。急遽、出店者全員に連絡すると、情熱の陶芸家・小谷田潤さんから「僕ひとりでもやります。中止にしないで下さい!」と感動的(?)なお言葉が。当日、「もしかしたら誰か来るかもしれない」と、雨の会場に立った事務局スタッフ。訪れた数名のお客さんに謝りながら、マップと、一日目に出る予定だった出店者さんのスコーンを渡しました。その多くは島根など遠方の方で、「みんなが楽しみにしてくれているイベントなんだな」と実感したできごとでした。

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2日目は、台風一過で素晴らしい青空。泉龍寺の地面がイチョウの葉で埋まり、まるで"緑のじゅうたん"に。感動的な光景でした。

(増田千夏)


狛江の泉龍寺を飛び出し、多摩川河川敷に会場を変更。テーマ「旅と音楽」に合わせたもみじ市のイメージアルバム「旅と音楽と、」(制作:333DISCS)が作られ、出店者さんの数も一気に増加。一新された会場MAPは、切り取るとタペストリーになる仕掛けに。今ではお馴染みの河原にテントがずらっと並ぶ光景は、広い会場に苦戦しながらも頑張ったボランティアスタッフスタッフの区画作りの賜物。すべてのことが新しく、もみじ市の第二幕がスタートした記念すべき回でした。

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車で来場した出店者さんと一番初めに挨拶を交わすスタッフというポジションでした。笑顔と緊張の交じり合った彼らの表情を知っているのは、僕だけなんじゃないか、と思っています。コトリンゴさんが「ひこうき雲」を歌った時、みんなで紙飛行機を飛ばしたのが印象的です。

(八木章)


現在と同じ、京王多摩川駅最寄りの河川敷で初めて開催した年。以前より広くなった新しい会場を前に、「この場所でできる最高のことをしよう」と、今までの倍以上の時間とエネルギーを注ぎながら準備を進めました。しかし準備期間の終盤、仮装をしたお客さんと共に会場内を行進する予定も、先導してくれるバンドが決まらずに当日を迎えてしまった事務局。そこに奇跡のように現れたのが、たまたま遊びに来ていた"コロリダス"のメンバーたち! 彼らの演奏で笑顔のパレードが会場に広がり、その光景はまさに伝説に。一日の最後の締めは"パレード!"が、もみじ市の定番になる、きっかけとなった回でした。

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あざやかな色を塗るように、河川敷にある全てに元気を吹き込む、笑顔の行進。そこはしあわせの空気で、満たされていました。

(瀬底正之)


2年ぶりの開催となるもみじ市。「やるならば、世界最高のものづくりのイベントに!」を合い言葉に事務局一同臨みます。今年のテーマは「カラフル」。メインビジュアルをtupera tuperaのおふたり、アートディレクションをatmosphere.ltd 川村哲司さんにお願いしました。多摩川の河川敷に加え、近隣の施設「東京オーヴァル京王閣」も会場とし、総勢125組の出店者でお届けします。さまざまな“カラー”を持った作り手が集う時、多摩川河川敷は限りなく、カラフルに。




今となっては幻の、春に開催していた“花市”の記念すべき1回目。鐘楼をステージとし、tico moonの音楽が流れる中で舞い散る桜の花びら。その後ろには、ワークショップで子どもたちが描いた大きな絵。そして、団結力に溢れた出店者さんと、想像以上に集まってくださったお客さま。すべてが交わり、幸福感に満ち溢れた奇跡のような空間が生まれた回でした。この時の充実感が、後のもみじ市を作る原動力になったことは言うまでもありません。

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終わった後、出店者のみなさんが私たち事務局メンバーを招待してサプライズパーティーを開いてくれたんです。その時の感動は今でも忘れられません。

(わたなべようこ)


台風で中止となったもみじ市の次に開催。たくさんの人が来ることを受け入れ、それでも、精一杯楽しくやるんだ、という決意のもと事務局スタッフを増やして望んだ花市です。オリジナルTシャツはなんと4種類。椿野恵理子さん、tupera tupera、イシイリョウコさん、升ノ内朝子さんとともに製作しました。また、この回から古道具ジャンルの御三家、古書モダン・クラシック、古道具あきすけ、フォトノスタルジアも参加。多くの出店者を迎え、新たな一歩を踏み出した回です。

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兄に誘われて初めて手伝った回。1人で来ている出店者さんの店番を代わり、雨がぱらつけばビニールシートで作品を守る。とにかく、みんながみんなのために一生懸命で心を打たれたのを覚えています。

(藤枝大裕)


テーマ「宝さがし」に合わせて、会場内のどこかに「宝箱」が隠される。その在りかを知るのは、tupera tuperaが描いたメインビジュアルのキャラクターと同じ服装をしたスタッフの中のひとりだけ。これはいまだにスタッフ内で語り継がれる、お客さまと出店者とスタッフみんなが一緒に楽しんだ名企画でした。会場MAPは、くるくる丸めて革ひもで括られたまさに宝の地図! 敬愛する作り手から生まれるもの、来てくれたお客さまと作り手の出会い、そこで生まれるきらきらした時間のすべてが宝もののようで、もみじ市のすべてが詰まっていたような回でした。

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和泉多摩川駅から河川敷にむかう人の波が、このスペースをいっぱいにするだけのお客さんが来てくれるんだろうか、という不安を吹き飛してくれました。

(秋月康)


花市も含めると8回目のこの年は、「8」の数字にちなみ縁起のよい「末広がり」というテーマで開催。会場内に「末広がり神社」が登場し、初参加となるニシワキタダシさんが描いた、おみくじならぬ「もみくじ」が話題に。しかし、悪天候に見舞われ、一日目がまたも中止に。せめてパンだけでも販売できないかと手紙舎に移動し、数店舗だけの「ミニもみじ市」を開催。翌日は晴れ、たくさんのお客さんにご来場いただきましたが、今後の開催について、課題が残った年になりました。

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一日目、事務局スタッフの何人かで会場の水たまりをかく作業をしたのですが、夜に雨が降って元通りに。へこみながら迎えた二日目の朝、ボランティアスタッフの子たちが黙々と水たまりの水を捨ててくれていて、感激したのを覚えています。

(関根利純)