出店者紹介,ENTERTAINMENTetc.

キノ・イグルー


【キノ・イグループロフィール】
旅する映画館「キノ・イグルー」の歴史は、サッカー一筋の有坂少年と、映画オタクの順也少年が中学校時代に出会ったことに始まります。やがて大人になったふたりは、全国を回る小さな映画館を主宰することに。博物館や工房、酒蔵、無人島などさまざまな場所でイベントを行ってきたキノ・イグルーは、その場所でしか叶えられない“特別な映画の時間”をつくることをモットーに活動しています。「自分の中で思いついたことよりも、想像もしないようなハプニングをどう自分に巻き込んでいけるかの方がずっと楽しい」という有坂さん。そう、映画を愉しむことはきっと、人生を愉しむことなのです。

HP:kinoiglu.com
Instagram:@kinoiglu

【キノ・イグルー 有坂塁の「グリーンな映画」】
キノ・イグルー 有坂塁さんがおすすめする「グリーンな映画」。
もみじ市のテーマ“グリーン”を連想して真っ先に思いつく「緑」や「自然」の綺麗な映画ではなく、ちょっと違う角度から「グリーンな映画」を選んでくれたそう。
「グリーン」という言葉の自由度を味わいながら、映画との新しい出逢いをお楽しみください!


グリーンブック(アメリカ)
2018年に米アカデミー賞を受賞した作品。

主人公はニューヨークの一流ナイトクラブで用心棒を務めていたイタリア系男のトニー・リップ。ひょんなことから、黒人の天才ジャズピアニスト・ドクターシャーリーが、アメリカ南部で行う演奏ツアーに運転手兼ボディーガードとしてスカウトされることから始まるロードムービーです。アメリカ南部は人種差別がまだ色濃く残っていて、二人は<黒人用旅行ガイド=グリーンブック>を頼りに旅をすることになります。 

グリーンブックとは、“緑の本”ということではなく、グリーンさんが作った「グリーン・ブック」なんです。当時、黒人白人の社会的ルールが大きく分けられていて、旅をする黒人のために“ルールブック”を作るべく(ヴィクター・H・グリーンが)自主出版で作ったもの。

監督は、『メリーに首ったけ』でおなじみのピーター・ファレリー。彼の作品はいつもコメディ要素のおふざけの中に真面目な部分がきちんと織り込まれています。この映画は、実話なんです。その事実を見逃した人でもしっかり楽しめるのは、彼の力だと思うんですよね。

そしてなんと言っても、最後のシーンが素敵。クリスマスが待ち遠しくなるようなラストなので、これからの季節にもピッタリな作品です。
多くは言えないけれど、絶対にケンタッキーフライドチキンを食べながら見てください!


さよならみどりちゃん(日本)
今度は、日本の“みどり”ちゃんを紹介します。
南Q太のコミックを映画化した、原作のある映画です。主演は星野真里と西島秀俊。
星野真里はダメ男ばかりを好きになっちゃう女の子で、西島秀俊を好きになるんだけど、西島には恋人がいた。だけど受け入れてしまう、そんな“完全な片思い”を描いた映画です。 

この映画のタイトルにもなっている「みどりちゃん」。実は星野真里の名前ではなく、西島の恋人の名前なんですね。そう言った意味でも、タイトルから何が起こるんだろうと思わせてくれる映画です。

こじらせ女子映画が好きなひとには、マストかなと思う1本。最大の見どころは“セクシーな西島秀俊”! 最近は爽やか・強さのイメージが強いけど、西島秀俊のキャリアの中で最もゲス男の役柄です。新しい一面も観れるので、西島ファンは必見!


緑の光線 (フランス)
1986年のフランス映画。

お話は、主人公がバカンスを一緒に過ごそうと思っていた友達にドタキャンされてしまうことから始まります。向こうのバカンスって、日本の大人の1週間だけの夏休みとはちょっと訳が違うんですよね。このために毎日頑張ってきたようなものなんです。本当に1人になってしまった孤独感があるということを前提に見るだけでも、伝わってくるものがあると思います。

それで、何が“グリーン”なのかというと……「緑の光線」と呼ばれる、日没に一瞬だけ見える光線がある。これを目撃することを、主人公はこのバカンスの目的にするんです。その中で運命と出会いがあって、終わり方もとってもロマンチック。僕も大好きな1本です。

監督のエリック・ロメールは、本当に軽やかな映画しか作らない。それが、“圧倒的個性”だなと思います。出てくる主人公は面倒臭い感情移入のしにくいタイプばかり。この映画の主人公も初めはとっつきにくいんだけど、最後にはすっかり作品にのめり込んでしまう。感情移入だけが映画じゃないということを教えてくれます。

【もみじ市ラジオ】

【キノ・イグルー 有坂塁の「この夏のグリーン」】