出店者紹介,ジャンル:OYATSU

cotito ハナトオカシト(14日)

【cotito ハナトオカシトプロフィール】
西荻窪の駅から歩くこと、約13分。味わいのあるグレーの壁を少し変わった植物が彩るお店があります。店主のご夫婦、前山真吾さんと由佳さんの営むcotitoは、花とお菓子のお店。店内に設けられたカフェスペースでは、真吾さんが独特の感性で選ぶ植物と、由佳さんが丁寧に作る、食べられるお花“エディブルフラワー”を使ったお菓子を楽しむことができます。焼き菓子やリースは、すみずみまで繊細で愛らしく、特別な贈り物にと選びたくなる品ばかり。オープンから約4年、2人の理想を形にすることを一つひとつ重ねながら、丁寧に築いてきたお店は、今日も多くの人に愛されています。
http://cotito.jp/


【商品カタログ予習帳】
『お花と甜菜糖のアイシングクッキー』

ドライフラワーのリース

『月刊 cotito』記事一覧

7月号 特集「花とお菓子のお店のこと」
8月号 特集「由佳さんとお菓子のこと」
9月号 特集「真吾さんと花のこと」
10月号 特集「花とお菓子ともみじ市のこと」



【月刊 cotito ハナトオカシト 7月号】
特集:花とお菓子のお店のこと


店の周りをぐるりと囲う、個性的な佇まいの植物の数々。大きなガラス窓を覗くと、植物の合間から店内の様子を伺えます。花屋さん? カフェ? そのどちらでもありながら、そのどちらの枠にも収まりきらないような、そんなお店が、東京、西荻窪にあります。
cotitoは、店主の前山真吾さん、由佳さんのご夫婦が営む、花とお菓子のお店。真吾さんが“花”を、由佳さんが“お菓子”を担当します。店内にはカフェスペースも設けられており、由佳さんが丁寧に作るケーキやドリンクを味わいながら、真吾さんがセレクトした植物を楽しむことができます。

 

花の仕入れ状況などによって、大きくディスプレイの変わる店内。現在(6月下旬)は、大きな枝が存在感たっぷり。
左手のカウンターには由佳さんの作る焼き菓子がずらり。カフェスペースでは、メニューと共に独特の風貌の植物も堪能できます。

元々勤めていた花屋と飲食店が隣同士だったことがきっかけで出会ったというお2人。それぞれ「いつかはお店を開きたい」と思い、独自に研究を重ねていたそうです。結婚後「どちらのやりたいことも叶えられる場所を作ろう」と出来上がったお店こそが、cotitoでした。“cotito”とは、古語で“わたしたち”を指す、「此方人(こちと)」から取られた名前。由佳さんと真吾さんのお2人、花とお菓子、お客さんとお店、色んな“わたしたち”の巡り会いで生まれるものを大切にしたいという願いを込められています。開店当初からずっと変わらず、2人の思い描く理想を一つひとつ丁寧に実現してきたお店。今では遠方からも多くのお客さんが訪れ、母の日やクリスマスなど、行事の際に作る限定品はあっという間に予約が埋まってしまうようになりました。多くの人を惹きつける、cotitoの魅力。それは一体どんなところからやってくるのでしょうか? 次回は、由佳さんの手がけるお菓子に注目。食べられるお花“エディブルフラワー”に彩られた、美しいお菓子がどうやって生まれてきたのかをご紹介します。

(編集・本間火詩)

 



【月刊 cotito ハナトオカシト 8月号】
特集:由佳さんとお菓子のこと
一目見ただけで心を奪われてしまうような、愛らしい焼き菓子。cotitoの看板商品『ハナサブレ』は、生地の上に食べられる花・エディブルフラワーがあしらわれています。このお菓子を作っているのは、店主の一人、前山由佳さん。今でこそあちこちで見かけるようになったエディブルフラワーですが、彼女がお菓子を作り始めた頃はまだあまり例がなく、何度も試作を繰り返してようやく今の形に辿り着いたのだそう。立体の花をそのまま乗せるとクッキーを焼く熱で焦げてしまうため、花びらをクッキーにくっつけるように、一枚一枚丁寧に広げて焼いていきます。

『ハナサブレ』シンプルな材料で作るプレーン味や、有機くるみをたっぷりと入れたもの、無農薬煎茶を入れたもの、小麦粉も不使用で作る米粉とゴマを使ったもの、自家製のピーナツバターをサンドしたものなど、様々な種類があります。季節によって移り変わる花と生地の組み合わせ。もみじ市にはどんなサブレが並ぶのか、どうぞお楽しみに

「大人から子どもまで、どんな人も同じように美味しく食べられるものを作りたい」という思いから、cotitoのクッキーは全て卵、乳製品を使用していません。お店を開く前、由佳さんは、安心できる食材で作られつつ、見た目も愛らしい贈り物用のお菓子があまりないことに気がついたそう。貰った相手が嬉しくなるような華やかさを持たせつつ、着色料を使用しない、そんな条件にぴったりの存在がエディブルフラワーでした。お菓子作りやエディブルフラワーについて、専門的に学んだことはないという由佳さん。キッチンに立ち、ひたすら材料に触れた時間の積み重ねが、人々を惹きつけてやまないcotitoの焼き菓子を形作っています。

シャインマスカットのベイクドレアチーズケーキ

焼き菓子とはまた違った形で花々の美しい姿を魅せてくれるのが、イートインスペースで提供しているカフェメニュー。形が綺麗なものは生のままケーキに乗せたり、シロップに漬け込んでみたり、少しドライにしてアイシングの上に乗せてみたり……と幅広いアレンジで人々の目を楽しませてくれます。由佳さんがメニューを考える際に意識しているのは「cotitoにしかない味や表現であるか」「それぞれのケーキに一番映える花の表現は何か」ということ。味も姿も、妥協することなく真摯に向き合い続ける由佳さん。もみじ市ではどんなお菓子を披露してくれるのか、楽しみでなりません。

(編集・本間火詩)

 



【月刊 cotito ハナトオカシト 9月号】
特集:真吾さんと花のこと
cotitoのドアを開けると目に飛び込んでくる、個性的なシルエット。それらの正体は、もう一人の店主・前山真吾さんがセレクトした植物たちです。一番に目を奪うのは、「これは植物?」と思わず訪ねてしまうような風変わりなもの。けれど花屋で見かけたことのある植物も、初めて見る色であったり、ひょろりと長くカットされていたり、いつもと違う魅力を教えてくれます。


cotitoでは、花の需要と流通が少ない夏場を除いた期間、店内で真吾さんの選んだ植物を楽しむことができます。珍しい花が多い印象が強いのですが「変わった花を選ぼう」という気持ちはないのだそう。仕入れの市場で、状態のいいものや季節感があるもの、真吾さんの琴線に触れたものを直感的に選んでいるのだと言います。「クッキーやカフェのメニューは可愛らしい、女性的なものが多いので、植物は“可愛いだけ”にはならないように意識しています」と語る真吾さん。一般的な需要ではなく、自らの感性から選んだ植物たちだからこそ、訪れる人々が心惹かれてしまうのかもしれません。

 

そんな真吾さんが今一番気になっている植物は、「サラセニア」と言う葉が筒状になった植物。「何とも言えない自然の色合いが、どんな花とも相性が良く、とても気に入っています」と真吾さん。実は食虫植物の仲間なのですが、先端のフリルと網目状に走った葉脈の模様がなんとも優美です。

 

お店で扱う植物の他、cotitoではアレンジメントのオーダーも受け付けています。大きく伸びた枝、黄緑と赤のコントラストの美しい花々は、やはりどこか個性的。専門学生の頃、当時花の知識が全くなかったところから、“少し変わった花屋”にアルバイトで入ったことがきっかけで、花の世界に飛び込んだと言う真吾さん。花に触れ、ひらすらに知識と経験を積み重ねた日々は、いつしか多くの人を惹きつける感性を築き上げていました。

記念日やウェディングなどに贈られる花々を選ぶ際に、真吾さんが意識していることは「お客さまがどの様な想いでcotitoに注文していただいたかを考えて、一つひとつ丁寧に作ること」。先月お話を伺った由佳さんが、カフェメニューを考える際に意識していると答えた「cotitoにしかない味や表現であるか」も、どちらもお二人が常に“cotitoらしさ”を考えていることが伝わってきます。現状に満足せず、「cotitoらしく、もっと良いお店に」を考え、まっすぐに前を見続けるお二人。今年のもみじ市には、どんな空間を運んできてくれるのでしょうか。

(編集・本間火詩)



【月刊 cotito ハナトオカシト 10月号】
特集:花とお菓子ともみじ市のこと
いよいよ10月になり、愛らしい花とお菓子に彩られたテントが、多摩川河川敷にやってくる季節となりました。もみじ市が目前に迫った最終号。今回は“もみじ市でのcotito”についてご紹介します。

もみじ市2017、cotitoのブースの様子
『お花と甜菜糖のアイシングクッキー』
ドライフラワーのリース

cotitoのブースは、花いっぱい。“お菓子”担当の由佳さんは、昨年も好評だった『お花と甜菜糖のアイシングクッキー』をはじめとし、今年もたくさんの焼き菓子を用意してくれているそう。“お花”担当の真吾さんは、真っ白な小花がふわふわとあしらわれたリースをもみじ市に向けて準備してくれているようです。昨年は「cotitoのイベント出店史上、一番用意しました!」と持って来てくれたお菓子たちが、オープン3時間であっという間の完売に……。お目当の方は、早めのご来場がおすすめです。

cotitoのお2人から、もみじ市にお越しになるみなさまには、「3回目のもみじ市、晴れることを願いつつ、みなさまにお会いできるのを楽しみにしています」というメッセージも届いています。2016年「FLOWER」から3回目の出店のcotito。日曜のみの出店だったため、これまではあいにくのお天気ばかり……。今年こそは晴れ空の下でお会いしたいですね! 1週間後のもみじ市、お店とはまた違った、“cotitoらしい”もみじ市の姿をお楽しみください。

(編集・本間火詩)