ジャンル:CRAFT,出店者紹介

長谷川風子

【長谷川風子プロフィール】
武蔵野美術大学、陶磁専攻卒業後、窯元で働きながらロクロや釉薬を学び独立。現在は、栃木県益子町にて作陶活動を行なっている長谷川風子さん。「絵本が好き」と語る彼女の作品は、まるで器の中に物語が閉じ込められているよう。動物や人、自然が互いに寄り添いながら、楽しく暮らしている様子が表現されています。存在自体はさりげなくても、そこに置いてあるだけで場の空気が華やかになったり、心がほぐれて穏やかな気持ちになったり……、そんな不思議で温かな魅力が溢れています。陶磁器をキャンバスに長谷川さんが描くおとぎの世界を、あなたも覗いてみませんか?
http://f-ouo.tumblr.com/

【商品カタログ予習帳】


お皿-キリエシリーズ-


お皿-キリエシリーズ-


お皿-キリエシリーズ-


お皿-キリエシリーズ-


お皿-キリエシリーズ-


お皿-キリエシリーズ-


『月刊 長谷川風子』記事一覧

7月号「長谷川風子の作品を彩る4つの技法(1)-キリエシリーズ-」
8月号「長谷川風子の作品を彩る4つの技法(2)-sketchシリーズ-」
9月号「長谷川風子の作品を彩る4つの技法(3)-型-」
10月号「長谷川風子の作品を彩る4つの技法(4)-手びねり-」


【月刊 長谷川風子 7月号】
特集「長谷川風子の作品を彩る4つの技法(1)-キリエシリーズ-」

定番の器をはじめ、マグカップや箸置き、花器に時計など、様々なアイテムを手がけている長谷川さん。その豊富なラインナップもさることながら、アイテムなどによって技法を使い分けているところも驚くべきポイント。「月刊 長谷川風子」では長谷川さんの製作に欠かせない、4つの異なる技法を紹介していきます。

キリエシリーズ

こちらは、“掻き落とし”という技法を使ったキリエシリーズ。切り絵のような出来上がりになることから、この名前が付けられました。今回は、時計を作っていく様子をお見せします!

まずは下書きからスタート。泥を薄く溶いたものを使っているので、焼いたら消えて見えなくなるそう。モチーフの配置をおおまかに、さらさらっと描いていきます。


続いて、下書きで描いた線の上に色を塗る作業へ。まずはメインとなるモチーフを描いてから、細かいモチーフを付け加えていきます。鮮やかすぎないようにわざと少し鈍らせたり、絵の具は混ぜ合わせて色味のテストをしています。


色塗りが終わったら、要となる“掻き落とし”へ。絵の輪郭に沿って表面を削っていきます。色を塗り分ける作業も2度目の下描きになっていて、描こうとしていた絵を磨き出していくように彫っていきます。


ぼやっとした形をしていた絵が、周りを削ることでシャープに! すべて削り終えたら、素焼きして釉薬をかけて完成です!


表面を触ると、ちょっとした凹凸が感じられるキリエシリーズ。ぜひ、もみじ市で実際に触れてみてくださいね!

(編集・藤枝梢)

《次号予告》
sketchシリーズ


【月刊 長谷川風子 8月号】
特集「長谷川風子の作品を彩る4つの技法(2)-sketchシリーズ-」

sketchシリーズ
今回ご紹介するのは、繊細な絵が美しいsketchシリーズ。器に絵付けをしていく過程をお見せします。

キリエシリーズと同じく、泥を薄く溶いた液体を使って下書きをしていきます。上澄みを使うことで、色が白くなるのだそう。

下書きが終わったら、その上に満遍なく撥水剤を塗ります。

撥水剤が乾いたら、千枚通しを使って絵の輪郭を削っていく作業に。カリカリと小気味いい音が響き渡ります。

前の工程で引っ掻いた部分は撥水剤が取れ水を弾かなくなるため、そこに青い絵の具を入れていきます。彫った線に違う素材を嵌める「線象嵌」という技法で、細かい模様もきれいに表現することができます。熱すると撥水剤がとぶので、全体に色を入れるのは素焼きをした後に。

こちらが素焼き後、色塗りまで終えた状態のもの。このあと釉薬をかけて本焼きをしたら完成です!

淡く柔らかな色が施されたsketchシリーズは、はかなくも精彩に富んでいます。その魅力に一度触れたら最後、あなたの目も釘付けになってしまうことでしょう。

(編集・藤枝梢)

《次号予告》


【月刊 長谷川風子 9月号】
特集「長谷川風子の作品を彩る4つの技法(3)-型-」


今月ご紹介するのは、型を用いて作る立体的な作品たち。


こちらのお花のお皿は、テーブルの上をお花畑のように埋めてみたくて作り始めました。同じ型を使ったものですが、色合いによって雰囲気も異なるものに仕上がっています。


こちらはフクロウのカップの鋳込み型の原型。一度型を作ったら同じものがいくつも出来るので、型を作るときには心置きなく細部まで丁寧に作り込みます。


長谷川さんの家の猫が耳をぺしゃっと倒した様子がフクロウに見えて、フクロウについて調べているうちにはまってしまってモチーフとして作るようになったのだそう。フクロウの写真集等も参考にして、原型が作られています。


型は同じでも、表情に集中できるように顔はそれぞれ作り足しています。主張しすぎず、いつのまにかそっといるような存在感のものを目指しているのだそう。屋外のテントの下でどんな風に“いる”のか、どうぞお楽しみください。

(編集・藤枝梢)

《次号予告》
手びねり


【月刊 長谷川風子 10月号】
特集「長谷川風子の作品を彩る4つの技法(4)-手びねり-」

手びねり
4カ月に渡って続いた連載も、10月で最終回。今月は、手びねりでできた作品をご紹介します。


9月号で紹介した型の作品と同じく、主に立体的な作品を作るときに用いる手びねりという技法。読んで字のごとく、手でこねて形成していくので、形や大きさの制限がほとんどなく、長谷川さんの自由な発想がキラリと光ります。


こちらは一輪挿しとしても使えるオブジェ。自転車の部分は型で、上に乗っている人の部分は手びねりでできています。長谷川さんの作品の中によく登場する自転車は、風をきって疾走する気持ちよさを表現したく、好んで多用しているモチーフなのだそう。


これらのパーツを組み合わせて、傘に人がぶらさがっているモビールができあがります。パラグライダーを趣味にできないか本気で考えたことがあるぐらい、空に浮かぶものや飛ぶことに憧れがあるそう。

「手びねりは、制作中の勢いがそのまま作品に投影される面白さがある」と語る長谷川さん。時間もかかるので、そこまで多くの数を作れるものではありませんが、わずかな形や色の違いの中から自分にぴったりくるお気に入りを探すことができるのも、手びねりでできた作品が持つ魅力のひとつかもしれません。

(編集・藤枝梢)