ジャンル:TEXTILE

イイダ傘店

【イイダ傘店プロフィール】
東京・吉祥寺にアトリエを構え、オーダー販売のみで傘作りを行うクリエイティブ集団。デザイナー・イイダヨシヒサが描いた模様が、生地に落とし込まれ、一本の傘になっていく工程には、多くの人が携わっており、その繊細で緻密で誠実な仕事ぶりからは、作り手の傘にかける熱い想いを感じることができる。活動の幅は、傘だけに留まらず、ポーチやリュックサック、紙雑貨など、多方面で圧倒的な存在感を放つ。
http://iida-kasaten.jp/

【月刊 イイダ傘店 7月号】
特集「一本の傘が出来るまで」

♪Naomi & Goro『Em e Countant Pluie』

 

イイダ傘店の朝はまずミーティングから始まる。今日1日のそれぞれの仕事を把握するためだ。傘を作るといっても工程はさまざま。どの作業に着手するかも進行次第である。そのため、共有は逐一行う。決しておろそかにできない時間である。ミーティングが終わったら忘れてはいけないのは、アトリエ前の植物への水やり。お天気のなか、生き生きと天を仰ぐ花々は、毎朝の水浴びを楽しみにしているようだ。今日は新しい柄を制作するというデザイナー・イイダヨシヒサさんに同行。一体どのように模様を描き、生地に落とし込むのか。

イイダ傘店のショップ兼アトリエから徒歩2分ほどにあるマンションの一室には、もう一つのアトリエがある。イイダさんが筆を構える机の前には、イイダ傘店の歴史を物語る作品の数々が壁を彩る。さっそく筆をとったイイダさんの手元には、みるみるうちに鳥たちが生み出される。軽い運びで描かれた下絵に、2本の筆を使い息を吹き込まれた鳥たちは、青い青いキャンバスへと飛び立っていった。時には筆を3本使って着彩するという絵は、水彩画だからこそ表現できる色の揺らぎがただただ美しい。

描いた絵がいったいどんなテキスタイルになるのか。生地や糸選びも妥協が許されない工程のひとつである。そしてそのテキスタイルが傘になったときどんな表情を見せるのか、楽しみである。

 

(編集・鈴木麻葉)

《次回予告》
完成した生地を使い、傘を作る作業に入ります。お楽しみに!