ジャンル:CRAFT

今江未央

【今江未央プロフィール】
石川県出身の陶芸家。都内アパレル会社を経て石川県九谷焼技術研修所で学び、現在金沢にて主に活動中。伝統の磁土と和絵具を使い、九谷焼を自由な発想や絵付けで表現し、目に鮮やかな作品を作り続けています。私の大好きなビール柄をはじめ、今江さんが作り出すお野菜や草花たちは今江さんの魔法にかかると鮮やかで美しく変化し、一気に主役になってしまう。私たちのいつもの暮らしが入り込んでいる器たち。馴染みの良い形、色鮮やかで見るたびに心が踊ります。そして今江さんがたまに教えてくださるお手軽お料理レシピの味は最高なのです。

【月刊 今江未央 7月号】
特集「偶然から生まれた作品 その1」

偶然作品の探求

今江未央さんの作り出す白地に鮮やかな模様を描く作品はご存知の方が多いかと思いますが、この3ヶ月間はそれを丸ごとひっくり返した驚きの作品を毎月ご紹介していきたいと思います。さて、これからはそんな逆さまの作品のご紹介です。この作品は制作過程にできたあるミスから生まれた作品。

ある日、いつも通りに絵付けをして焼き上がりを見たら、いつもの白い背景に黒の線描きがぼやっとしていたそう。そこで、「とっさに背景を塗りつぶしたらどうだろう?」と思ったそうです。そうしたら、見た目もそうですが「はっ!」とするような全体がより艶やかな色合いの作品になりました。この発想から今回は様々な作品を制作しようというチャレンジにつながったのです。失敗も成功につなげる発想、さすがです! これから螺旋階段みたいなクルクルとした発想にワクワクしながら毎月ご紹介できればと思っております。

さて今月は「背景紺色のレモン柄」です。深い鮮やかな青色にレモンの黄や緑の色がパキッと存在していて、一見強い色のぶつかり合いと思いきや何の違和感なく共存している色たち。深い青は日本海の一面に広がる夏の色なのでしょうか。太平洋の海しか見たことのない私には羨ましい青なのです。今江さんの頭の中で思い浮かべる色の多さや色彩バランスが合致した素敵な作品になっていると思いませんか? 今江さんはこの色合いを、器だけでなくテキスタイルにしたいとのこと。確かにテキスタイルになったらクッションカバーにしようか、思い切ってワンピースにしようか。想像が膨らみます。

夏の始まりを爽やかに過ごせそうな器だと思いませんか?

今月の1枚

背景紺色のレモン柄の豆皿

(編集・並木裕子)

《次号予告》

青りんごの美しい変化。