ジャンル:ILLUST&DESIGN,出店者紹介

イシイリョウコ

【イシイリョウコ プロフィール】
美大卒業後より、手縫い・手彩色による一点物の人形制作を始め、イラストレーターとしても活動。様々な媒体での作品制作や、ギャラリー、ショップでの個展を多数開催。可愛らしさを持ちつつ、どこかミステリアスで、ときに不気味な毒っ気も感じさせる作品は、不思議な物語の紡ぎ手のような存在です。イシイリョウコさんご自身は、お会いする度にピカっと笑顔の耐えないとても明るい方。飛び出す話題も、古今東西あらゆるジャンルの映画のこと、最近気になる南米の先住民の方たちの文化のこと、とあまりの幅広さには驚くばかり。思わず時間を忘れてお話してしまいました。http://hibi-no-rakugaki.blogspot.com/


『月刊 イシイリョウコ』記事一覧

7月号「「新たな素材での作品づくり〜素材の選定〜」
8月号「新たな素材で作ってみた作品」


【月刊 イシイリョウコ7月号】
特集「発見:新たな素材での作品つくり〜素材の選定〜」

 挑戦のそのさきに

イシイリョウコさんの作品を象徴する作品である手縫い、手彩色の人形は古布やハギレからできていますが、今年のもみじ市のテーマは「DISVOVERY」つまり“発見”。そこで「発見」を「新たなことへの挑戦、その結果として生まれるもの」と解釈し、リョウコさんがあまり使ったことのない素材や方法で新たな作品を手がけることを決めました。どんな素材から、どんな作品が生まれるのか、新たなイシイリョウコワールドが予感されます。『月刊イシイリョウコ』では、その発見の軌跡をお伝えします。


イシイリョウコさんを世界観を象徴する布製の人形たち。人形はまず、ひと針ずつ全て手縫いで象られたのち、完成の明確なイメージはあえて持たず、筆の進むがままに絵の具で彩られて完成します。すでに確立された手法と世界観をお持ちの作家さん、というイメージのリョウコさんから、「挑戦・発見」というワードが飛び出したときには、ワクワクと同時に驚きを禁じ得ませんでした。「今回のもみじ市をきっかけに、これまでの材料(布・糸)ではなく、新たな素材から、自分自身も“なんじゃこりゃ!”と思えるような作品が作ってみたいんです」と、にこやかにお話されるリョウコさん。そして選んだ素材が「木材・植物」。ものづくりでは一般的な素材だからこそ、自身の作品でどう取り入れられることができるのか、新たな挑戦のスタートです。今月号ではリョウコさんが、「実際にこれで作品を作ってみよう」と集めた材料、そして作品ラフをご紹介いたします。

近所の公園を散歩中に、目に止まった枝や葉たち
DIYショップで手に取った木材。
イメージラフ画。

リョウコさんはこう語ります。「かわいい、不気味、美しい、怖い、等どれかひとつだけの要素に偏ってしまうのはあまり面白くないと思っています。映画の登場人物も「全員が美人」、「全員が悪者」、ではなく様々な個性の役が合わさって1本の作品が出来上がっているように、私の1つの作品の中にも、様々な解釈や世界観を手に取る側に感じてもらえたら嬉しい。ギャップのような要素がある面白さと、答えのない世界で解釈を委ねてゆきたいです。」と。ひと言では言い表せない世界感の背景には、こういったリョウコさんの想いが隠れていました。新たな素材と方法で、更に広がるイシイリョウコワールド。次号をお楽しみに!

《次号予告》
新たな素材で作ってみた作品


【月刊イシイリョウコ 8月号】
特集「新たな素材で作ってみた作品」

前月号で、「今回のもみじ市をきっかけに、これまでの材料(布・糸)ではなく、新たな素材から、自分自身も“なんじゃこりゃ!”と思えるような作品が作ってみたいんです」と、語ってくださったリョウコさん。選んだ素材は「木材・植物」。今月は、ここからどんな作品が生まれたかご紹介いたします!

 木材を使った作品

ウッドバーニングで模様を付けた什器と、角材から生まれたお月さま

まずは木材を使ってみた作品。写真右側の角材でできたお月様は、角を正面から見ると満月、面を正面から見ると半月になります。角ばった木材からお月さまの形を活かし、彫刻刀を使って削ったり、やすりをかけたりしたそう。。半月として眺めるお月さまは、左右で表情が異なります。憂いを帯びたような微小を浮かべる右側と口角をあげて優しく微笑む左側。続いて、写真左の作品は、他の作品を乗せて飾ったりすることもできる、木の受け皿のような台。
リョウコさんが普段から使っている絵具とウッドバーニングが組み合わされ、一枚の絵のような台になりました。ウッドバーニング独特の色合いと質感に思わず触れてみたくなります。

人形が乗れば、台がまるで背景の絵のよう

「やわらかさも固さも持ち合わせた木材は、木の質が変わると出てくる表情も変わるので、手で触り、それを感じながら模様を描くことがとても新鮮でした。木材は削ったり焦がしたりすることで、凸凹の手触りが楽しめるということが改めてよくわかりました」と語ります。

 植物を使った作品

頭の上にちょこんと木の実を乗せ、両手にはそっと植物を抱える

そしてこちらは、石粉粘土での作品。手に植物を持たせたり、頭に木の実を乗せたりできるようになっています。「季節や気分によって、その都度持たせる植物を変えられるので、飾り方が楽しめる作品になったかと。ただ飾るだけではなくて、変化を味わえる作品を続けていきたいです」とリョウコさん。

イラストレーター・布人形作家、などという肩書きの範疇を超えて、木工や粘土細工にと作品が広がった先には、イシイリョウコワールドの世界観はそのままに、新たな魅力を持つ作品の誕生がありました。今回ご紹介した作品は、もみじ市でもお目見えする予定です。ぜひ、木工作品のもつ手触りの面白さや、細かな焼き目が生み出す模様の妙、その時々の変化を見せてくれる作品をご覧ください。

次号では、またしても新たな素材での作品作りの挑戦が始まります。皆さんの身近にある、癒しの薫りを立てる“あの素材”が、材料として登場します。どうぞお楽しみに!

(編集・柴田真帆)

《次号予告》
続・新たな素材で初挑戦!