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マエガミマールコ(14日)

【マエガミマールコプロフィール】
代官山のアパートメントの一室にサロンを構える美容室「マールコ」。鮮やかに息づくたくさんの植物とクールなヴィジュアルブック、質のよいアンティークな調度を背に、店主の大門しょうたさんは「いつ訪れても印象の変わらない、ほっとする場所でありたい」と話す。そう、ここは髪だけでなく、心のありかまで自分らしい位置に導き整えてくれるアトリエ、なのだ。もみじ市では、“前髪をつくる”専門店をオープン。梳かれた前髪で開けた視界からのぞく世界は、日常でありながらいつもよりすこし美しく、そっと輝いて見えるはず。
http://marco-salon.ciao.jp


『月刊 マエガミマールコ』記事一覧

7月号 河川敷で髪を切る100の方法
8月号 河川敷で髪を切る100の方法
9月号 河川敷で髪を切る100の方法
10月号 河川敷で髪を切る100の方法


【マエガミマールコ 7月号】

特集「河川敷で髪を切る100の方法」

ふだんは代官山のアトリエでお客さまの来訪を待つ「マールコ」が、年に一度だけお客さまのもとへ赴き、前髪とその気持ちをあるべきかたちに整えてくれる出張型サロン、「マエガミマールコ」。これはある意味において「マールコ」の立ち位置を客観的に確認する作業、でもあるのだろう。「いつ訪れても印象の変わらない、ほっとする場所であり続けたいんですよね。ごはんを食べに行くときに『あ、あそこ行こう』って身体が動いちゃうような、特別でも奇をてらうわけでもなく、いつも同じメニューとスタンスのお店。それでいて自分がいいと思えるモノにいい塩梅で囲まれている、っていう。そんな空間が好きだし、自分もそうありたいし。それをもみじ市ではじめて接するお客さんに判断してもらうことで、定期的に確かめたいというか」

そんな彼が思い描く“いつ訪れても印象の変わらない、ほっとする場所”のすがた、そして彼が愛してやまない先達の名店から解読する、「河川敷で髪を切る100の方法」。それは切った前髪からのぞく景色が日常に戻ったときにほのかに残してくれる豊かな余韻のごとく、人生自体を愉しむためのクールで粋なヘアカルテ、となるかもしれない。

いつもマールコに来てくださるお客さま

これがファースト・カットだったキッズ

姉妹でお揃いに

(編集・藤井道郎)


【マエガミマールコ 8月号】

特集「河川敷で髪を切る100の方法」

「マールコ」の主・大門さんが思い描く“いつ訪れても印象の変わらない、ほっとする場所”のすがた、そして彼が愛してやまない先達の名店から解読してゆく特集、「河川敷で髪を切る100の方法」。曰くなんでもここ数年、スパイスカレー、それも南インド料理にずいぶんと魅了されているのだとか。

東京・大森にある「ケララの風Ⅱ」がおもに提供するのは、ミールスと呼ばれる南インド料理の定食的なメニュー。野菜、穀物、乳製品、そして多種多様なスパイス群で構成されたプレートは肉類が一切使われておらず、ベジタリアンでも躊躇なく端から端まで食べ尽くすことができる仕様に。現地の流儀に習っておかずもごはんもすべておかわり無料だが、野菜づくしの構成も相まって、どれだけ口に運んでも胃がもたれる心配もなし。好みに応じて具たちをワイルドに混ぜ合わせて食べるため、何度食べても飽きない新鮮さがあるようで。

「週末をはさんだランチのみの営業なので、自分もお店を構えていると訪問の難易度がとても高いのですが(笑)。『ここをインドだと思って作っている』という、個性的でありつつもはっきりしたスタンスに強く惹かれますね」

「ケララの風Ⅱ」

住所:東京都大田区山王3-1-10

定休日:火・水・木

URL:http://hwsa8.gyao.ne.jp/kerala-kaze/

(編集・藤井道郎)


【マエガミマールコ 9月号】

特集「河川敷で髪を切る100の方法」

そのロケーションと営業日時のハードルの高さをものともせず足繁く通う、南インド料理店のブレないスタンスに魅了されているという「マールコ」の主・大門さん。そんな彼の思い描く“いつ訪れても印象の変わらない、ほっとする場所”のすがた、そして彼が愛してやまない先達の名店から解読してゆく特集、「河川敷で髪を切る100の方法」。もう一店紹介してくれたのは、世田谷は弦巻にあるやはり南インドカレーのお店「Indian canteen AMI」だ。

ウルドゥー語でお母さん、という意味の“Ammi”(アンミー)、そして学食・社食を表す“canteen”から名付けたという屋号の店主は、「マールコ」のお客さまであり日ごろから親しくしていただいているという伊藤恵美さん。「自分が作っていておいしくて楽しいのが野菜のカレーだから」というフレッシュな味わいのスパイス自体に魅せられているのはもちろんだが、彼が共感するのはあくまで自然体なそのたたずまいにこそある。

「料理って、食べただけでいろんなことが伝わるじゃないですか。朝起きてごはんたべて夜寝て、調理も接客も皿洗いも一人で回せて、っていうふつうのことが元気にできるのが一番だなあ、ってこのカレーを食べるたびに思います。『あーおいしかった!』って、必ず声に出てしまう(笑)」

「Indian canteen AMI」

住所:東京都世田谷区弦巻2-8-15

定休日:水・木(臨時休業あり)

URL:https://www.facebook.com/indiancanteenami/

(編集・藤井道郎)


【マエガミマールコ 10月号】

特集「河川敷で髪を切る100の方法」

お店全体から感じられる自然体なたたずまいに異業種ながらも共鳴することによって、また自身のサロンのあるべき姿に想いを馳せる「マールコ」の主・大門さん。そんな彼の思い描く“いつ訪れても印象の変わらない、ほっとする場所”のすがた、そして彼が愛してやまない先達の名店から解読してゆく特集、「河川敷で髪を切る100の方法」。“いつ訪れても印象の変わらない、ほっとする場所”、つまり日常であらんとする「ケ」のゆくえを、日常ではない「ハレ」の場、多摩川河川敷で検証するにあたり、彼の眼差しは「ケ」に内包される「ハレ」への希望にまっすぐに向けられている。

「髪を切るということ自体は日常ではあると思うけれど、周りの人が気づいて『いいね』って声をかけてくれたりすると、いままでの日常がとても豊かなものになりますよね。そういう余韻ができるだけ続くような仕事ができたらいいなあ、と。でも髪って、とくにはじめての人に切ってもらうには、ちょっとした勇気が必要じゃないですか。だからこそ、野外で髪を切る、記録に収める、というシチュエーションを用いることによって、それを一歩踏み出してもらえるような特別な気持ちになってもらえたらな、って」

いうなれば“髪”は細部に宿る、のだろう。日常のなかにささやかに潜む非日常に気づくことこそ、生活を美しくする唯一の術、であることに彼の掌の鋏は気づいているのであって。そしてそのトリガーになるであろう「マエガミマールコ」が河川敷に開店するのは、今年ももうまもなく、だ。

(編集・藤井道郎)