ジャンル:ILLUST&DESIGN

大森木綿子

【大森木綿子プロフィール】
紙もの雑貨の制作や書籍の挿絵などを手がけるイラストレーター。絵の具に色鉛筆、クレヨンなど、様々な画材を用い、淡い色彩で心に浮かんだことや身のまわりのものを描いています。みずみずしい光と色に満ちた大森さんのイラストは、記憶の中に埋もれていた心象風景をそっと甦らせてくれる力を持っています。『よだかの星』をモチーフにしたイラストを見たとき、物語を読み終えたときのやりきれない想いが、なんだか少し救われたような気持ちになりました。

http://omoriyuko.com/

【月刊 大森木綿子 7月号】
特集「再発見〜愛用の品〜」
「DISCOVERY」つまり“発見”がテーマの今回のもみじ市。大森さんとお話するうちに、これまでの創作活動を共にしてきたものごとに再び目を向け、そこから“再”発見をしてみよう、ということになりました。今月号では、「大森さんの愛用の品」から再発見してみたいと思います。
その愛用品とは、「テーブル」。姿かたちは様々あれど、どの家にもだいたい存在するテーブルですが、大森さんの場合にはどんなエピソードが秘められているのでしょうか。大森さんは、次のようにお話してくださいました。

大森さんとテーブルと
今の家に越してくるとき、絵の仕事も食事もできる大きなテーブルを部屋の真ん中に置こうと決めました。「長く大切に使いたくなるものを」とあちこち探し、思い切ってお気に入りのアンティークのお店にオーダーすることを決心。テーブルがやって来た日は、夢に出てきたほど嬉しかったです。

使い始めて今年でちょうど10年が経ちました。椅子に座るとすぐ、テーブルと同い年の愛犬がやって来て足元にごろんと寝転がります。頭の上が屋根のようで落ち着くのでしょうか。ホカホカあったかい犬のお腹を感じながら絵を描いていました。

 

改めてテーブルを見るとたくさん傷ができていますが、どれも自分には味わいに思えます。ずっと寄り添うようにいてくれるこのテーブルは制作のとき、とても心強い存在です。思うように筆が進まないときも、少し疲れたときも、そっと私を支えてくれていることに、今回改めて気づきました。まさに“再発見”ですね。家族や友人とたくさんの話をした団らんの場であり、キッチンの続きでもあり、創作活動の場であり……家の中で一番長い時間をテーブルと共に過ごしています。

楽しく心温まる思い出のつまった場所。これからも、どっしりしたこのテーブルの上から、生活も作品づくりも続いていきます。

あたたかな光を感じさせる大森さんのイラスト。さんさんと光を浴びるテーブルを見ると、ここから多くの人に親しまれるイラストたちが生まれたことが、とてもしっくりくると感じられました。

今月の1枚

愛犬のポン太郎くん。気づくとそっとテーブルの下にいることが多いそう。

(編集・柴田真帆)

《次号予告》
再発見〜愛用の画材・素材〜