ジャンル:CRAFT

Ren

【Renプロフィール】
京都に工房を構える金工作家の中根嶺さん。金鎚を使い金属を叩いて加工する「鍛金」という技法で、アクセサリーやカトラリー、オブジェにランプなど、暮らしを豊かにするようなモノを製作している。手の動きの一つひとつが確かに刻まれた金工作品は、無機質なのになぜか温かさを感じる。触れると壊れてしまいそうなほど繊細なものもあれば、ときに場の空気を変えるほどの力強さをも感じさせることもある。そんな様々な要素を孕んだ彼の作品を目の当たりにすると、ついつい目が離せなくなってしまうのだ。
http://ren-craftwork.com/

【月刊 Ren 7月号】
特集「旅と創作」

いつもの日常を離れた旅先だからこそ、発見できる何かがあるのかもしれない。今回は、Ren・中根嶺さんが旅先で見つけたものや出会ったもの、そしてそこからインスピレーションを受けて手がけた作品をご紹介します。第1回目の旅先は、異国情緒漂う国・ベトナムです。

ベトナムにて
中根さんがベトナムを訪れたのは、2012年のこと。東京にある金工の会社で修行をしていた時期でした。


焼き物などの工芸も有名な場所なので、いつかは行ってみたいと思っていたのだとか。目覚ましい発展を遂げている部分もありながら、東南アジア特有の雑多な雰囲気がいまだに残っていて、面白く感じたそう。


そんなベトナムのマーケットで出会ったのが、水牛と思しき動物のオブジェ。パートのおばちゃんが作ったものを置いているような、お土産屋さんに転がっているところを発見したのだそう。人が持っている紐の先にも何かがついていたはずなのですが、取れてしまった状態でも販売するという大雑把なところもベトナムらしさ。

「独立して『何を作ろうか?』と考えている時に、このオブジェがたまたま目にとまりました。もともと修行時代は指輪しか作っていなかったのですが、自分の好きなものを作ろうと思ったきっかけとなったもので、普段は作業場の後ろにある棚に飾ってあります。」


こうして生まれたのが、Renの代表作のひとつとも言える動物のオブジェです。こちらのアカシカは最初に作った作品で、銅でできた身躯に枝をさすことで完成するつくり。その凜とした佇まいは、見る人を圧倒させるほどの美しさです。

(編集・藤枝梢)