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もみじ市2015 竹中悠記

もみじ市2015 出店者プロフィール

もみじ市2015 出店者プロフィール

1976年 兵庫県生まれ
1999年 東京ガラス工芸研究所学校部卒業
2002年 (有)能登島ガラス工房 入社
2004年 同工房退社
2006年 出産・育児
2009年9月 ようやく作家として頑張ろうと制作に本腰を入れる

もみじ市2015 竹中悠記

 

【特別編】
竹中悠記さん「幻の技法『パート・ド・ヴェール』で生み出すもの」
文●渡辺洋子

 

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『パート・ド・ヴェール』という言葉を聞いたことがありますか? これは、『吹きガラス』や『カットグラス(切子)』と並ぶ、ガラスを成形する技法のひとつです。

 

今回初めてもみじ市に参加するガラス作家・竹中悠記さんは、この技法を使って器を作っています。ガラスは透明でクリアなもの、単一の色をもつもの。そんな常識をガラリと覆す、カラフルで細やかな模様をまとった美しい器です。なぜ、ガラスにこのような表現ができるのか、その器がどのようにして生まれるのかを知りたくて、鳥取にある竹中さんのご自宅兼工房を訪ねました。

 

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その家は、鳥取県の山に囲まれた集落にありました。同じくガラスでアクセサリーを作るご主人と同じ工房の中、それぞれの作品づくりに励んでいらっしゃいます。

 

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ガラスづくりは、まず、型作りから入ります。あらかじめ石こう型を作るための原型がシリコンで作られており、それがデザインの元となります。そこに、石膏を流して型取りし、いくつもの石膏型を作ります。

 

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石膏型に色ガラスの粉を詰めて行きます。色ガラスの粉は何色もあり、完成をイメージしながら、まるで絵付けをするように、小さな凹凸に合わせて色ガラスの粉をのせていきます。同じ石膏型でも、色の配置を変えることで、違う輝きをもった器が生まれるのです。

 

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型にすべて色をのせたら、電気炉に入れて焼きます。ただし、温度管理が非常に難しく、竹中さんは3段ある電気炉の中段しか使っていないそうです。急激に冷ますと割れてしまうため、焼き上がったのちも炉のなかでじょじょに冷まします。

 

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焼き上がった『パート・ド・ヴェール』のガラス。この、白に透けた石膏を壊します。水につけるとホロホロと溶けていくため、ブラシで磨きながら、きれいに落としていきます。

 

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最後に、縁などを研磨してなめらかに仕上げ、器が完成します。

 

ガラスを焼いた時に深さがあると、溶けたガラスが中心に向かって流れ落ちてしまうため、作ることができる器の大きさや角度には限りがあるといいます。それを少しずつ調整することで、大きな器へと進んでいけるようになったそうです。また、色ガラスの粒は色によって、またその細やかさによって溶け方や透明度が異なるため、それを試行錯誤しながら、あらたな表現を生み出しているのだそうです。

 

はるかメソポタミア時代から伝わるこの技法。一度途絶えてしまったことから「幻の技法」とも言われています。工程が多く、1つずつしか生み出すことができないため、本来なら美術品を作る技法として受け継がれてきました。その技法で竹中さんは「飾るものより、使うものを作りたかった」と、器を作り出したのだそうです。

 

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光を当てると、宝石のように美しい光を反射させ、そのものが芸術品のように輝く器。そんな器が暮らしのそばにあったなら―――。この器を実際に目にしたとき、その美しさは心にぐっと響くに違いありません。

もみじ市2015 3つの質問

もみじ市2015 3つの質問

Q1. 今回のテーマに込めた思いを教えてください。

 

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白組:出店テーマ「五メートル先を見ながらの一歩」

 

整体の先生に歩き方を教わりました。 上体の位置、足の運び方、手の振り方そして視線。 教えていただく前も意識していたけれどさらに意識し、歩くことをより楽しめるようになりました。 今制作を行うということにおいて、足元ばかりを見ているなと思います。 以前は自分の進みたい先を見ては焦り、意識的に自分の足元を見るようにしました。 そうすると、ようやく最近、歩み方を変えても一歩ずつしか前へは進めないことに気付け、ならば楽しまなければという当たり前の想いに戻ってきました。 さぁ、はじめまして!の「もみじ市」です。 楽しむ気持ちで前へ進みます。


Q2. 当日はどのようなディスプレイで楽しませてくれますか?

 

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ブース内を紅白に色分けして、作品の色を楽しんでもらえるようにと考えています。


Q3. もみじ市へお越しくださる皆さまへメッセージをお願いします。

 

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空の下での展示の小さなのも含めると、7回目です。たぶん。 毎回自然光の下でのガラスが一番きれいだな、と感じます。 そして何よりも、ワクワクと楽しみに来場下さった方々の空気と、楽しんでもらおう、楽しもうと運営下さるスタッフの方々の空気で満ちている空間の一部に参加出来ることが嬉しいです。 私、もう空想だけで先走って楽しんでおります。 楽しめるように、鋭意制作。写真は、石膏型に絵付けしている途中です。 それでは9月26、27日、是非一緒に楽しみましょう。


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