「白樺の木を、愛している」
その思いのままに、白樺かごを編み重ねています。今から20年前の夏のこと。北極圏の地で白樺の木に出逢い、その物語を一つひとつ辿っていくようにして、白樺が自生するスウェーデン・フィンランド・ロシア・アメリカで学んできました。現在は、北海道の白樺の物語を未来へ伝えていきたい一心で、日本各地での白樺かご展やお話会、材料となる樹皮の採取や雪の森歩き、かご編みなどさまざまなワークショップを開催し活動していま
す。白樺かごの制作においては、森の手入れから始まり、樹皮の採取作業から白樺かごを編み上げるまでの、すべての工程を自分の手で行っています。何百年という樹齢の木の世界において、白樺の樹齢は極端に短い。それでもその弱さを強さに変えて、きびしい荒れ地こそ自ら選んで根づき、強く生き抜いている白樺の生き方に、かごを編む過程で深く触れていくこと。それが、自分の心の軸になっています。そして、そのようにありたいと思い、白樺かごを編み重ねていくことこそが、わたしの生きがいそのものです。活動名の
ユーリ(juli)は、スウェーデン語で7月
(july)のこと。名前もユーリで、生まれ月もユーリ(7月)。
Q1. 今回のテーマに込めた思いを教えてください。
白組:出店テーマ「The last letter」
一本の白樺の木が倒れる前の最後の夏、 その木から樹皮をいただいて、かごを編む。
私はこの樹皮は白樺の木からの「手紙」だと思っている。
そう、手紙にはたくさんのことが書かれていて、ひとつとして同じものはない。
毎日こうしてこの手紙を1枚1枚と見つめていられることが、ただただすごくうれしいの。
でも、それは最後の手紙。
一本の白樺の木が倒れる前の最後の夏にいただいた、ラストレター。
いま、わたしが編み続けているのは「封筒」のカタチの白樺かご。 白樺の木からの最後の手紙で編んだ封筒を。
白樺の物語を編み重ね、 この白樺かごのなかに、 入れたんだ…。
*もみじ市では、この封筒の形の白樺クラッチバッグをはじめ、色々なデザインの白樺かご、そしてブローチやペンダント、リングといった白樺樹皮のアクセサリーやオーナメントを展示させていただきたいと思います
Q2. 当日はどのようなディスプレイで楽しませてくれますか?
今まで編んだなかで、一番大きな白樺かごを展示します。 そして、この大きなかごのまわりに、野に咲く花のように、たくさんの白樺かごを並べたいと思います。また、ブースでは実際に白樺かごを編んでいるところをご覧いただけたらと思っています。