ジャンル:CRAFT

nuri candle

【nuri candleプロフィール】
色とりどりの小鳥や生き生きと伸びる草花、輝く星々。自然から受けたインスピレーションを込めて作られる、キャンドル作家・福間乃梨子さん。一つひとつ手作業で描かれる繊細な図案と安らかな香りは、見る人を一瞬にして惹きつける力があります。2015年、京都から福岡へとアトリエを移し、さらに自然の近くで過ごすようになった福間さん。その環境の変化は作品にも現れ、さらに魅力が増したように感じます。キャンドルに鮮やかに命を吹き込む唯一無二の存在です。
http://nuricandle.com

【商品カタログ予習帳】

球体型のアロマキャンドル
アロマキャンドル/ことり・bird
アロマキャンドル/夜の森
アロマキャンドル/初夏
アロマキャンドル/owl
アロマキャンドル/garden
アロマキャンドル/クロエ
アロマキャンドル/ミモザ
アロマキャンドル/November
アロマキャンドル/ディアナ

“nuri candle”の生まれ方


ーーー新作の「ディアナ」の美しさが衝撃的でした。今までの福間さんにない色ですね。金箔が貼ってあるのも素敵でした。
福間:ありがとうございます。はじめて深い色を使いました。秋らしいクラシックなものが作りたくて。「月の女神」をイメージして、月がキラキラしてたら素敵だなって。暗い色に色が重ねられるか心配だったんですが、深みのある色になりました。ディアナは森や狩猟の神様でもあるので、月の下に森が広がって、動物たちが集まっているところをイメージしました。

ーーーどんどん図案が複雑になっていますが、一つひとつのキャンドルを色づけするのは大変ではないですか?
福間:色を塗るのは大変ですね。でも、とても楽しいです。一つの図案にどの色を塗るかはだいたい決まっています。その中で、どれだけ良い色にするかを探っています。絵の具を微妙に配合して、「こんな色がでるんだ!」「こんな組み合わせもかわいい!」と日々新しい発見があります。今はずっと色塗りをしていますね。

写真:フルタヨウスケ

ーーーどのようなリズムで制作をされているのですか?
福間:型は50〜60個あります。朝9時くらいからその型に蝋を流しはじめます。蝋を入れて、型から外すところまで入れると3時間はかかります。最後の型に蝋を入れ終わる頃には、最初に蝋を入れた型が固まっているので、それを型から外して、また蝋をいれて…としていると、あっという間に夕方になっちゃいますね。アロマキャンドルになると、精油を調合する作業もあるので。キャンドルに色を塗り始めるのは、夜になることが多いです。

アロマを調合する台
型に蝋をいれて固めているところ

ーーーアロマキャンドルの美しい模様はどのようにして生まれるのでしょうか?
福間:古い本からインスピレーションを受けることが多いです。刺繍や壁紙とか。中世のころの絵や言葉からイメージが膨らむこともあります。今は、ディアナにつづき「古い名前シリーズ」を考えています。
紙にスケッチはせず、直接石膏の型に下書きをすることのほうが多いです。そうすると、ここに何か欲しいなとかバランスを見ながら考えられるんですよね。その下書きの上に石膏を盛ったり削ったりして、キャンドルの模様を生み出しています。

石膏で作られたキャンドルの型

目指すは、700個!
ーーー今回はどれくらい作られる予定ですか?
福間:今回はアロマキャンドルオンリーに絞って、700個を目指しています!

ーーー700個! すごい数ですね。気合いが入っていると話されていましたもんね。
福間:前回のもみじ市ですこし消化不良みたいなところがあって。「もっと作れたのに、もっと頑張れたのに」って。もみじ市の制作に入る前に、ほかの仕事はすべて終えるようにしました。今はもみじ市を思いながら制作をしているので、ただただ楽しいです。

ーーーきっとお客さんも喜ばれますね。
福間:たくさん作って最後まで選んでもらえたら嬉しいです。いつも慌ただしくなってしまうので、お客さんともっとお話する時間もつくれたらいいな。キャンドルの種類が多いので皆さん悩まれるかも(笑)

薔薇のモチーフ
月桂樹のモチーフ

“あの場所”でしか味わえないもの
ーーー今年のもみじ市のテーマは「ROUND」ですが、どんなことが思い浮かびましたか?
福間:“ROUND”と聞いて、一巡という意味もあるのかなと思いました。原点に戻ったような感覚です。作っているものは一緒なのに、もみじ市だと思うとより楽しいです。初めて参加したときに、全部がキラキラと輝いて見えました。このキラキラ感は“あの場所”でしか味わえないんです。私、もみじ市のことを「もみじ市王国」って呼んでいて、ずっとここの住人でいたいですね。

ーーー福間さんとお話すると、よく「楽しい」という言葉を聞きます。前は「型を彫っているときが楽しい」と言っていましたよね。今は「色を塗っているときが楽しい」と。
福間:キャンドルを作るときは、いつも楽しい気持ちのときにつくります。蝋を流し込むとき、エッセンシャルオイルを調合するときは、作品に“良い気”が入るように気持ちを込めてつくっています。特に精油(エッセンシャルオイル)を使うときは特別な気持ちになります。精油の瓶のなかで、まだ植物が生きているという話を聞いたことがあります。その命を蝋燭に与えているいると思うと、凄いことだなと思うんです。
意外と気持ちって込めたら入るみたいなんです。こんなこと言ったら、またあやしいけれど、前に『魔女の本』っていうのを読んだことがあって(笑)、なにかするときには必ず思いを込めているんですよね。だから私も作品にも良い気を流し込んで作るようにしています。

ルームスプレーを制作中!
ーーーもみじ市に向けて、なにか新しい試みはありますか?
福間:今、ルームスプレーを作っているんです! 同じくもみじ市に出展している、デザイナー・写真家の岡崎直哉さんにラベルをお願いしています。香りは、「ローズ系」、「オレンジ系」、「森系」の3種類です。すーごく素敵なものができあがっています。もみじ市でお披露目します!

〜取材を終えて〜
福間さんとじっくりお話できるようになったのは、ここ一年くらいのことです。今回のインタビューでも私ははじめ緊張していましたが、福間さんはいつもと変わらず楽しそうにお話してくださいました。聞いていて、こちらまで笑顔になってしまうほど、福間さんの言葉にはエネルギーがみなぎっています。美しいキャンドルとチャーミングな福間さん。取材を終えて、ますますどちらのことも好きになりました。福間さん、ありがとうございました!

【もみじ市当日の、nuri candleさんのブースイメージはこちら!】

たくさんの種類のアロマキャンドルからお気に入りを選んでくださいね!