ジャンル:FOOD

食堂souffle

【PROFILE】
ケータリングからスタートし、2013年京都・円町に「食堂souffle」をオープン。気取らない献立にひと匙、意外な隠し味をしのばせる工夫や、しみじみ優しい味わいの料理にリピーター続出中。店主の田中沙由理さんは、もみじ市のボランティアスタッフとして関わり、出店者になるという夢を叶えた作り手でもあります。心の込もった彼女の料理は、食べるとほっと息をつきたくなる。私(担当:大橋)もこれまで、どれだけsouffleのごはんに笑顔にしてもらったか!
http://souffle-shokudo.com

【商品カタログ予習帳】 ROUNDプレート。色鮮やかなおかずがぐるりと並びます。  選べる揚げたてドーナッツ。右上から時計周りに、プレーン、ラズベリー、抹茶、きなこ。好きなフレーバーのお砂糖を選んで。自家製フルーツシロップドリンク。ハーブを添えて。

【スペシャルインタビュー「誰もが笑顔になれる、食堂souffleのあたたかな料理」】

京都・円町で「食堂souffle」を営みながら、ケータリングでも活躍する田中沙由理さん。私(大橋知沙)自身も通う大好きなこのお店で、おいしいカレーをいただきながらお話をお伺いしました。

フードデリバラーから自分の店を持ち、憧れのもみじ市へ

食堂souffle(スーフル)の田中沙由理さんに初めて会ったのは、2010年。京都のレストランの厨房で働きながら、souffleという屋号でフードデリバラーをしていました。次に会ったのは、もみじ市のボランディアスタッフとして。憧れの店や料理家さんたちが集うもみじ市を手伝いながら、「私もいつか、もみじ市に出たい」と語っていました。その後、イベントやプライベートで沙由理さんに会うたびに、太陽のような笑顔でおいしいものをふるまってくれました。2013年に会った時、彼女は円町という小さな町にある「食堂souffle」の店主になっていました。そしてその年、食堂souffleはもみじ市の舞台にやってきたのです。

食堂souffle店主の田中沙由理さん。このスマイルも、souffleのごはんのおいしさの秘密。

「初めて出店させてもらったときは、『選んでもらった』というプレッシャーに押しつぶされそうでした。いい思い出やけど、反省もいっぱい。でも回数を重ねるごとに、もみじ市という場所に集まった作家さんたちと、ここまでの大変さや達成感を分かり合えることがうれしくなってきました。すごい人たちの集まりやから、その人たちに『がんばったね』と言ってもらえると涙が出て。作り手のみなさんが、この2日間のために向かっていく連帯感は、もみじ市独特のものやと思います」

円町の店を一人で切り盛りしながら、イベントの出店やケータリングでも活躍している。

そう語る沙由理さんは、今やもみじ市だけでなく、手紙社のイベントの常連作家。丁寧に作られたやさしい味の料理と、自家製シロップのドリンクや焼菓子などを求めて、多くのお客様が列を作ります。私自身、イベントや店で何度も沙由理さんの料理をいただいているけれど、彼女の料理はすっとカラダに沁みわたり、飽きることがありません。その秘密を訪ねると、こう答えてくれました。

みんながおいしいこと、souffleらしいこと

「子どもが食べても、おじいちゃんやおばあちゃんが食べてもおいしい味を目指しています。刺激のあるものや変わった調味料も自分では好きやけど、souffleのごはんは『誰が食べてもほっとする』ものでありたい。でも、家庭でも作れるものだったら、わざわざ店やイベントで食べていただく意味がない。親しみのある献立に、ほんのひと匙“souffleらしさ”を入れることを大切にしています」

太陽のように鮮やかな黄色いひさしが「食堂souffle」の目印。

そう、souffleのごはんには、いつもやさしい隠し味がひそんでいるのです。キャロットラペに柚子胡椒、ピクルスに和風だし、かぼちゃ煮には山椒といった和のエッセンス。そのほんの一工夫で、洋のおかずも、どこかやさしく馴染み深い味わいに変化します。

「お金を払って食べていただく以上、おいしいものを作らなあかんのは当たり前で…。もう一歩、自分に何ができるんかなって考えたら、食べ終わった後、元気になったり、心が軽くなったりして帰ってもらえたらなって」

「ほっと息をつける料理を作りたい」と、souffle(=フランス語で「息」)として活動をはじめたころから、沙由理さんのその思いは変わりません。でも、ずっと彼女の料理を見てきた私は、souffleが年々、進化していると感じています。自然の色や形がきらめくような盛り付け、旬を摘みとったような献立、野菜の匂いや歯触り、食べ終わったときの満たされた気持ち……。決して背伸びをするわけではなく、自然と、souffleの料理がやさしくしなやかに成熟しているのがわかります。さあ、今年のもみじ市では、どんな食堂souffleの味が待っているのでしょうか。

揚げたてドーナツはイベントでも店頭でも人気もの。素朴でやさしい甘みです。

「テーマの“ROUND”にちなんで、まあるいお皿にsouffleらしいメニューを盛り合わせてお持ちします。人気の揚げたてまあるいドーナツは、今回選べるフレーバーでご用意します。並んでいる間もワクワクしてもらえるような、おいしい味をお届けします!」

ふたつの「ff」がふふふと笑っているような、この看板ももみじ市にやってきます。

〜取材を終えて〜
実は、今回の取材は、同じく京都在住のもみじ市出店者である、ニシワキタダシさん、えちがわのりゆきさんと一緒に、円町の食堂souffleに集まっていただいて行いました。この日はお店がお休みだったにも関わらず、おなかを空かせた私たちに、沙由理さんがふるまってくれたのは特製カレー。口ぐちに「おいしいね」とつぶやきながら話す、作り手ならではのもみじ市談義のおもしろかったこと! souffleのごはんには、心をときほぐし、その場にいる人たちを笑顔にする不思議なチカラがあるのです(大橋知沙)

【もみじ市当日の、食堂souffleさんのブースイメージはこちら!】

ブースには、まるふく農園さんのハーブがたくさん飾られるそう。お楽しみに!