ジャンル:FOOD

cafeゴリョウ

【cafeゴリョウ プロフィール】
360度、ぐるっと空を見渡せる自然豊かな場所に佇むcafeゴリョウ。関西出身の澤井雅樹さん・加菜子さんご夫妻が築80年以上の農家の納屋を自分たちの手で改装し、2008年にオープンさせました。世界中を旅してきたお二人が、実際に味わって、美味しいと思ったものをカフェのメニューとして提供。雅樹さんがカフェの隣の大きな畑で育てた新鮮野菜を使って北海道の大地の恵みをお届けします。さらに今回は、私[担当:富永]も思わず購入した、イラストレーター・木下綾乃さんデザインのオリジナルTシャツも登場です!
http://www.goryo.info/cafe/

【商品カタログ予習帳】


トルティーヤプレート
食材の「ROUND」に、世界の美味しいものを北海道の野菜で再現する私たちのテーマに
原点回帰する「ROUND」、2つの「ROUND」を1つのプレートで表現してみました。
北海道産小麦でもっちりと仕上げたトルティーヤ
富良野産の有機栽培ニンジンで作ったカレーグラッセ
自家栽培のビーツと富良野産のウォーターメロンラディッシュ
十勝のホクホク金時豆で作ったチリビーンズ
富良野の美味しいトマトで作ったサルサメヒカーナ
オリジナルカレーパウダーのクスクス
北海道産クリームチーズと自家栽培カシスのジャム
彩り豊かな食材に自家栽培のハーブ類を添えてお出しします。


自家焙煎コーヒー
無農薬、有機栽培の東ティモール産フェアトレードコーヒーを自家焙煎しています。
甘みと酸味のバランスが良いコーヒーです。


スパイスチャイ
インドで4か月間研究したcafeゴリョウの看板メニューのスパイスチャイです。
カルダモンとジンジャーのみのシンプルで濃厚な味わいです。


ハスカップビール
自家菜園で収穫したハスカップで作ったシロップのビアカクテルです。
ビールの苦みにハスカップの酸味が加わった爽やかな大人の味わいです。


オリジナルホーローマグ
木下綾乃さんデザインのクマをプリントしたオリジナルのホーローマグです。
ご家庭はもちろん、割れない素材なのでアウトドアでも活躍します。


カレーパウダー
13種類のスパイスをミックスしたcafeゴリョウ特製のカレーパウダーです。
カレーやチャーハン、炒め物など様々なお料理にお使い頂けます。


自家焙煎コーヒー豆
無農薬、有機栽培の東ティモール産フェアトレードコーヒーを自家焙煎しています。
甘味と酸味と苦味のバランスが良い中深煎りに仕上げました。


オリジナルTシャツ
もみじ市でも人気の木下綾乃さんにデザインをお願いしたcafeゴリョウのオリジナルTシャツです。
細身で肌触りの良いトライブレンドのボディーを使い、プリントはコーヒーカップと枕でカフェとゲストハウスを表現しています。サイズもカラーも豊富に揃えていますので是非ご覧になってください。

【スペシャルインタビュー「自分たちに求められるものは何なのか、悩みながら辿りついた今」】
北海道富良野市の大自然に囲まれ、「Cafeゴリョウ」を営む澤井雅樹さん・加菜子さんご夫婦に、担当の富永琴美(手紙社)がお話を伺いました。

手塩にかけて育てた無農薬の野菜

まず案内してもらったのは、カフェのお隣にある畑。ここで、お店に使う野菜を育てているんです!

ーーー(畑を歩きながら)広々としたところで野菜を育てているんですね〜。本格的!
雅樹:野菜は基本的に、無農薬で育てています。

ーーー全部で何種類くらい育てて居るんですか?
雅樹:ええと……いっぱい! 何十種類とあります(笑)。じゃがいもは今年100キロくらい収穫できました。農業はやったことがなかったので最初は失敗の連続だったけれど、お店を始めてからかれこれ10年ぐらいは自家栽培をしているので、コツを掴んできたのか、最近はあんまり失敗しないですね。ハウスの中も見てみますか?

ーーー(ハウスに入る)うわ~! 真っ赤なトマトが綺麗。香りがいっぱいに広がっていますね。
雅樹:ここでは、トマトとセロリ、モロヘイヤ、あとは…ナスと、ピーマンと、ゴーヤです。パクチーも、もみじ市用に植えています。あとは、チャービルっていうパセリの仲間をプランターのまま持って行って、当日トッピングの材料にしようと思っています。

毎朝育っていく野菜を眺める時間が楽しみの一つに

ーーーまさに新鮮そのものという感じですね。
雅樹:富良野の農家さんにお願いして作ってもらっている、紅芯(こうしん)大根っていう中が赤くなっている大根や、自分で育てたビーツなどを輪切りにして、“ROUND”を表現しようかなと思っています。僕らは春に1ヶ月くらい旅行に行くんですけど、もみじ市は毎年冬にテーマをもらうので、その旅行の間に作戦会議をするんですよね。

ーーーへええ! 今年はどこで作戦会議をしたんですか?
雅樹:スリランカです(笑)。去年は確かブラジルでした。

畑を一回りしたあとは、カフェで加菜子さんも交えてお話しを伺うことに。
この空間には、澤井さんご夫婦の汗と涙が詰まっているのです。

厳しい冬を乗り越えて生まれた「cafeゴリョウ」

ーーー赤い屋根が目印の「cafeゴリョウ」。元々は倉庫だったとか!
雅樹:築80年以上の農家の倉庫を手直しして、今のカフェになりました。形は元の倉庫のままなんですが、すごく傾いていたので、それをロープで引っ張って起こしたんです、よいしょ〜って(笑)。腐った柱を継ぎ足して水平にしたり、元々あった壁を洗って貼り直したり。

ーーーそれは大仕事でしたね。
加菜子:二度とやりたくないと思いました。
雅樹:二度とできないと思いますね。開けてはいけないパンドラの箱を開けてしまった感じです。

ーーーどのくらいかけて直したんですか?
加菜子:6ヶ月くらいですかね。3年くらいはかかると思ってたんですけど……。多分改装中に経験した冬が厳しすぎたから、早くできたんだと思います。
雅樹:次の冬までにはなんとか終わらせないとっていう気持ちでね。カフェの改装作業中は、今はゲストハウスになっている隣の建物に住んでいたんですけど、何も断熱材も入っていないようなところで。家の中がマイナス15度くらいになるんですよ。それが大変で。
加菜子:洗濯物を家の中に干しても乾くより先に凍ってたり……(笑)。あのときは本当に辛かったです。
雅樹:来年もこれではまずいということで、必死で改装作業をしたんです。
加菜子:改装が終わってからゲストハウスができるまでは、カフェの2階に住んでいました。でも暖かい家を手に入れると必死さが無くなるんですよね。だから、そのあと手をつけたゲストハウスの改装は、終わるまでに3年かかって。
雅樹:命にかかわるときは、やっぱり頑張れるんだなって思いましたね(笑)。

ーーーお二人の絆が深いからこそ、成し遂げられたようにも感じます。
加菜子:私たち、高校生の時から付き合ってるんですよ。出会って20年くらい。
雅樹:付き合い始めた当時は18歳だったね。こうして富良野に来てからは、自分たちがここに楽しく住めるような何かをしようと思って。農業もそうだしカフェもそうだし、興味のあることをやってみようって。
加菜子:そういう20年でした(笑)。

窓から見える緑に癒されるひととき

二人だからこそ作れる“世界の味”

ーーーお店を開く前は、お二人でバックパッカーをされていたんですよね。
雅樹:ここに来る前は、二人で2年間くらい世界一周旅行をしていました。そんな経験から、世界を旅して出会った美味しいものを再現したい、というのがこのお店の大きなテーマなんです。

ーーー本場の味が、リアルに再現されているんですね〜!
雅樹:「これをメニューにする!」って決めたら、現地でそればかり食べるんですよね。それで本場の味を覚えて、日本に帰って来て再現してみて。例えばチャイは、4ヶ月間インドにいたときに、インド人が作るのをじ~~っと見てて、「今カカルダモン入れた! 潰してるぞ!」みたいな(笑)。作ってる人にも「次何入れるの」って聞いたりして、教えてもらったものを再現しています。

ーーー今回のもみじ市で食べられるメニューはなんですか?
雅樹:トルティーヤです。以前、ホンジュラスで遭難したときに現地の農家さんにトルティーヤを作って食べさせてもらったことがあって……。

ーーー遭難!?
雅樹:ちょうどハリケーンにぶつかってしまって、道路と街をつなぐ大きな橋が落ちてしまったんです。その街から出るための道がその橋以外になくて、どうしようもなくなった人たちが、小学校借りたりして一晩明かしながら、裏道を探しに移動していて…その時にトルティーヤを作ってくれたんです。日本人がおにぎりを握るみたいに、手慣れた感じで生地を伸ばしていましたね(笑)。

澤井さんが育てた野菜たち
ジャガイモやかぼちゃも収穫できました

手紙社との出会いが成長のきっかけに

ーーー手紙社のイベントにはいつから参加されているんですか?
雅樹:はじめは、「森のカフェフェス」に誘ってもらったんです。突然、「参加しませんか」ってメールが来て。旅行中にそのメールが届いたんですが……。エチオピアにいた頃だったかな? すごい通信事情が悪かったんですよね確か(笑)

ーーーもみじ市はお二人にとってどのような存在か教えてください。
加菜子:もみじ市にはどうしたら出られるのかなって思っていました。
雅樹:そう、カフェフェスには呼んでもらって、カフェフェスに出てもみじ市にも呼んでもらってる人と僕らの違いはなんだろって。是非参加してみたいイベントでしたね。手紙社さんがすごく大切にしているイベントだっていうのも聞いていたので。
加菜子:そしたら、これもある日突然連絡をもらって。憧れだったので、嬉しかったですね。

ーーー今年は“ROUND”ですが、毎回テーマがあるというのはいかがでしょうか。
雅樹:緊張します。すごくそれに縛られるから、一年間苦しい時あるよね
加菜子:私はイベントに向けて、北海道から東京行きの船に乗る時は全然落ち着かないんです。
雅樹:会場に行けば、他の出店者の方たちも、すごくオシャレな美味しいものを出してくるじゃないですか、それを見るのがとても勉強になります。切磋琢磨する相手が少ないというか……。そもそも人が少ないから、自分たちの成長のきっかけを掴みにくいけれど、もみじ市をはじめ、手紙社さんのイベントに出ることでだいぶ成長できたと思います。

ーーー他の出店者さんの存在は刺激になりますか?
加菜子:自分がどんだけ「今回はいいぞ~!」って思って北海道を出ても、会場にいくと他の方の物が全部素晴らしく見えるんですよね。「やっぱり違うな」って思って毎回落ち込みます。
雅樹:落ち込みます。どうやったらあんな素晴らしいものできるのかなって。でもそれがあるからこそ、また頑張らなきゃなって思えるんですよね。

ーーーもみじ市で忘れられない思い出があれば教えてください。
雅樹:はじめのもみじ市は大変すぎましたね。お釣りが足りない、コーヒーミルが壊れる、ガスがなくなる。
加菜子:ガスは、これで十分足りるだろうくらい持って行ったんですが、1日目でほとんどないみたいな。衝撃でした。もみじ市はすごい……って。とにかく初参加のもみじ市は大変でした。終わった後どうやって自分たちが眠りについたか覚えてないくらいで。気が付いたらベットに倒れていた。
雅樹:準備不足がすごかったですね。あのときの自分に「そんなんじゃ足りないぞ」と注意してやりたいくらい。ちなみに、去年はガス栓を忘れて、東京に向かうフェリーの上で気がついたんです。お風呂に入りながら、あれ持ったこれ持ったって頭であれこれ考えていたら、「はああっ!」って。湯船に浸かって温まっているはずなのに、サーっと青ざめるみたいな(笑)。
加菜子:でもどうにかなったね。いろんな人に助けてもらってね。

もみじ市に出店する理由を探して

ーーー出店して感じたことはありますか?
加菜子:初出店の時は完全に敗北っていう感じでしたね。
雅樹:敗北でした。本当に。
加菜子:全く珈琲が売れなかったんですよ、珈琲以外は売れたんですけど……。「もみじ市はプロフェッショナルの集まりなんだよ」ってある方に言われたんですが、私たちはなんのプロフェッショナルなんだろうと悩みました。

ーーーその答えは出ましたか?
加菜子:色々考えたんですが、私たちの小屋で呼ばれてるんじゃないかなって最近思ったりしています(笑)。私たちは結構凝った感じの小屋を河川敷に建てるので、少なくとも、その要素は一つの魅力になるのではないかなと思います。
雅樹:年を重ねるごとに、小屋の規模がエスカレートしてって、材料が運転席すぐそばまで出てるような状態で、もみじ市の会場にやって来ています(笑)。

ーーー今年はどんなブースで楽しませてくれますか?
加菜子:ブースのイメージは常に“ミニゴリョウ”。富良野のcafeゴリョウをそのまま東京で再現っていうのを考えているんです。この雰囲気をそのまま持って行って、ここに来たのと同じように感じてもらえたらいいなって思っています。
雅樹:東京の河川敷の雰囲気がいいんですよね。こことあんまり変わらない感じがする。今は4代目か5代目くらいの小屋で、だんだん新しい案が出て来なくなって来ています(笑)。楽しい空間を作ろうと思うので、是非みなさん遊びに来てください!!

〜取材を終えて〜
今年はスリランカで作戦会議をしたという澤井さんご夫婦。会話のテンポが絶妙で、笑いの絶えないインタビューとなりました。今回登場するのは自家栽培の野菜を始め、北海道の美味しさが満載のトルティーヤです。色々な具を組み合わせて包む楽しさがありますが、個人的なオススメは、cafeゴリョウオリジナルのカレーパウダーを使ったクスクスに、紫キャベツ、チリビーンズの組み合わせ。みなさまもぜひ、河川敷に現れる“ミニゴリョウ”でその味を満喫してみてください!
(手紙社 富永琴美)

【もみじ市当日の、cafeゴリョウさんのブースイメージはこちら!】

赤い屋根が目印の“ミニゴリョウ”。そのブースでは、遠く富良野の風を感じることができます!