ジャンル:CRAFT

今江未央

【今江未央プロフィール】
陶芸家。都内アパレル会社を経て石川県九谷焼技術研修所で学び、現在金沢市にて主に活動中。伝統の磁土と和絵具を使い、九谷焼を自由な発想や絵付けで表現し、目にも鮮やかな作品を作り続けています。私(担当:並木)は今江さんのビールの豆皿が大好きです。色合い、配置、泡の描き方。全てが調和しているのです。人々のいつもの暮らしが入り込んでいる豆皿。馴染みの良い形、色鮮やかで見ていて楽しくなります。元気が出る器です。

 

【商品カタログ予習帳】

定番のイチジク豆皿。よく、栗に間違われます。。。

 

はす小鉢。ちょっと渋めに、煮物を入れてはどうでしょう。

 

九谷焼らしい色合いの取り皿です。

 

片口に合わせて制作しました。お酒を入れると、魚たちが泳ぎます。おつまみや、ディップ入れとしてもオススメです。

 

目玉焼きフリーカップ。お茶、ヨーグルト、アイス、デザートなど、幅広く使えます。

 

ご飯なのに、パン柄。パン好きのためのお茶碗です。

 

片口。お客様のご要望がきっかけで制作しました。一合サイズでちょうどよいサイズです。

 

完食すると、プレッツェルが現れます。

 

定番の、りんごマグ。少し小さめですが、温かいうちに飲みきることができるサイズです。

 

付き出し皿。おつまみやお菓子を入れたり、アクセサリー置きとしても使えます。

 

【スペシャルインタビュー「冒険する楽しさ」】

九谷焼の世界に新しい風を吹かせている、陶芸家の今江未央さんに並木裕子(手紙社)がお話を伺いました。

陶芸家への道のり

ーーーなぜ陶芸家になろうと思ったのですか?
今江  元々アパレルで働いていたのですが、その時に私のデザインしたお財布が商品化したからです。

ーーー商品化とはすごいですね! どんなお財布だったのですか?
今江  こういうのが欲しいけど、なかなか見つけられない。という私の願望そのものが詰まったお財布でした。でも、私以外のお客様もお探しの方は多いのでは、と思い作ったお財布です。

ーーー自分の願望が商品化とは夢のようですね。ですがお財布=陶芸家に繋がったのはなぜでしょうか?
今江  自分がデザインしたものが商品になることが本当に嬉しくて楽しかったという気持ちが根底にあって、陶芸の道に進んだのも何か習い事がしたくて陶芸教室に通っていたこと、あとは友人のアドバイスがあったからでしょうか。小さい頃から工作、手芸が好きでしたしね。自分に合っていたのかもしれません。

ーーーでも会社員から陶芸家とはすごい転身ですよね。道のりは険しかったですか?
今江  いえ。そこまで険しいとは思いませんでした。一度、『私の選択肢は間違っていたかもしれない』と自信をなくしてしまって、とにかく後戻りはしたくないし、周りに流されないように自分らしく突き進もうと思って、ひたすら作業の目標を立てて、毎月クリアできるよう自分のお尻を叩いて、いつのまにか乗り越えていましたね。

 

 

豆皿を削っているところ。

 

 

豆皿の秘密

ーーーでは作品のことをお聞きしたいのですが、今江さんといえば、いつ見てもハッ! とするような色彩の美しさが特徴だと思うのですが、あの色合いはどこから生まれたのか不思議でしょうがないんです。もしかしてアパレルにいた時の経験も加味されているのでしょうか?

今江  色彩は自分自身では独特とは思っていなくて、でも、小さいころから色へのこだわりは強かったように思います。

ーーーそうなのですね。今江さんは金沢在住でいらしゃいますがそのあたりも関係しますか?

今江  金沢は時間がゆったりしていて、食べ物も美味しい、自然も豊かですし、色彩というより豆皿に描きたいモチーフは
次々と浮かびますね。でも、ふと浮かんですぐに器に描き始めることもあればクロッキー帳に2年くらい寝かせて、なかなか仕上がらない時もあるんです。簡単な絵柄なんですけどね。

ーーーそんなことないです。今江さんの絵柄は今江さんの器にしか合致しない素敵な絵柄です。ではその中で今江さんのイチオシの絵柄を教えてください!

今江  ビール、アイス柄ですかね。なぜ今まで描かなかったのか、自分でも不思議です。

ーーー私の大好きなアイテムばかりで嬉しいです。今江さんの作品には花器がありますが、あの美しい少しグレーがかった曇りの日の雪の色みたいな色合い、それに重なったレース柄、あの色・柄はどのように決めたのですか?

今江 実は、器と同じ磁器土を使っていて釉薬をかけなかったら、花器の色になります。同じ素材でも表情が変わりますし
生花でもドライでも合うかなって それに花器は元々金沢のお花屋さん『LIBERTINE』さんの雰囲気に合うように製作したもので、レース柄でも向きを変えて無地の状態でも使えるようにしてあるんです。

ーーーそうだったのですね! ではその作品が完成するまでの工程を教えてください。

今江  ざっと言うと、ろくろ→乾燥→素焼き→施釉(釉を塗る)→本焼き→絵付け→上絵窯へ→完成。という流れでしょうか。

ーーーいくつもの工程を経て出来上がるのですね。ではこの中でここが一番大事という工程などありますか?

今江  特にここがというものはないのですが、ひとつひとつの工程を大事に製作して行くことは常に心がけていますね。

 

 

手作りの鉋など

ROUNDを楽しむ

ーーーでは、ここから『もみじ市」のことをうかがえたらな。と思います。初参加の時もみじ市のことをご存知でしたか?
また、お誘いを受けた時どう感じましたか?

今江  知り合いの作家から「多摩川河川敷ですごいイベントがある! 」と聞いてました。誘いを受けた時は、とても嬉しいのと同時にみなさんのレベルが高すぎて、私は大丈夫なのか、と不安になりました。

ーーーわあ。そうだったのですね。知っていただけていたなんて主催者側としてはとてもありがたいです。では、他の出店者さんの顔ぶれを見てどう思いますか? また、何かしたいことありますか?

今江  皆さん、憧れですし、すごい方ばかり。毎回、自分のことで手一杯なので、今年こそはゆっくり作家さん巡りをしたいなと思いますね。1日目は食べ物と作家さん、2日目は空気公団さん、そしてまた作家さん巡りをぜひしたいと思っています。

ーーーいいですね。今江さんも、もみじ市を大いに楽しんでください。また、今江さんは他のイベントなども参加していると思いますが、もみじ市はここが違うというところ、ありますか?

今江  そうですね。お客様がとっても楽しみに来てくださっているのがよく分かります。あと、作家さん同士も仲がいいですよね。

ーーーでは今年のテーマ”ROUND” と聞いて何を思い浮かべますか?

今江  豆皿ですかね。いつも制作していますし、私の周りにいつもありますしね。もみじ市で全ての豆皿を並べたい!! と思っていたのですが、豆皿市(手紙社が主催している東京豆皿市)でそれが達成できてしまいましたので、今回のもみじ市では豆皿以外も楽しんで、知ってもらえるような作品を並べたいと思っております。

ーーーズバリ! どんな作品をお持ちいただけるのでしょうか?
今江 丸い豆皿、丸い花器、丸くて小さいオブジェ、丸いピンバッジ、ですかね。その他に食欲の秋なので、豆皿は食べ物柄と新柄を。ROUNDにちなんで丸いものも制作しています。

ーーー楽しみですね。食べ物柄と新柄とは一体何でしょうか?
今江 甘いものの柄です。ぜひお楽しみにしていてください!!

 

【取材を終えて】 
今江未央さん。私の中では豆皿の色彩がとても豊かな作家さんというイメージでしたが、イメージはそのままに、自分を信じてまっすぐに冒険をされる方だなと思いました。そしてその冒険は誰もがかっこいいなと思うもので、これから、もっともっと冒険をしてほしい。作品を見せてほしいと思わず未来の今江さんを楽しみにしてる私がいました。

(並木裕子)

 

【もみじ市当日の、今江未央さんのブースイメージはこちら!】

 

お天気が良いと、お花をカーテン代わりにするかもしれません!?