【小春日和プロフィール】
さいたま市大宮公園ほど近くにお店を構えるアットホームで居心地の良いパン屋さん。主にベーグルの生産販売をしており、種類は常に20種類を製作。ベーグルだけではなく食パンも人気商品。最近ではおからを入れた柔らかいパンなど様々なパン製作を楽しんでお客様に提供しています。私(担当:並木)は何と言ってもチョコベーグルのファン。柔らかいベーグル生地とチョコの甘さの具合の良さったらないのです。ひとつあるだけで心がホッとする素敵なベーグルです。
【商品カタログ予習帳】
【インタビュー『大事なことは欲張らないこと』】
「小春日和」オーナー角井良さんに、並木裕子(手紙社)がお話を伺いました。
ベーグルとともに
ーーーなぜベーグルのお店を開こうと思ったのですか?
角井 ずっと教職という仕事をしていて、いざ定年退職が近づいた時に何かしようと思ったのですよね。そこで、一生できること。自分なりに社会貢献できることは何かな。と考えた末に思いついたのがベーグルでした。また、ベーグルは大きいオーブンもいらないし、手軽にできるので。
ーーー10年前の大宮ではベーグルはまだ珍しいものだったと思うのですが、怖さとかなかったのですか?
角井 当時通っていたパン教室の先生からベーグルはどう? と言われて特に何も違和感なく始めました。材料も先生に紹介されたものを使ってね。始めは今のお店より小さいお店で、窓を開けて売ってたんです。無理せず予算内でお店を開きたかったので、そのうち、あそこで並んでいるのは何の行列だ? ベーグルって何だ? ということになってお客様が増えたのですけど。
ベーグルが生み出した”ROUND”
ーーー『小春日和』さんはいつもたくさんのベーグルで溢れていますよね。種類はどうやって決めるのですか?
角井 定番のものと、月限定のもの合わせて20種は常に出しています。月限定のものは自分が元々料理が好きでしたし、一緒に働いているスタッフさんも美味しいものが好きだから、一緒にあれこれと考えると終わらないくらい。たまにスタッフさんが自宅で試作品を作ってきて皆で食べて話し合うこともあります。新作はそうやって作り上げていますね。また、お客様や友人に美味しいお店を教えてもらったりして、実際に食べに行ったりすることでヒントをもらったりもしています。
ーーーベーグルの種類はお客様やスタッフさんとの交流から生まれているのですね。
角井 そうですね。お客様とお店を通して交流できるのは本当にうれしいです。今働いてもらっているスタッフも元々うちのお客様だったんです。それに、今も社会貢献したいという気持ちは変わりませんから。来てくださったお客様がより楽しんでもらいたいので、知り合いの作り手のの手作り商品とベーグルを一緒に販売する「夏の市」「冬の市」というイベントも開催しています。
ーーーお客様とスタッフさんと小春日和さんが一体になってお店を盛り上げているのですね。まさに今回のテーマのROUNDでは。
角井 そうかもしれないですね。ベーグルもROUNDですし、実はベーグルを作り始めてから海外へもよく行くようになって、それがきっかけでフェアトレード活動にも参加しています。お店の商品のクッキーに“モリンガ”という植物の粉を入れて販売したこともあります。他も色々と製作したいなと思っています。義務というよりは楽しんで作っていますね。
大事なこと
ーーー10年間、ここまでの道のりで大変なことはありませんでしたか?
角井 全然なかったです。無理をしたり、欲張ったりしなかったですから。大事なことは頑張らないことです。必要なものだけあればいいですしね。アトリエには一口コンロとオーブンだけですが、なんとかなりますよ。慣れてしまえば大丈夫です。
ーーー全然なかったって言い切れる角井さん。すごいです。
角井 そうでもないですよ。本当になかったです。お店を作ったときは、旦那さんも出資してくれて本当にありがたいです。実は子供達もベーグルを作りたいって今では2人共お店を出しているんです。
1人は埼玉、1人は北海道でお店を開いています。初めはウチのお店で研修して、私が教えました。最初の頃は見ていてハラハラしましたけどもう大丈夫です。
ーーー家族でみなさんでベーグルとは素敵ですね。このお店を中心にご家族がつながっているのですね!
角井 そうですね。ありがたいですね。
もみじ市の先へ
ーーー今回もみじ市初参加ですが、お誘いを受けた時どう思われましたか?
角井 驚きましたよ。手紙社さんは大きいイベントを開催しているのは知っていましたし、まさかうちの店が! と思いました。でも、本当に嬉しかったです。
ーーーそう言っていただけると私も嬉しいです。では、初めてのもみじ市。どんな風 に楽しみたいと思いますか?
角井 もみじ市はたくさんの出店者さんがいらっしゃいますよね。お店に行くのも、作家さんたちとの繋がりが持てるのも本当に楽しみです。このお店も作家さんと繋がれたおかげでたくさんお手伝いしてもらったんですよ。
ーーーそうなのですね。どちらを手伝ってもらったのですか?
角井 お店を設計してくださった方のお知り合いがクリエイターのRARI YOSHIOさんで、うちの看板(もみじ市のアイコンにもなっています)と名刺をデザインしてもらいました。本当に素敵で、お店に合うものを作ってくださいました。お客様にもよく素敵ねって言われるんですよ。あともう一つ震災があった時も「祈り」をテーマに絵を描いてくださいってお願いしたら「いいですよ」ってすぐに描いてくださって今でも店内に飾っています。見ると本当に落ち着きますし、あの時は本当にありがたかったです。
ーーーあの看板は素敵だから目立ちますし、お店にあっていますね。きっと、もみじ市の先も『小春日和』さんは変化し続けるのですね。
角井 そうですね。手紙社さんのもみじ市に参加できたのも繋がりですよね。
ーーーもみじ市はどんなベーグルを持って来てくださるのですか?
角井 今考えているのは、いつもお店に出ているチョコ、プレーン、ブルーベリー、クリームチーズ。新作として紅ゆうかというサツマイモを使ったベーグルを持って行こうと思っているんです。
ーーーわあ。なんて美味しそうな!
角井 うちのお店はなるべく手をかけずに素材そのままを使いたいと思って、サツマイモはそのまま使いたいと思っています。あと一つは今、スタッフさんと一緒に考えているところです。どうぞお楽しみに。
〜取材を終えて〜
いつも通っていたベーグル屋さんの店主と話をできるなど夢にも思わなかったのですが、改めてお話を伺っていつの間にか支えられているような気持ちになってしまっている私がいました。「大事な事は頑張らないこと」と言った角井さんはとても良い表情をしていました。一言で言うのは簡単ですがとても大事な言葉だと思います。自分は何がしたいのかを大事になさっている角井さん。たくさんの方との繋がりが持てるのも納得できるとても頼もしい素敵な方でした。(手紙社 並木裕子)
【もみじ市当日の、小春日和さんのブースイメージはこちら!】 このような形で籠をいくつか使ってベーグルをお出しします。