ジャンル:ILLUST&DESIGN

水縞

【水縞 PROFILE】
ビターでちょっぴりスイートな文房具を手がけるのは、水玉模様&縞模様を愛するデザイナー・植木明日子さんと文房具店主・村上幸さん。自他ともに認める大の「水縞」好きの私[担当:新居]のNo.1アイテムは、定番アイテムのひとつでもあるハンコ。新商品がお目見えするたびに「そうきたか!」と気づきをくれる、遊び心たっぷりのモチーフに毎回メロメロ。どれも本当にイチオシですが、強いて挙げるなら「オトレン おかめ」(ハンコ)。今にもぽろりと落ちてしまいそうなふくよかなほっぺに三日月目のおかめさん。メモにポン、ノートにポン、お手紙にポン……押すたびににんまりと笑顔に。幸を運んできてくれるのです。
http://mzsm.jp/


【商品カタログ予習帳】

左からハンコスケジュールバー、スケジュールウィーク、TO DO、スケジュールサークル
16図柄ペーパーバッグ
きもちカード こども
ハンコ万年カレンダー
ひとことクリアシールこども
ひとことぽち袋 こども
回転印気持ち168
手ぬぐい こども
水縞のし
水縞包み紙レターセット
水縞模様グラシン袋

【スペシャルインタビュー「水縞ともみじ市、11年目にかける想い」】
水玉好きのプロダクトデザイナー・植木明日子さんと、縞々好きの東京・吉祥寺文房具店「36 sublo」店主・村上幸さんを中心に企画、制作を行っている文房具ブランド「水縞」。活動開始は2006年、なんと今年で開催11回目を迎える「もみじ市」と同じ時期に誕生した、言わば同級生! 10年というひとつの節目を経て、新たなモノづくりを始める「水縞」の今までとこれから、そしてもみじ市に注ぎ込む情熱について話を聞きました。

作り手と使い手が共有する「何か面白い」アイテム

「水縞」の魅力のひとつは、クリエイティブであること。作り手の遊び心とアイデアは、使い手の想像力を駆り立てます。例えば、私(担当:新居)の大大大好きなハンコのモチーフには、時計や地図、モノサシなどがあって、何でもないノートにハンコを押すとオリジナルのスケジュール帳や日記帳になったり、無地のペーパーに押せば包装紙になったり。レターセットや紙袋に使われている素材は、シャカシャカしていたり、ぼってりとしていて、気がつくと親指と人差し指で紙を挟み、右へ左へ動かしながら指触りを楽しんでいたり。五感を刺激する仕掛けが、さりげなく、でもしっかりと潜んでいるのです。

「ちょっと面白い、くすっと笑える、そういった要素を大事にしています。今年の新作『こどもシリーズ』は、タイで見つけたハンコがモチーフ。『水縞』を立ち上げたすぐの頃、タイから商品を仕入れていて、その時に見つけたものなんですけど『何か気になるね。何か作れないかな?』とずっと何年も持っていて。11年目にしてようやく形にすることができましたよ(笑)。イラストそのものもユニークですが、シールとぽち袋には買った方がひとこと入れられるようにしています。大喜利のように楽しんでもらいたくて」

8月に「大井競馬場」で初開催した「真夏の東京蚤の市」でお披露目された新作「水縞こどもシリーズ」。どこか懐かしい雰囲気を持つイラストに「昭和レトロ」がテーマかと思いきや、タイで実際に見つけたハンコがモチーフになっていたとは!

アイデアが生まれるのは喫茶店での雑談から

新作は毎年1〜2シリーズ。レターセットやメッセージカード、ハンコ、ポストカードなど、制作するアイテムは同じでもテーマやコンセプトが変われば、そのアイテムが持つ佇まいも自ずと変わってくる。「水縞」が新作として手がける企画は、毎回「あぁ!」「えぇ!」「おぉ!」というものが多い。身近にあるもので見過ごしてしまっていたもの、使い古されたものなど、見方を変えればこんなにも面白かったのか!? と気づかされるモチーフばかり。

「新作のアイデア出しは、だいたい喫茶店で行います。表向きは打ち合わせですが、実際はほぼ雑談。昔は長かったのですが、最近は2〜3時間程度。しゃべり出すと止まらず、あっいう間に時間が経ってしまうので、始める前に『2時間ね!』と決めてやっています。今も昔もドドッとテーマがあがってきて、さらにやりたいこと、作りたいものがドドドッと。そこは変わらないので、雑談と言えども非常に濃厚ですよ(笑)」

「1日1回、使わない日はありません」と断言するほど使い、欠かせないモノサシ、カッター、カッターマット。

同じようで、ちょっとずつ違う!

今や全国で見かけるようになった「水縞」のアイテム。販売する場所と数が増えても一部のアイテムはすべて手作業で商品化、レターセットや手ぬぐいなどに巻かれている帯も、人の手がかかっている。同じアイテムでもよく見れば少しだけ違う。そこが雑貨好きにはキュンとしてグッときます。

「ロングセラーの『水縞のし』は、本体もパッケージもすべて手作業でオリジナルのA4ペーパーを3cm角にカットするところから始まります。基本、折り方は決まっていますが、折る人が違うと仕上がりが少しだけ異なるんです。のし本体に合わせる帯の色は職人さんのセンスにお任せ。上下に1〜2mm程度の切れ目が入った台紙にのしを入れるのも手作業で。完成品は、言われれば違うかも…程度に違っていて、わかる人にはわかる、という個性が長く愛される理由のひとつかも」

手作業だから愛着もひとしお。ミニサイズがかわいい「水縞のし」。これが人の手で作られていると思うと眺めるほどに惚れ惚れ。本当にお見事!

生誕11周年のキーワードは「原点回帰」

水玉、縞々、数字など、バンカラでハイカラな水縞のデザイン。モノづくりをする上で心がけているのは、使う人がワンアクション起こしたくなる「余白」を残すこと。

「昨年は10周年で『たくさんのアイテムを作ろう!』とイラストレーターの福田利之さんや老舗の文具・紙製品メーカー『ライフ』とのコラボレーション、ことわざシリーズ、猫が主役のたましまシリーズを企画、制作しました。11周年の今年のテーマは原点回帰…かな? まだ、決まっていないことがたくさんあって、ふわっとしたことしか言えないのですが…今までの水縞アイテムがモチーフになってくると思います。もみじ市は、一年の中でも特別な日。もみじ市を目指して新作を作っているので楽しみにしていてくださいね!」

〜取材を終えて〜
「もみじ市で新作を」。もみじ市が近づいてくると、毎年聞こえてくるキーワードです。10年の歳月を経て、多くの人に知られる文具ブランドになった「水縞」。それでも新作が日本で一番早く並ぶのはもみじ市なのだと。今までがそうだったように、今回も雑貨が持つ魅力や楽しさを教えてくれるモノがズラリと並ぶはず。いや、並ぶに違いありません。(手紙社 新居鮎美)

【もみじ市当日の、水縞のブースイメージはこちら】

ブースのあちらこちらに紙もの、紙もの、はんこ、はんこ、紙もの……定番アイテムはもちろん、新作&もみじ市限定品は絶対に見逃せません。