ジャンル:CRAFT

SAVON de SIESTA

【SAVON de SIESTAプロフィール】
スペイン語で“昼寝”を意味する単語を名に冠する、「SAVON de SIESTA」。その石鹸は、ぽかぽか陽気の中でまどろむような、心地いいひとときを味わせてくれます。自然を感じられる素材本来の香りと、肌にすっと染み込む優しさに、あなたも魅了されること間違いなし。私(担当:藤枝)が今気になっているアイテムは、手紙社スタッフ・栗木が大絶賛している日焼け止め。独特の圧迫感と、塗った後に白く残ってしまうのが苦手なのですが、SAVON de SIESTAの日焼け止めは全くそんなことはないとのこと。興味津々です!
http://at-siesta.com/

【商品カタログ予習帳】


奇跡の木と呼ばれるモリンガから作ったシエスタ初の美容オイル「シエスタオイルセラム モリンガ」


定番のスキンクリームは、敏感肌の方向け・しっかり保湿ケア・ネイルケアにもおすすめなもの…3種類ご用意しています


点と線模様製作所の岡理恵子さんに作って頂いたオリジナルの模様を、かまわぬさんと一緒に手ぬぐいに仕立てました


肌にやさしい日焼け止めや、クレンジングオイルは毎日のスキンケアに人気のアイテムです


シエスタの定番石鹸は全部で8種類。迷われたらお肌のタイプでお勧めしますので、お声がけくださいね


もみじ市限定「ボタニカルリースの石鹸」。7種類の精油の香りが広がり、洗顔が心地よい時間に変わります


色々試してみたい!という方におすすめなのがプチ石鹸。定番石鹸のプチ石鹸をお持ちします!

植物から採れた精油だけで香りをつけたルームフレグランス。川沿いにやさしく香ります。

【スペシャルインタビュー「心と体にいい石鹸を求めて」】
Savon de Siesta代表の附柴彩子さんに会いに、担当の藤枝梢(手紙社)が直営店の「Siesta Labo.」にお邪魔しました。

「石鹸づくり」を始めたきっかけ

ーーー日常生活に欠かすことのできない石鹸ですが、自分の手で作るというのはなかなか大変そうですよね。石鹸を作るようになったきっかけを教えていただけますか?

附柴:特別肌が弱かったわけではないのですが、大学時代に使っていた化粧品で肌がかぶれてしまったんです。北海道大学で化学を専攻していたので、化粧品に入っている成分を見ると、なくてもいいものまで含まれていることが分かりました。純粋に肌にいいものだけでなく、流通のために必要な、腐ることを抑える成分なども多かったんです。せっかく使うのなら、もっとシンプルなものを使いたいと感じました。

そんな時に、本屋でお菓子づくりの本を探していたら、たまたま隣に石鹸づくりの本が。ちらっと読んでみたら、普段大学で行なっている実験よりも簡単だと思い、作り始めたのがきっかけですね。

ーーー理系だからこその発想ですね!
附柴:昔からお菓子づくりが好きだったんです。異なる物質を掛け合わせることで、全く違うものが生まれるということが面白くて。小麦粉に卵に牛乳、混ぜただけだとただのドロドロの液体なのに、熱を加えることで美味しい食べ物に変身する。その工程が楽しく感じました。

ーーー食べることよりも、作っている過程が好きだったと!
附柴:そうですね(笑)。中学、高校でも理科の実験が好きで、そのまま化学の道に進みました。

石鹸の製造風景。お菓子の生地と同じように、型に流し込んでいきます

天職との出会いから、今に至るまで

ーーーお店をオープンするまでは、どのような道のりだったのでしょうか?
附柴:将来何をやりたいのかよく分からず、大学を卒業してから大学院に進む前に、1年間休学していたんです。当時、ギャラリーが併設されているカフェでアルバイトをしていたため、ものづくりをしている人との出会いが多かったのですが、その人たちとの交流を通して、自分が作ったもので人が喜ぶような暮らしをしたいと思うようになりました。

そんな時に、石鹸づくりに目覚め、天職だと思ったんです。そこで、石鹸屋になるにはどうしたらいいか考えたのですが、まだ分からないことが多く、大学院卒業後は製薬会社に就職しました。薬と化粧品は法律が一緒なので、保健所に関することやお店を設立するために必要な基礎を、そこで学びました。

ーーーお店の場所として北海道を選んだのは、何か理由があるんですか?
附柴:やはり、大学時代に札幌に住んでいたことが大きいです。進学する時に決め手になったのは、父が北海道大学の理学部出身で、幼い頃から家族旅行などで遊びに来ていたのと、自然が身近にあるところに惹かれたため。その時は完全に直感でしかなかったのですが、石鹸の素材として北海道原産のものを多く使用しているので、北海道を拠点にして良かったですね。SAVON de SIESTAの石鹸づくりは、北海道じゃないとできなかったと思います。

北海道産の精油を配合したルームフレグランス

Savon de Siestaが誇る、石鹸づくりの舞台裏

ーーーSiesta Labo.の奥にある工房で、全ての石鹸を作っていらっしゃるんですよね?
附柴:そうですね。お鍋で素材を混ぜ合わせ、一切加熱することなく1カ月間じっくり熟成させて、石鹸を作っています。

ーーーお鍋のサイズ、予想していたよりも小さいですね……?
附柴:みなさん、驚かれますね。「あれ? 小っちゃい?」とおっしゃっています。それでも10リットル入るお鍋なので、あれで100個分もの石鹸を作ることができるんです。

奥の壁に並んでいる石鹸は、寝かせている最中のもの。時間が経ち熟成が完了したら、小分けにして磨いて完成です。工房の壁のイラストは、ご近所で活動されている点と線模様製作所の岡理恵子さんが描いてくれました。

岡理恵子さんのイラストが描かれた工房。ここから、Savon de Siestaの石鹸が生まれます

ーーーかなりの商品数ですが、どれぐらいのペースで新商品を作っているんですか?
附柴:ひと月に1回、新しい商品を作っています。一つの石鹸を作るのに、およそ半年ぐらいの期間が必要なのですが、真逆の季節のことを考えるのは大変なため、1年ぐらい前からアイディアを練るようにしています。

新商品を生み出す時には、何種類かの発想の方法があります。一つ目は、季節を踏まえ「こういう気持ちになってほしい」とか、「原料にこれを使いたい」というところから考えていくもの。二つ目は、「この人のためにこういうものを作りたい」というパターン。日々接客をしていく中で、強く印象に残るお客さんもいらっしゃり、そういう人に向けて何か力になれるものを作りたいと思うこともあります。三つ目は、もみじ市のようにテーマを与えられて、そこからイメージしていく方法ですね。

ーーー今回のテーマは“ROUND”ですが……?
附柴:香りの世界には、花系・樹木系など円形に近い相関図があるんです。完全な円ではないのですが、色相環に近いものですね。いつもだと隣同士の香りを組み合わせたり、アクセントとして真反対の香りを加えたりしているのですが、今回はそれぞれの系統から選ぼうと考えています。石鹸の形としては普段通り真四角ですが、香りの調和が取れた特別な石鹸になる予定です。

7種類の精油をブレンドした、ボタニカルリースシリーズ

大切なことは、背景にある思いを届けること

ーーーもみじ市には、2011年の「末広がり」の時からの参加ですが、初めて出た時はどのような気持ちでしたか?
附柴:「旅するもみじ市 in 北海道」や「森のカフェフェス」に出店し、そこからもみじ市にも声がかかり、参加することになりました。実はもみじ市に行ったことはなかったのですが、「お客さんとして遊びに行くぐらいなら、出店者として行こう!」と、心に決めていて。Savon de Siestaはウェブショップから始まったのですが、お客さんと直接話をして紹介したいという思いが強く、展示なども頻繁に行なっていたため、もみじ市にはずっと出てみたかったんです。

ーーー実際に話してみないと、勧められる商品も分からないですものね。
附柴:そうですね。なので、うちのスタッフはかなりお客さんと会話していると思います。世の中には、それぞれが気に入った商品を選べばいいジャンルのものもあるけれど、Savon de Siestaの商品は、見ているだけではさっぱり分からない。選んでいただくからにはいいものをお勧めしたいと考えているので、イベント終了後などは喋りすぎて声が枯れてしまいます(笑)。

ーーーお客さん一人ひとりとの、密なコミュニケーションが大事なんですね。それ以外に、附柴さんが大切にしていることはありますか?
附柴:絶対に忘れちゃいけないのは、「常に使う人のことを考えながらものを作る」こと。石鹸は日用品なので、自己表現をする作り手ではなく、暮らしを助ける人だと自分自身では思っています。

これは製薬会社で働いていた時に教わったのですが、病院に薬を売ろうとしてはダメなんです。病院ではなく、あくまでその背後にいる患者さんのことを思い浮かべ、役立つものを紹介したいと考えると、話し方もおのずと変わってきます。石鹸もただ売ろうと考えるのではなく、「いいものを使ってもらいたい」という思いを届ける。日用品だって作られている背景が楽しいと、使っている人の気持ちも豊かになると思っているので。

ーーーそういった思いを感じ取れるからこそ、Savon de Siestaの石鹸は人々に笑顔をもたらしてくれるのですね。附柴さん、本日はありがとうございました!

〜取材を終えて〜
少女のような眩しいほどの透明感と、女性としての凜とした美しさを併せ持った附柴さん。「どうしたら、私も附柴さんのような人になれるかしら?」なんて、思わず夢見てしまうほど素敵な方で、わずかな時間であっという間に虜になってしまいました。ゆっくりとお風呂に浸かりながら、Savon de Siestaの石鹸の香りに包まれる。そんな贅沢な時間を愉しめるような女性になろうと、ひそかに心に誓いました(笑)。(手紙社 藤枝梢)

【もみじ市当日の、SAVON de SIESTAさんのブースイメージはこちら!】

たくさんの香り高い石鹸たちと、キラキラ笑顔の附柴さんが出迎えてくれます!