ジャンル:ILLUST&DESIGN

TAKAHASHI AYACO

【TAKAHASHI AYACOプロフィール】
「どこの風景」という、はっきりとした答えがあるわけではないのに、なぜか既視感を覚えてしまうTAKAHASHI AYACOさんのイラストレーション。カメラのファインダー越しに覗いたかのように切り取られた1シーンは、在りし日々のような懐かしさと、まだ見ぬ近未来のような目新しさが、当たり前のように共存しているから不思議です。柔らかく豊かな感性を持った彼女の頭の中を盗み見るかのごとく、今日も私はその絵を眺めるのだ。
http://takahashiayaco.tumblr.com/

【商品カタログ予習帳】
ハンドメイドバッグ

ポストカード

ハンドメイドバッグ

ハンドメイドバッグ

ハンドメイドバッグ

版画作品

wax paper bag

額絵(A5サイズ)

ラッキーブローチ

ラッキーブローチ

ラッキーへアゴム

ラッキーへアゴム

【スペシャルインタビュー「心の趣くままに描くこと」】
今回、初めてもみじ市に参加するTAKAHASHI AYACOさん。その胸中はいかばかりか、担当の藤枝梢(手紙社)が伺ってきました。

唯一飽きることのなかった絵を職に

ーーー“絵描き”として活動されているTAKAHASHIさん。やはり、幼い頃から絵は身近な存在だったのでしょうか?
TAKAHASHI:そうですね、小さい時から絵を描くことが好きでした。当時はご飯の後にテレビを見ながら、カレンダーの裏に他愛もない落書きをしたり。特別な芸術一家というわけではないですが、絵の教室にも通わせてくれました。

ーーーそこから絵の道に進むのかと思いきや、大学では写真学科に通われていたとか……?
TAKAHASHI:高校生の時に写真部に入り、興味を持って写真について学べる大学に進学しました。ですが、在学中に美術館でアルバイトをし始めてから、絵に対する熱がぶり返してきて。フィルム写真の持つ質感が好きで、モノクロフィルムを中心に勉強していましたが、薬品の分量や時間の調整など、現像ひとつとっても工夫の余地がたくさんあり、手順が複雑になります。それが楽しくもあるんですが、少し面倒に感じてしまったんです。思いたったら即座に形にできる絵の方が、自分にはしっくりくると再認識しました。大学卒業後はアルバイトを継続しながら、展示やイベント出店などを続けてきました。子どもの頃からずっと描いていますが、未だに絵だけは飽きないですね。

ーーー絵についての専門的な勉強はせず、すべて独学と……! この経歴だったからこそ、良かった点はありますか?
TAKAHASHI:写真を勉強してから、身の回りにあるものを観察する癖がつきました。どこかに被写体がないか無意識に探したり、構図を考えたり、この習慣は絵にも大きな影響を与えていると思います。また、広告写真にあるデザイン性や、フィルム写真特有のザラザラした質感は、絵で表現したいイメージとして大事な要素になっていると思います。

“ことば”から“絵”へと

ーーーゆるやかなタッチと、言葉では喩えようのない色合いが美しいTAKAHASHIさんの絵ですが、どのように描いているのでしょうか?
TAKAHASHI:メインで使っている道具は、アクリル絵の具です。場合によっては、ステンシルで型を作って転写することも。まず、真っ白な紙に頭に溜まっているイメージや言葉を思いつくまま描いていき、そこから作品にしたいものを掘り起こしていきます。落書きをしていく中で次々と新しいイメージが湧いてきて、本当に描きたいものの原石が出てくると、それだけピカッと光るように感じるんです。ある程度の構図が決まったら、本番の紙に下描きをします。そこから、パッと完成形が見えていることもありますが、ほとんどの場合、下描きの最中でもどんどん変化していきます。心地いいものに向けて調整していく感じで、ある時「これだ!」と決まる瞬間があるんです。完成してみたら、自分でも予想外の仕上がりになっていることも多いですね。

ーーー人や風景、幾何学的な模様など、モチーフとなっているものもバラエティに富んでいますよね。アイディアの源は何でしょうか?
TAKAHASHI:日常の風景や絵や写真、音楽など、あらゆるものに刺激を受けますが、特に「ことば」からインスピレーションを得ることが多いかもしれません。ふいに耳に入ってきた会話や街中にある看板、本の中の言葉、流れている音楽の歌詞など、気になったものはすぐにメモを取るようにしています。写真でいうところの、「シャッターを切る」感覚に近いでしょうか。

気に入った言葉が書き留められたノート。言葉のそばには、落書きのようなスケッチが無数に描かれています。

以前、深夜ラジオを聴きながら作業をしていたら、江利チエミさんの『カモナマイハウス』という曲が流れてきて。この曲を聴いて生まれたのが、曲名からそのままタイトルをつけた「カモナマイハウス」という作品です。実際に歌っているのは女性なのですが、絵に落とし込んでいるうちに、男の子が主人公になりました。

男の子の部屋が描かれたTAKAHASHIさんの「カモナマイハウス」。

変わっていくことを愛おしむ

ーーーもみじ市への出店は初めてになりますが、最初に声がかかった時は、どのように感じましたか?
TAKAHASHI:「どこで私を見つけたんだろう?」と、とてもびっくりしました。お客さんとして遊びに行ったこともあり、すごい方たちが出店しているなぁと思っていたので、「私がもみじ市に!?」という驚きでいっぱいでした。

ーーーもみじ市にいらっしゃったことがあるのですね! お客さんとして見たもみじ市は、どんなイメージでしたか?
TAKAHASHI:「とにかくお客さんがたくさん!」という記憶です。順番を待っているお客さんの長蛇の列が、強く印象に残っていますね。出店者については、幅広いジャンルで、面白い活動をしている方が多いなと思いました。

ーーー今回は出店者として、もみじ市にお越しくださることになりますが、当日どのような作品を持ってきてくれるのでしょうか?
TAKAHASHI:ポストカードや版画、額絵などの紙もの雑貨をはじめ、イラストが入ったバッグやブローチなどもお持ちする予定です。

ーーー紙もの以外のグッズも、豊富なラインナップが揃っているんですね! グッズの製作も、ご自身で行なっているのすか?
TAKAHASHI:はい、プリントや版画などのシンプルなものから、布もののようにミシンを使って縫い合わせる作品まで、全部手作業で行なっています。自分で蝋引きをして封筒を作ったりもします。夜中に手を動かしながら「私は何屋さんなんだろう?(笑)」なんて思うこともしばしばですが、こういう過程も楽しいし、完成した時の達成感は作り手ならではの喜びですね。

ーーーこれこそ、ものづくりの醍醐味ですね。最後に、TAKAHASHIさんが絵を描くときに、大切にしていることを教えてください。
TAKAHASHI:たったひとつですが、心がけていることがあります。それは、描くときに自分にとって“気持ちのいい”絵を描くこと。変にこねくり回したり、「みんなはきっとこういうものが好きだろう」と邪なことを考えてしまうと、自分にとって気持ち悪い絵になってしまうことが多いんですよね。「あの絵良かったよ」と褒められることはもちろん嬉しいけれど、新たな作品を手がけるときは、人からの目線はあまり意識しないようにしています。

他者の嗜好だけでなく、自分に対してもこれといった固定概念を持たないようにしています。昔の絵と比べたり、自分らしいものをと気負うことなく、常にその時々で描きたいと思ったものを素直に描く。生活環境や感情の変化で、描くものもどんどん違くなっていきますが、その変化を大事にしたいと思っています。

ーーーTAKAHASHIさん、ありがとうございました! 夜な夜な自らの手を動かすことで生まれる作品たちを、もみじ市当日に拝見できることを楽しみにしています!

〜取材を終えて〜
今回、初めてお会いしたTAKAHASHIさん。ほがらかなお人柄と、ふんわりとした外見の奥には、揺らぐことのない絵に対する想いがありました。飽き性で、一つのことにのめり込むことがほとんどない私にとって、TAKAHASHIさんの絵に対する姿勢は羨ましくもあり、叱咤されているようにも感じました。TAKAHASHIさんは、自らもクラフトフェアの主催を行なっているので、その点でもプレッシャーを感じますが、初出店のもみじ市が良い思い出になるよう、全力でサポートさせていただきます!(手紙社 藤枝梢)

【もみじ市当日の、TAKAHASHI AYACOさんのブースイメージはこちら!】

ブローチやバッグなど、たくさんのアイテムが並びます!