【TOKIIRO プロフィール】
多肉植物に特化したアレンジを製作する、近藤義展・近藤友美のユニット。2009年より活動を始め、イベントなどの出店を軸にグリーンデザイン、ガーデンデザイン、ワークショップ開催など多岐にわたって活躍しています。多肉植物の力強くも美しいアレンジは、多くの人々を虜に。私(担当:梶)は、今年の5月に小さな寄せ植えを自宅に迎え、毎朝ベランダを覗いて様子を見るのが日課になりました。
http://www.tokiiro.com/
【商品カタログ予習帳】
【スペシャルインタビュー「四季をめぐる、TOKIIROの多肉アレンジ」】
千葉・浦安のアトリエで、TOKIIRO・近藤義展さんに梶みのり(手紙社)がお話を伺いました。
多肉植物との出会い
—— TOKIIRO(季色)というユニットの名前には、どういった意味があるのでしょうか。
近藤 多肉植物は、季節によって色が変わります。冬に向けて紅葉したり、春や秋は花が咲いたり、その季節の温度や日照によって表情を変えます。忙しい毎日の中でも、ゆっくり季節を感じることのできるようなアレンジを提供したいと思って「季色」と名付けました。
——キャリアのきっかけを教えてください。
近藤 親戚のすすめで「八ヶ岳倶楽部」に夫婦で訪れ、園芸家の柳生真吾さんの多肉植物のリースと出会いました。妻は欲しいと言ったんだけど、買わずに、本だけ買って次の日に多肉のリースを作りました。
——友美さんのために?
近藤 そうですね。妻の笑顔が見たい、それだけの理由で作りました。
——それがきっかけで……
近藤 多肉植物の世界に没頭していきました。でも最初はうまくいかなくて、いくつも枯らしてしまったり……。「どうしてうまくいかないんだろう」と、何度も模索して、農家さんに電話して聞いたりしているうちに、少しずつ技術が上がっていきました。あるとき、家の玄関に飾っていたら、ご近所さんから「どこで売っているんですか?」と聞かれて、注文を受けて作るようになりました。
——今は義展さんだけでなく、友美さんも多肉のアレンジを作られていますね。
近藤 多肉アレンジを始めた年に、近所のフラワーアレンジの先生に「多肉のアレンジをガーデニングショー(日比谷公園)に出してみては」と言われて、勧められるがままに出品したらいきなり受賞してしまって。
翌年、妻が「私もやりたい」と言い出したんですね。「僕は多肉アレンジを出すから、友美はお花で出しなよ」と言って二人で出品したら、妻の方がいい賞を取ったんです。多肉のアレンジは他に作る人がいないから賞が取れたとも言えるんだけど、周りはみんな生花のアレンジで出していてライバルが多い中、初心者の妻が銀賞。僕は銅賞でした。
——それだけ友美さんにもセンスがあったということですね。
近藤 授賞式で、夫婦ということに驚かれましたね。そのあとはありがたいことに知名度も上がって、なかなか賞は取れなくなったんだけど……。今でも大きな作品は僕が作っていますが、アトリエの手伝いの傍、小さなアレンジは妻も作っています。
作品が生まれる、記憶と想像
——作品の構想やインスピレーションは、どんなところから生まれるのでしょうか。
近藤 自分が生まれ育った、田舎で見た景色から構想を得ています。山や森、海で得たイメージを、器に絵を描くように、多肉を植えていくのが僕の手法です。小人になってアレンジの中を散歩するような想像を巡らせます。
——確かに、手のひらサイズの小さなアレンジにも物語を感じます。我が家にあるTOKIIROさんの多肉アレンジも、外に出しているおかげで枯れることなく生きています。
近藤 多肉植物はインドアグリーンと思われがちですが、室内と屋外でだいぶ光の量が違うので、多肉は外に出してあげた方がいいのです。周りの多肉が、緑から赤系に変わっていますね。この子は日に当たって元気そうです。
——最近ではニューヨークでワークショップも開催されたとか?
近藤 言葉の説明はあまり要らないな、と感じました。手入れの方法や水やりの頻度などは、翻訳してもらって配りましたが、言葉が通じなくても、寄せ植え自体の楽しさを共有することはできるんですよね。
——これから、海外でもワークショップや展示の機会がが増えそうですね。
近藤 どんどん海外に行きたいですね。地球は丸いから。(笑)
はじめまして、「もみじ市」
——今回のテーマは“ROUND”ですが、どんな作品になりそうですか?
近藤 僕たちの作るアレンジ、鉢は丸いので、丸い鉢をメインで持っていきたいと思います。
——リースはいかがでしょうか。
近藤 そうですね。リースも間に合えば、いくつか持っていきたいです。
——TOKIIROさんにとって初めてのもみじ市、楽しみにしている皆さんへのメッセージをお願いいたします!
近藤 多摩川の河川敷という、ひらけた気持ち良さそうな場所なので、まず自分たちが楽しみたいです。多肉のことはもうみんな知ってくれているから、笑顔のお手伝いができたらなと思います。
——TOKIIRO・近藤義展さん、ありがとうございました!
インタビューを終えて
TOKIIROさんのアトリエに伺うのは2回目でしたが、今回は作家としての経緯を深く聞くことができました。多肉植物への関心と思い入れ、そしてなにより義展さんの「最初は、友美さんの笑顔が見たくて」という言葉に胸を打たれました。もみじ市には初出店となるTOKIIROさん。生き生きとした多肉植物の魅力をぜひ、皆さんの目でも確かめていただきたいです。
【もみじ市当日の、TOKIIROさんのブースイメージはこちら!】
生命力溢れるTOKIIROさんの多肉植物アレンジ。ぜひもみじ市の会場でご覧くださいね!