ジャンル:CRAFT

torikomono 岩田千種

【torikomono 岩田千種プロフィール】
羊毛小物作家。主に鳥を中心にブローチを作成しています。様々な色のフェルトや刺繍糸を使い分け鳥たちの鮮やかな色合いを巧みに生み出し、鳥たちの羽ばたき、休息をしているかのような動きや表情を作り出す感性には定評があります。最近は少し大きめの作品や鳥以外の作品にもチャレンジしているそう。私(担当:並木)はフクロウがたまらなく愛おしい作品です。少し伏し目がちの表情、ふんわりとした羽毛でぬくもりのある瞼。「大丈夫。大丈夫」と応援してもらっているそんな気がしてしまう素敵な作品。
http://torikomono.com

 

【商品カタログ予習帳】

ぼんりしているミミズク

 

羽の長い鳥

 

青い足の鳥

 

ハトのような鳥

 

飛ぶ鳥

 

キツツキのいるバスケット

 

センニチコウのイヤリング

 

センニチコウのイヤリング

 

【スペシャルインタビュー「豊かな想像力が作り出す鳥小物たち」】

様々な鳥たちの小物を製作している羊毛小物作家のtorikomono岩田千種さんに並木裕子(手紙社)がお話を伺いました。

頭に浮かんだイメージを頼りに

ーーー作品を見ると、鳥たちの様々な表情が豊かで、見ていて楽しくなりますよね。もともと鳥は好きだったのですか?
岩田 よく聞かれるのですけど、特に鳥が大好きということはないんです。ただ、小さい時からコザクラインコ、セキセイインコ、十姉妹は飼っていたので馴染みが深かったのかもしれません。鳥たちは心を癒してくれるので、気分転換に散歩して、川や林を歩くこともよくあります。

ーーー作品を見ていると本物かと思うくらいの色合い、表情が繊細です。どのようにイメージを膨らませるのでしょう。
岩田 写真を撮ったりそれを元に製作することはないんです。細かいところは図鑑を見ますが、だいたい勘とか、感覚で。想像して作業していきます。飛び立つ姿なども同じ感じで製作します。前に実物通りに製作したことがあったのですけどうまくできなかったので。

たくさんのドライフラワーの中に羽ばたかせてみました。

 

ーーーすごいですね! 羊毛の色具合も同じく想像ですか?
岩田 そうですね。初めての色は少し試したり図鑑を見たりするのですけど、大体は頭に浮かんだままに羊毛を混ぜて作っていきます。鳥の大きさによって量も変えたり、大体羊毛は数羽分まとめて作ってしまいます。

ーーーすごい想像力ですね。瞳やクチバシも刺繍糸や羊毛で縫っていくのですよね?
岩田 そうですね。こちらも想像して作っていきます。

 

これらを使って作品を作っていきます。

 

羊毛を針で刺してふんわりとさせます。

 

作品制作に対する思い

ーーー昔から小物作りが好きだったのですか?
岩田 そういうわけではないんです。自分で何か作れないかなと思って。たどり着いたのが今の作品で、

ーーー天職に出会えたのですね!
岩田 そうなのですかね。私の中で、作品作りは仕事と同じように考えています。苦しい時も多々ありますが、できる作業を日々丁寧にこなしているので、日々淡々と作業していますよ。

ーーー作品を作るって命を作っているようなものですものね。これはすごい作品を作った! と思うようなことはありますか?
岩田 そこまで思ったことはなかったですが、目を一発で入れられた時ですかね。手の圧力がうまくいかないとなかなかできないのですけどね。

自分のわがままを通してみたい

ーーーもみじ市での構想とかありますか?
岩田 たくさんのお客様が求めてくれるので、最近はブローチやアクセサリーを作ることが多かったのですけど、今回は自分の思うがままに作品を作りたいって思って、今思い出すとこのお仕事を始めた頃は自由に作っていましたし、自分のための息抜きとして自由な気持ちで作りました。

 

鳥たちを上から吊るしたりしています。

 

ーーー今年は3回目の参加ですが、今までのもみじ市を振り返っていかかですか?
岩田 1年目は、右も左もわからず参加したので、あまり楽しいとも辛いとも感じなかったうちに終わってしまった感じです。2年目は、前年と同じような体制で出店したせいか反省点が多い参加になりました。でも大切な経験でした。そして3年目の今年は、その反省をいかして、と言いたいところなのですが、気持ちは日々変化するので、現在はあまり堅苦しい思いはなく、今年は今年のもみじ市を、ただただ爽やかに迎えたいです! とは言うもののやっぱり緊張感はありますが…(笑)

ーーー岩田さんらしい考えでいいと思います。出店者さんそれぞれですからね。
岩田 もみじ市にいらしたお客様にはシンプルにこのイベントを楽しんでもらいたいですし、楽しみにしておられるお客様の気持ちを、明るくするひとつの要因になれたら嬉しいなと思います。

ーーーほんとにそうですね。お客様が喜んでもらえるのが一番ですよね。では、今回どんな作品をお持ちいただけますか?
岩田 鳥のブローチはもちろん。季節柄、秋の花のブローチ、赤い実のブローチなどの植物モチーフのブローチやピアスも持っていきます。千日紅のブローチも持っていけたら行きたいな思っています。

 

秋の花や実のアクセサリーやピン

 

たくさんの鳥のブローチ

 

ーーー楽しみですね。これからの季節に合っているお品物だから、すぐにでも身につけたくなりますよね。
岩田 そうですね。お客様が喜んでくれるのが一番嬉しいですね。その他に展示品になりますが、大きい作品を持って行こうと思っています。

ーーーそれは楽しみですね。どんな作品ですか?
岩田 自分の思うままに、自由に制作しました。今回はインテリアになるような大きな作品を作るつもりです。想像の鳥も作ろうかと思っています。

ーーー楽しみですね。 想像力豊かな岩田さんが想像の鳥を作るなんてどんな鳥たちでしょう? 大きい鳥……考えただけでワクワクしますね!
岩田 はい。ぼんやりと穏やかに眺めてもらえると嬉しいです。

 

今回のために製作した大きな鳥たちがいます。

 

【取材を終えて】

torikomono岩田千種さん。今回の『もみじ市』のブースの構想を教えてくれた時の嬉しそうな笑顔、忘れません。何に対しても真剣に向き合う姿に、私も日頃の行いを恥じるほど岩田千種さんから受け取るものは大きかったです。本人は断言しないのですが、私は天性の色彩の持ち主だと思います。たくさんの鳥たちを見るとそう思わざる得ないのです。
(並木裕子)