【uzuraプロフィール】
千葉県南柏に工房を構え、オーダーメイドで靴を作るuzura。1対1でじっくりとカウンセリングしながら作られる1足は、いつまでも大切に履き続けたい、あなただけの靴として生を受けます。また、手作り靴教室も開催しており、キャンセル待ちが出るほどの人気。もみじ市では、ファーストシューズづくりのワークショップを開催します。初めて地を踏む足には、安全なものを履かせたいのが親心。靴職人が教える、足に優しいファーストシューズを作ってみませんか?
http://www.uzura-village.com/
【商品カタログ予習帳】
『月刊 uzura』記事一覧
7月号 『1人目・影山雅代さん、凛太朗くん(2017年もみじ市にて)』
8月号 『2人目・藤本かおりさん(2014年もみじ市にて)』
9月号 『3人目・加藤休ミさん(2017年もみじ市にて)』
10月号 『4人目・大家さんご夫妻(2017年もみじ市にて)』
【月刊 uzura 7月号】
特集「ファーストシューズを訪ねて」
もみじ市ではファーストシューズづくりのワークショップを行ってくれるuzuraさん。今までのもみじ市でファーストシューズを作られた方のもとにuzuraのお2人が訪ねて当時のお話を伺います。
1人目・影山雅代さん、凛太朗くん(2017年もみじ市にて)
uzuraさんと影山さんの出会いは工房で開催している手作り靴教室でした。4年間ほど教室に通っていましたが、6年前から旦那さんの転勤を機に台湾、そして香港へと移住。もみじ市のことは以前より知っていたものの、タイミングが合わずずっと行けていなかったそう。しかし、昨年妊娠・出産のタイミングで帰国した際に、ちょうどもみじ市があることを知り、最初は「先生に会いにいこう!」という気持ちでもみじ市のホームページを開きました。
ホームページを見ていると、uzuraさんのワークショップがあることを発見! ちょうど出産を控えていたこともあり、生まれてくる我が子のために作りたいと、申し込みくださったそう。予約開始日には、予約フォームがオープンすると同時にエントリーするほどの気合いの入りっぷり。実は、影山さんは以前にもファーストシューズを作ったことがあるそうで、今回で3回目。ただ、我が子のためにつくるのは初めてで、「自分の子のために作ってあげられるというのはすごく嬉しい」と満面の笑みで話してくれました。
ファーストシューズ作りのワークショップは約3時間と長丁場なのですが、完成したときに得られる達成感と多幸感は並々なりません。凛太朗くんの出番はまだ先ですが、あと数ヶ月したら小さな小さな足に纏って歩き出すのかと思うと、今から楽しみです。
4年前のもみじ市でのワークショップに参加されたという藤本さん。きっかけは、Facebook。何気なく見ていた時に流れてきた投稿を読み、気になりもみじ市の公式サイトへ。今までワークショップなどに参加した経験もなく、手先の器用さにも自信がなかったそうですが、内容に惹かれて申し込みました。
おひとりでの参加だったため、不安も大きかったそうですが、当日はひとりでの参加の方が多く、安心してワークショップに参戦できました。「長男が生まれてからというものの、ひとりで集中できる時間がなかったので、久しぶりに没頭できて、すごくリフレッシュしました。」と藤本さん。帰りの電車でもまだアドレナリンが出ていてテンションが高かった、とまで言います。河川敷でのワークショップの気持ち良さと、集中して作業することでの達成感は他では味わえないものでしょう。その年は、革は1種類のみで糸だけ好きな色を選ぶスタイルでした。すでに男の子が生まれていた藤本さんは、水色と黄色の糸を選択。なんとご長男のみならず、妹さんまでこの靴を愛用されたそう。
そして、この靴、中敷の革が左右で違うのです。実は、まだ歩き出さないけれどおめかしに……と履いて行った旅行先で片方を落としてしまったのだとか。足を運んだ場所に問い合わせても見つからず、ダメ元でuzuraさんにご相談したそうです。ご連絡を受けたuzuraさんは工房を探したところ、たまたま1足分だけ革のあまりが……しかも、なくした左足用のものだけ! 奇跡的に出来上がった1足なのです。
藤本さんはワークショップの参加を機に、手芸に目覚めたそう。参加するまでは手先に自信がなかったそうですが、ファーストシューズを作ったことで自信がついたと話します。もみじ市でのワークショップへの参加は新しい可能性を発見できる場でもあるんですね。
現在、5歳になった息子さんは、絶賛反抗期。しかし、この靴をみると可愛かった幼少期を思い出し、どんなにイライラしても許せるそう。写真と同じくらい思い出を記録している1足なのです。
3人目・加藤休ミさん(2017年もみじ市にて)
加藤さんは2017年のもみじ市でのワークショップに参加。実はお子さんのためにつくったわけではないようです。クレヨン画家として活動する加藤さんは、「自分と違う手作業の仕事に触れてみたかった。異文化を体験したかった。」と話します。普段、誰かに何かを教えてもらえることや、言われたことを2〜3時間集中してやることがないので新鮮だったそう。いつもは型崩れしないように、クッションを入れて飾っています。
「ワークショップを終えて、家に帰って改めてみたときに『可愛いーーー!!』と、可愛すぎて食べちゃいたい衝動にかられました。」と今も興奮冷め止らない様子。加藤さんのように“つくってみたい”という思いで参加する方も多いのだとか。お子さん用でなくても気兼ねなく参加できるのは、uzuraのお二人のお人柄もあるのでしょう。
自分で作品を製作しているからこそ、大人数のコミュニティに入るのが苦手なのだそうですが、もみじ市は1回限りなので参加してくださいました。実際につくってみて、作業は違えど、自分の製作リズムは変わらないということを発見。クレヨンで絵を描くときと同じように、縫うリズムがあり、そのリズムはどの作業をしていても崩さなくていいのだなということがわかったといいます。黙々と集中して作業をしたい方にもおすすめなワークショップです。
昨年のもみじ市でワークショップにご参加いただいた大家さん。ご夫婦でのご参加でした。そのときお子さんは1歳手前だったため、履ける期間が短いとは思いつつ、“ファーストシューズといえば記念にとっておくもの”というイメージがあったため、記念に……と思い、ワークショップにお申し込みいただきました。
本当は茶色の革がよかったそうですが、すでに埋まっており、ヌメも女の子らしくていいのでは? と旦那さんチョイスで決定したのだとか。糸の色も今までご紹介してきた3名とは異なり、シンプルな生成り色を使用。ナチュラルな1足が出来上がりました。普段からお子さんにはアースカラーのお洋服を着せることが多いため、この色合わせはしっくりとくる色味です! ご夫婦おふたりで1足ずつ作ったという靴は、最初は旦那さんの方が縫い目がきつかったそうですが、uzuraさんの微調整により、左右バランスのよい靴が完成。おふたりで片足ずつ作る方は、息を合わせることが大事だそうです。
以前より、手紙社をご存知だったという大家さん。もみじ市以外にも手紙社の催事にご参加いただいたことがあるそうで、お家のなかには作家さんの作品が美しく並んでいました。もみじ市にはご家族3人、そしてご友人と参加したそうですが、ワークショップ中はご友人にお子さんを預けて、おふたりで製作。お子さんのこともあってか、急ぎ足で作ったため、uzuraさんの印象にも残っているそうです。「すごく器用な2人組がいると思ったんですよ。すぐ出来上がってましたよね。」と1年前を振り返ります。
お子さんとの思い出だけでなく、ご夫婦の思い出の1ページにもなるuzuraのワークショップ。今年も河川敷にて開催します。河川敷から始まる1足の物語をあなたも紡いでみませんか?
(編集・鈴木麻葉)