未分類

赤畠大徳

【赤畠大徳プロフィール】
三重県松阪市に工房を構える鍛冶屋・「かじ安」の5代目。包丁やスプーン、フォークなどのカトラリーだけでなく、農具の製作や修理、時にはテーブルや椅子、ランプなどのインテリアに至るまで、実に様々なアイテムを生み出している。そんな赤畠さんを語る上で決して欠かすことのできないのが、「血の通ったコミュニケーションを通して包丁をつくる」という揺るぎない信念。インターネットを通した宣伝などは一切せず、心から必要としている人だけに向けて、ときには大胆にときには繊細に鉄を打っていく。“質実剛健”と評するにふさわしい人柄と作品は、一目見ただけでその虜に、一度使えば手放すことができなくなってしまうほどの、力強い魅力を宿している。

【商品カタログ予習帳】
黒打三徳包丁180㎜(全長:約310㎜)
鉄と鋼の両刃の包丁で、利き手に関係なく、お料理全般にご使用いただけます。柄も手づくりです。

黒打パン切り包丁210㎜(全長:約350㎜)
鉄と鋼の両刃の包丁で、利き手に関係なくご使用いただけます。近所の「きりん屋」というぱん屋さんに作ったのがきっかけです。

ステンレス打ち出しフォーク(全長:約150㎜)
ステンレスの丸棒を火床で赤め、金鎚で叩き、形作ります。果物やケーキにどうぞ。

ステンレス打ち出しスプーン(全長:約150㎜)
ステンレスの丸棒を火床で赤め、金鎚で叩き、形作ります。アイスやヨーグルトにどうぞ。

こどもフォーク(全長:約150㎜)
柄は、小さい手でも持ちやすいように、少し太めです。子供の遠足のお弁当用に作ったのが、きっかけです。

こどもスプーン(全長:約150㎜)
柄は、小さい手でも持ちやすいように、少し太めです。子供の遠足のお弁当用に作ったのが、きっかけです。

ステンレス打ち出しバターナイフ(全長:約170㎜)
ステンレスの丸棒を火床で赤め、金鎚で叩き、形作ります。菜切り包丁の様にと作ったのがきっかけです。


『月刊 赤畠大徳』記事一覧

7月号「鍛冶屋の世界を描く-鍛冶仕事を支えるもの-」
8月号「鍛冶屋の世界を描く-包丁の作り方 その1-」
9月号「鍛冶屋の世界を描く-包丁の作り方 その2-」


【月刊 赤畠大徳 7月号】
特集「鍛冶屋の世界を描く-鍛冶仕事を支えるもの-」

オーダーメイドの日」や「もみじ市」、昨年手紙舎 2nd STORYで開催した個展など、いまや手紙社のイベントに引っ張りだこの赤畠さん。クラフト作品を紹介する場合、写真で見せるのが定石なのですが、今回はなんと赤畠さん自らが鉛筆を手に取り、鍛冶屋の世界を取り巻くあらゆるものを描いていきます!

鍛冶仕事を支えるもの

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今月は、赤畠さんが仕事をするうえでなくてはならない“もの”を描いていもらいました。普段から慣れ親しんでいるものだからこそ、細かな部分まで丁寧に表現されています。そして、写真だけでは伝えることができないのが、描く対象に向けられた赤畠さんの想い。まるで鉛筆の線1本1本から、愛情が溢れ出ているよう。先代であるお祖父さんから受け継いだ鎚や、修行時代の師匠の言葉など、長い間大切にしてきたものたちに支えられ、赤畠さんの作品は生み出されているのです。

(編集・藤枝梢)


【月刊 赤畠大徳 8月号】
特集「鍛冶屋の世界を描く-包丁の作り方 その1-」

包丁の作り方 その1

赤畠さんの代名詞ともいえる“包丁”。今回は、包丁ができるまでに素材が変化していく様を描いていただきました!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

鍛接という技術を用い、地鉄と鋼を重ね合わせて全面を一体化させるので、刃の部分を研いでいっても外れたりすることはありません。“鍛える”という字のごとく、熱してから鎚で打つという工程を幾度も繰り返し徐々に形作られていく包丁は、強靭な強さを誇ります。私も実際に包丁を作っている様子を見せてもらったことがあるのですが、高熱の火が燃え盛る火床の近くで作業するので、今の時期は特に汗が止まらないほどの暑さです。そんな厳しい環境の中で出来上がった包丁の原型。この後は一体どのような工程を経て完成するのでしょうか? その答えは次回の記事をお楽しみに!

(編集・藤枝梢)


【月刊 赤畠大徳 9月号】
特集「鍛冶屋の世界を描く-包丁の作り方 その2-」

包丁の作り方 その2

先月号に続き、包丁の作り方をご紹介! 今回は、仕上げから完成までの様子を描いていきます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

適温の状態から鋼を水の中に入れ急冷することで、硬い刃を作りだす「焼き入れ」。加熱の仕方にムラがあると、急冷したときに、鋼が硬くならなかったり、割れたり、歪んでしまうため、包丁全体の温度が均一になるよう火の中で調整する必要があります。その後、鋼に粘りと強靭性を持たせるため、再度加熱する「焼き戻し」を経て、「研ぎ」の作業へ。表裏を均一に削り、最後は鋭い切れ味になるように、手でじっくりと仕上げていきます。木の柄をつけて、自身の作品に名を刻む「銘切り」を行なって完成! ひたむきに心血を注ぎ生まれた赤畠さんの包丁を、ぜひもみじ市でご覧になってください。

(編集・藤枝梢)