【nuitプロフィール】
布花作家のMAHOさんと、刺繍作家のAYUMIさん、2人によるものづくりユニット。「nuit」とは、フランス語で「真夜中」。「夜の闇を彩るように、大切な日々を彩ることができますように」そんな想いが込められています。これまでも「布博」などで数多くのファンを魅了してきた彼女たちが、待望のもみじ市初参加。私(担当:本間)も「koeda」のイヤリングを愛用中。さりげなくも可憐な姿に、つけているだけで気持ちが華やぎます。
http://ooonuitooo.com/
【商品カタログ予習帳】
忘れな草(ネックレス、イヤリング)
スイレンと小花(イヤリング)
ポピー(イヤリング)
クローバー(ピアス)
クローバー(ピアス)
スノーフレーク(ピアス)
スノーフレーク(ピアス)
カーネーション(イヤリング)
カーネーション(イヤリング)
『月刊 nuit』記事一覧
7月号 特集「nuitのはじまり」
8月号 特集「nuitの作品作り」
9月号 特集「オーダーメイドと展示会」
10月号 特集「もみじ市の贈り物」
今年、もみじ市初参加となるnuit(ニュイ)。布花作家のMAHOさんと、刺繍作家のAYUMIさん、お2人によるユニットです。「月刊 nuit」では、その魅力をお届けすべく、これまでの活動について、そしてこれからの活動について、じっくりとご紹介していきます。それでは、はじまりはじまり。
出会いはカフェの一角で
定期的に2人で作業会を開くというMAHOさんとAYUMIさん。本日はその会にお邪魔して、担当・本間(手紙社)がお話を伺いました。初回は、nuitの出会いとはじまりについて。
ーーーお2人はどうやって出会ったんですか?
AYUMI:私の行きつけのカフェで、MAHOさんが働いていたんです。当時は、MAHOさんも私も、それぞれ布花と刺繍で個別に活動をしていたんですよね。
MAHO:個人的にお話する機会はなくて、活動のことは知らなかったんですけど、注文を待つ間に刺繍をされている姿を見て、素敵な方だなぁと思っていました。
ーーーカフェで刺繍なんて素敵ですね。どんなきっかけで一緒に活動を始められたんでしょうか。
AYUMI:ある日、MAHOさんの友人がそのカフェで結婚式を開くことになったんです。元々私はヘアメイクアーティストとしても活動していたので、マスターからの依頼でその式のヘアメイクを担当することに。「アクセサリーはお店の子が担当するから」と聞いていて、それがMAHOさんでした。
MAHO:AYUMIさんもボンネを作ってくれて、そこで初めてAYUMIさんの刺繍と私の布花、お互いの作品を知ることになったんですよね。
AYUMI:その式の後、すぐに私からMAHOさんに声をかけたんです。「一緒にやりませんか」って。元々ウェディングのヘッドドレスを作る仕事を本格的に始めたいなあと思っているタイミングだったので、そこに彼女の作る布花の作品がぴたりときたんですよね。刺繍と布花、まったく手法の違う2つを組み合わせることで、新たな作品が生まれ活動が広がるんじゃないかと思って。
MAHO:まるでプロポーズみたいでした(笑)。突然、「あなたがいいんです」って。
ーーーわあ、それは嬉しい告白ですね(笑)。 それからすぐに活動を?
AYUMI:そうですね。丁度2人で手がけた式から半年後くらいに、展示のお話をいただいて、「そこでnuitの個展をしよう」と決まりました。最初の個展が丁度ウェディングから丸1年後。nuitという名前が決まったのは、個展の2ヶ月ほど前でした。
ーーー「nuit」という名前は、フランス語で「真夜中」という意味だと伺いました。どんな風に決まったお名前なんでしょう?
AYUMI:当時昼間は2人とも別の仕事をしていたので、nuitとしての活動をするのはいつも20時〜24時。作品が出来上がるのが夜中だったんです。そこに「夜の闇を彩るように、私たちのアクセサリーがお客さまを彩ることができますように」という願いを込めて、この名前をつけました。最初の個展のタイトルも、特別な日の前夜をイメージして、「真夜中のハミング」といいます。
nuitのはじまりは、カフェの一角で起こった、まるで運命のような出会いがきっかけでした。さて、出会いの日から約7年。2つの個性の巡り会いによって、これまでどんな作品が生み出されてきたのでしょうか。次回は、nuitの作品がどんな風に生まれてくるのかをご紹介します。
(編集・本間火詩)
《次号特集》nuitの作品作り
布花作家のMAHOさんと刺繍作家のAYUMIさんによるものづくりユニット・nuit。今回は、nuitの作品作りについてお話を伺いました。
2人で作るnuit
ーーーnuitの作品は、お2人のパスワークで作られているんですよね。制作工程を教えていただけますか?
AYUMI:作品によって工程が違うので、一例をご紹介しますね。まずは2人でイメージを話し合って、作りたいものを決めてから、作品に合わせて進め方を決めます。それからMAHOさんが布を染めて、裁断。私がそこに刺繍を施します。それをさらにMAHOさんの手で立体に仕上げてもらって、完成です。2人の間を行ったり来たりしながら、徐々に出来上がっていくんです。2人とも感性が違うので、お互いの手に渡るたびそれぞれのスパイスが加わって、新しい発見がありますね。
ーーー本当に“お2人で作る”作品なんですね。最初に作品を作った時、嬉しかったことや、逆に戸惑ったことはどんなことでしたか?
MAHO:お互い好きな色合いが全然違ったんですよね。AYUMIさんはシックなカラー、私はキッチュな色合いが好きで。
AYUMI:戸惑いもあったんですけど、MAHOさんの染めてくれた布を見て、「こんな色があるんだ!」と新鮮でしたし。
MAHO:キッチュなカラーの布にAYUMIさんのシックなカラーで刺繍が施されるのも面白かったです。
AYUMI:あとは私はそれまで、平面に刺繍をしていて、作品を平面でしか捉えていなかったので、MAHOさんの手で立体になっていくことにすごく感動して、それが嬉しい驚きでした。
アイディアの源は
ーーー作品のモチーフには、どんなものがあるんでしょうか?
AYUMI:生花やドライフラワー、道端に咲く花など花そのものをモチーフにする場合と、映画や本などからイメージを膨らませることもありますね。
ーーー映画や本ですか?
AYUMI:2人とも映画が好きで、映画の中に出てくるモチーフをそのまま形にしたり、登場人物をイメージして作ったり。「主人公がつけていそう」「世界観に合いそう」などと、映画全体の色味に合わせて作ることが多いですね。2015年に開いたnuit5回目の展示では、「NUIT CINEMA PARADISE」という、映画をテーマにした展示にしてみたり。
ーーーこういったモチーフは、どうやって決めているのでしょうか?
AYUMI:いいなと思ったものは写真を撮るようにしています。スケッチはあまりしないですね。
MAHO:絵は描かない……描けないので(笑)。それぞれがいいなと思ったものを持ち寄って、2人で話し合って決めていきます。
AYUMI:普段から2人で映画を観たりするわけではないんですが、MAHOさんが「これはどう?」って案を出してくれる映画は私も知っていることが多かったり。
MAHO:アクセサリーにしたいなと思う作品が似ているというのはありますね。
クラシカルで美しいもの、ポップで可憐なもの、個性豊かなnuitの作品は、2人の手を何度も行き来することで生まれていました。キッチュなものを好むMAHOさんと、シックなものを好むAYUMIさん。2人のパスワークで作られる作品には、互いの個性を引き立て合い、本人たちにも完成するまでどんな仕上がりになるのかわからない、ワクワクがあるといいます。日常の中で出会った花々や、物語から生まれたアクセサリーの数々。お2人も普段から愛用されているそうですよ! 次回は、そんなnuitが作るオーダーメイドアクセサリーと、展示会についてご紹介します。
(編集:本間火詩)
《次号特集:オーダーメイドと展示会》
今回は、特別な日のためのオーダーメイドと、nuitの世界がぎゅっと詰まったスペシャルな時間、展示会についてのお話を伺いました。
nuitとオーダーメイド
ーーーnuitはオーダーメイドの作品作りもされていますよね。
AYUMI:そうですね。7月号でもお話ししたのですが、私がウェディングのヘッドドレスを始めたいと思ってMAHOさんに声をかけたので、活動初期からオーダーメイドの受注をしていました。
ーーー普段の商品とオーダーメイド、それぞれどんな風に捉えられていますか。
AYUMI:普段の商品は、生地や刺繍糸の色の組み合わせなど、作品ごとに風合いが異なるように意識しています。nuitの作品は種類もカラーバリエーションもたくさんご用意しているので、その中からお気に入りの1つを見つけてもらえたらなと。
MAHO:オーダーメイドの場合は「どの糸を使うか、どんな風に染めようか」などお客さまの好みに添うように作っていきます。どちらもお気に入りを見つけてもらえたらいいなと思いながら、別の形でアプローチをしています。
AYUMI:オーダーメイドの時はお客さまの好み以外にも会場のこと、ドレスのことなどいろんな要素が関わってくるので、しっかりとヒアリングすることをとても大事にしています。
ーーーこれまで受けた中で、思い出深いオーダーはありますか?
AYUMI:全部です(笑)。でも特にということで挙げるなら、花嫁さんのヘッドドレスとネックレス、ブーケと耳飾り、旦那さんと息子さんのブートニア、全部を作らせていただいたことでしょうか。これまでヘッドドレスのみの制作が多かったので、全部を作るのは初めてで。ヘアメイクも私が担当していたので、髪飾りの形も合わせて決めたりしていました。
MAHO:AYUMIさんと出会ったカフェでの披露宴だったので、任せていただけることが多くて、色々と相談しながらすごく楽しく作らせていただきました。ご本人もすごく可愛らしい方で、カラフルで素敵な式でした。結成2年後くらいに受けたお式です。
オーダーメイドと展示会
ーーーnuitの個展は、オーダーメイドとも関連が深いと伺いました。詳しく聞かせていただけますか?
AYUMI:そうなんです。元々ウェディングが始まりだったこともあり、初期の頃の個展は「受注のためのサンプルの展示会」というイメージがありました。2013年に開催した「nuitのイギリス展」は、イギリスで見つけてきた1着のウェディングドレスを元に、そのドレスを着た花嫁を連想させるようなアイテムを展開しました。東海を中心に、5ヶ月連続で毎月別の会場を借りて。搬出の日にそのまま次の会場に車で移動したりもしていました(笑)。秋のウェディングシーズンにウェディングを考えているお客様に、じっくりと見てオーダーしていただけるようにと、1店舗ずつの会期は長めに、春から夏にかけての短い期間で巡回していたんです。
ーーー5ヶ月連続……! すごいエネルギーですね。今もオーダーを中心にされているんですか?
AYUMI:実は先月お話しした第5回の展示「NUIT CINEMA PARADISE」の開催前、MAHOさんが出産を控えていたので、オーダーをストップしたんです。
MAHO:その時に初めて「日常で使ってもらうアイテムを作ろう」と作品を作りました。それまでは特別な日のための大きめのアイテムを中心に展示会をしたんですけど、この時は毎日楽しんでもらえるような小さめの商品を展開しました。もみじ市でも、普段使いできる作品をたくさんご用意しますよ。
ーーーお二人にとって、個展とはどういう場所なのでしょうか。
AYUMI:私たち自身がワクワクしたり、楽しい、美しいと思えるもの。その想いを共有する場所であり、可能性を見出す場所です。
nuitを築き上げてきた軸とも呼べる、「オーダーメイド」と「展示会」。特別な日を彩る特別なアイテムと、それを届けるための大切な時間が積み重なって、nuitの作品は生まれてきたようです。そして今度のもみじ市では、nuitの作品を愛用している人にも、初めましての方にも「新たなnuitの楽しみ方」を提案してくださるそう。次回はそんなお話をご紹介します。
(編集:本間火詩)
《次号特集:もみじ市の贈り物》
もみじ市では、自分たちアクセサリーの新しい使い方を“発見”してもらえるような、楽しい提案をしてくださるというnuit。今回は、もみじ市当日に並ぶ作品についてお話を伺いました。
nuitのDISCOVERY
ーーー今回、nuitのアクセサリーの新しい楽しみ方を提案してくださると伺いました。詳しく教えていただけますか?
AYUMI:今回は新作もたくさんご用意しているのですが、作品だけではなく「nuitのアクセサリーを組み合わせる使い方」もご提案します。
ーーー組み合わせる使い方、ですか?
AYUMI:耳に収まるものと、ぶら下がるものを組み合わせたり、左右で違うものをつけたり。「nuitの作品を組み合わせて、新しい楽しみ方を“発見”していただけたら」と思っています。
MAHO:今年の新作は、これまであまりなかった大ぶりなお花も用意しているので、パーティーシーンなどでも使っていただけたら嬉しいです。
ーーーこれまでの作品との組み合わせることもできるんですね。
AYUMI:そうなんです。もみじ市にお手持ちのnuitのアクセサリーを持ってきていただけたら、組み合わせをご提案しますよ。
MAHO:nuit以外のアクセサリーとも組み合わせて使っていただけたら嬉しいので、お気に入りのアクセサリーがあったらぜひ持ってきてくださいね。
ーーーお2人に組み合わせを提案していただけるなんて、贅沢ですね! どんなところから生まれたアイディアなのでしょうか?
AYUMI:私たち自身も、普段よく重ねてつけているんです。耳飾りだったり、ブローチだったり。一つだけ、ということはあまりなくて。それをお客さまにも楽しんでいただけたらと思って今回のご提案になりました。
MAHO:以前お客さまが私たちのブローチを花束のように重ねてつけてくださっていたことがあって、素敵だなぁと思ったこともありましたね。
AYUMI:私たち自身も新鮮でしたね。そうやってお客さまから教えていただくことも多くて、他のお客さまにも伝えていきたいなぁと。価格も少し抑えて、種類をたくさんご用意しているので、集める楽しさを味わってもらったり、お手持ちのアクセサリーと組み合わせて、nuitのアクセサリーの使い方に広がりが生まれたら嬉しいです。
初めてのもみじ市
ーーーいよいよ、初めてのもみじ市ですね。
MAHO:不安です(笑)。初めての出店なので、みなさんに「nuitってなに?」を知ってもらえるようなディスプレイにしたいなと思っています。
AYUMI:nuitは布博に育ててもらったブランドなので、これまで布物が好きな方以外と対面する機会があまりなかったんです。クラフト系のイベント自体、久しぶりの参加ですね。
ーーーそうだったんですね。普段、屋外のイベントは出ないと伺ったのですが、もみじ市に参加してくれたのはなぜでしょうか?
AYUMI:実は何回かお声かけをいただいていたのですが、MAHOさんの出産や私の留学などでタイミングが合わなかったんです。
MAHO:憧れのイベント「出てみたい!」という思いはずっとありましたね。
AYUMI:当時は別の仕事を持っていたのですが、今は2人ともnuitの制作に集中できるので「これからもっと色んなイベントに出てみたい」と思うタイミングのお誘いだったんです。制作はどうしても孤独な作業なので、イベントでお客さんと直接お話できる機会は本当に貴重な機会。やる気にも繋がりますし、お客さんと話すことで新しいアクセサリーのアイディアが生まれたりもします。
MAHO:もみじ市でも、たくさんの方にnuitのアクセサリーを知ってもらえたら嬉しいです。
今年、もみじ市初参加となるnuit。繊細な布花と刺繍が彩るブースは、まるで一面に咲き誇る花畑のよう。一輪一輪花を詰むようにアクセサリーを選ぶ様子を想像しただけで、胸が高鳴ります。当日はディスプレイでもたくさんの“組み合わせ”を提案してくれるそうなので、nuitファンのみなさんも、初めましての方々も、ぜひnuitのブースに足を運んでみてくださいね。
(編集:本間火詩)