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rocaとmego9月号下書き

megoこと牧野潤さんの器の存在を知ったのは、2015年のこと。当時、北海道で開催していた「森のカフェフェス」に出店していただいたのがきっかけでした。

rocaさんから、同じく函館を拠点にしている作家さんということでご紹介があったのですが、その時のお話が「初めて出合ったマグカップに心をつかまれた」、とのこと。rocaさんがお薦めするなら間違いないと思い、「森のカフェフェス」へとお誘いしたのでした。

実際に作品を拝見してみると、とても「感じがいい」のです。気取らず、いつもの風景に似合いそうな佇まい。誠実で慎ましく料理を支えてくれそうな感じ。料理の引き立て役としてテーブルの上の「名脇役」になりそうな存在に思いました。そして、実際に使ってみると、その役割ぶりを実感するのでした。

megoさんの器は手紙舎2nd STORYでも取り扱わせていただいています。そこで、我が家にもmegoさんの器を仲間入りさせてみようと、選んでみることにしました。

たっぷりとしたリムが入った小鉢や豆皿は、和食派の我が家には漬物、和え物に重宝しそう。ぽってりしたマグは、ひと息つきたい時に、心も手のひらも温めてくれそうです。木の蓋つきポットは置いてあるだけで素敵。どれにしようかと迷った挙句、最も心惹かれたのは黒の角プレートでした。正方形の潔い形。お料理が映えそうなマットな黒色。2つのサイズがありますが、気軽に使いやすそうな小さい方を選びました。

以前、megoさんの工房をお訪ねして取材させていただいたのですが、この板皿のシリーズは、土の塊を作り、スライスし、叩いて固く締めながら平らにして形を作り、乾燥もじっくり時間をかけて行うのだそうです。亀裂が入りやすくロスにもなりやすいデザインなのですが、だからこそできた時の満足感も高く、megoさんにとっても思い入れの強い器とのお話でした。

ケーキや焼き菓子などにはとてもよく似合い、平らな面が広い四角いプレートは、盛り付けしたものの周りに十分な余白を作ってくれて、よりおいしそうに、リッチに見えます。以来、朝食の場でも漬物を並べたり、焼き魚を盛りつけたり、夕食には酒の肴に板わさをのせたり、トマトとチーズを重ねてみたりととても重宝しています。

リム皿も使ってみたところ、たっぷりと入ったリムの色が料理を引き締めて、野菜の色が生えてとてもきれい。使いながらふと気づいたのですが、切って盛り付けただけの簡単な料理でさえも、megoさんの器に盛り付けると、品の良いおいしそうな一品に見えるのです。それは、器の大切さを改めて気づかせてくれた瞬間でした。

megoさんのマグカップは、手紙舎つつじヶ丘本店のカフェでも使われています。店で使う器は、あらゆる人が使うし、洗う頻度も多く、扱いやすさが大切なのですが、そんな中でも重宝しています。

大きな四角いプレートがあったら、その上に小鉢や豆皿を並べても素敵そう。そんな、美味しそうな想像も膨らんできて、我が家の食器棚には、megoさんの器が少しずつ増えていきそうです。