出店者紹介,ジャンル:FOOD

Maruyoshi

【Maruyoshiプロフィール】
栃木県宇都宮市にお店を構える「Maruyoshi」。地元、栃木県産の食材だけを使い、イタリアン、パン、お菓子を丁寧に作り、「東京蚤の市」をはじめ、手紙社の大小さまざまなイベントでも、いつも“オイシイモノ”をたくさんの人へ届けてくれています。また、今年11月に、栃木市の東武宇都宮百貨店へ新たなお店をオープンすることが決まっています。食への愛だけではなく、地元への愛、人への愛が溢れている、そんな店主・笠原さんの揺るぎない挑戦に今後も目が離せません。
http://sakaya-cafe-maruyoshi.org

【Maruyoshiの年表・YEARS】

【Maruyoshi・笠原さんインタビュー】
「全てが転機とも言える出来事ばかりでした」とおっしゃる笠原慎也さん。年表を見ると、酒屋さんから始まり、現在は飲食店の経営、イベントへの出店、ブランドのプロデュースなど、毎年驚くほどたくさんの事を行なっていました。そんなMaruyoshiの笠原さんに担当・木村がお話を伺いました。

みんなと違うことをしたくて大阪に

ーーー料理の道に進んだ理由はありますか?
笠原:きっかけは特に覚えてないんですよね。とにかく人と違うことをやりたいと漠然と思っていて、気がついたら料理の道に。みんなが東京なら俺は大阪だ、みたいな。

ーーーまさか、そのような理由だとは思いませんでした! それから大阪で就職された後、地元の栃木県に戻られていますね。
笠原:父が病気で倒れ、家業のマルヨシ酒店を閉めようという相談があり、戻ることを決意しました。初めの1年は酒屋としてお店を切り盛りしていましたが、2年目から店内の一角にテーブルと椅子を置いて、ケーキとコーヒーを提供し始めました。

ーーー酒屋さんにケーキとコーヒー! 新しくて良いですね。
笠原:珍しいですよね。ケーキはほんと1種類か2種類くらいから始めて、近所の奥さまたちがホールで買ってくれるようになって、徐々に範囲を広げていった感じですね。ただ場所が場所だけに、簡単な道ではなかったですけどね。

ーーーそこに“美味しい”があるからこそ、お客様が集まるんだと思います。それから、酒屋さんというより、カフェの方へ業態を少しずつ変えていった形ですか?
笠原:酒屋もやりながら、カフェも続けました。これが「サカヤカエフェ マルヨシ」の始まりです。

ーーーそれからカフェが中心になって、4年後「クッチーナベジターレマルヨシ」に! 規模も大きくなっていますね。
笠原:規模拡大と言うよりは、自分がやりたい方へと自然にシフトチェンジしていった感じですね。

転機となる「第1回森のカフェフェス in ニセコ」への出店

ーーーそれから「第1回森のカフェフェス in ニセコ」に参加してくださっていますね。

笠原:手紙社さん主催の「第1回森のカフェフェス in ニセコ」に出店させていただいたことは、ひとつの転機でした。出店していた、栃木県鹿沼市でのマルシェに手紙社の代表・北島さんがお越しになっていて「そこで北海道来る?」と声をかけていただいたのを今でも思い出します。

ーーー北海道となると距離的にも大変な部分があると思いますが、そのあたりはいかがでしたか?
笠原:そうですね。移動も含めると日数もかかるし、やはり遠いので迷いました。ですが、映えある“第1回目のカフェフェス”にお呼びいただけた名誉を受け止め、思いきって参加させていただくことにしました。

ーーー勇気のいる決断だったんですね。実際、どうでしたか?
笠原:当時のスタッフと家族を全員連れて、気合いを入れて臨みました。ご飯が炊けなかったり、発電機が動かなかったりトラブル満載だったんですが、すごく楽しくて。そこで色んな仲間とも出会い、とにかく打ち上げが最高でしたね(笑)。北海道のみなさまも、普段行けないお店が集まっているので、とても喜んでいました。そして、まさかの栃木からのお客さまもいらっしゃっていて驚きました。

「第1回森のカフェフェス in ニセコ」Maruyoshiさんのブース

ーーー栃木からのお客様は、Maruyoshiさんに会いに遥々来られたのですか?
笠原:うちでチケットを買っていただいての来場でした。2回目以降も定期的に来てくださっていて、とてもありがたかったです。

ーーーそれは嬉しいですね。お店での営業とイベント出店では、何か違う点はありますか?
笠原:取り組み方は基本的には一緒ですが、イベントで知っていただいた方が最終的にお店にきてくれるという様になるのがベストだと思っているので、できる限りお店の雰囲気を出せるようにメニューもブース作りも気をつけています。

ーーーイベントごとに、いつもメニューを変えられていますよね。
笠原:普段お付き合いのある農家さんから仕入れる野菜や果物だったりが季節で変わるので、「どうやったらうまく使えるかな」といつも考えながらメニューを考えています。お店を続けることで繋がっていった農家さんとの、信頼関係もあり、この方の素材を使いたいという思いが増えていった感じです。ブース作りに関しては、例えばりんごを使ったメニューであれば、ずらっと並べたりんごの奥で、焼いている姿が見えるようにブースを作ったりしています。

新店舗のオープン

ーーー地元の方々とのお仕事もたくさんされていますね。
笠原:農家さんとのお付き合いもあり、地元でのお仕事も増えていきました。地元の生産者の方と協力して立ち上げた「ZUTTOキヨハラ」では、元々主宰の山口果樹園さんとのお付き合いがきっかけで、周辺の農家さんの生産物を使いピクルスを作りたいという要望をいただき、監修をしました。

ーーーそして、今年の8月には栃木県栃木市で新店舗をオープン!
笠原:東武宇都宮百貨店栃木市役所店です。こちらではデリカデッセンとして、お惣菜を中心に販売をしています。instagramも開設しました!

「Maruyoshi04DELI」のお惣菜

ーーーinstagramさっそく拝見しました。とても美味しそうで、食べたくなってしまうので夜は見ないようにしています(笑)。そして、今年もすごい活動量ですね。
笠原:そうですね。今年の10月から会社になって、それに伴い人や機会も得るようになりました。新店舗もオープンして、本当に今年はチャレンジの年ですね。

ーーー新しいことに果敢に挑戦する姿に圧倒されます。今年のもみじ市は、どんなメニューが披露されるのか楽しみです。本日はありがとうございました。

《インタビューを終えて》
自分のやりたいことにシフトしていったとおっしゃる笠原さん。ですが、きっとそれは人の想いや期待に応えたい気持ちが、誰よりも強いからではないかと、お話を聴きながら、そう感じました。身近な人を大切にする姿勢と熱意、そして料理の腕を見て、さらにたくさんの人が一緒に何か取り組んでみたい! と思う、その姿。今年のもみじ市も盛り上げてくれること、間違いありません。Maruyoshiを知った方は、ぜひ栃木県の2店舗にも足をお運びくださいね!

(手紙社 木村朱里)