【mado cafeプロフィール】
「このカフェに行けば、絶対に美味しい幸せを感じられる」。私(担当:富永)がそんな言葉を添えて知人におすすめしているのが、愛知県岡崎市にある「mado cafe」です。柴田真史さん・友香さんが生み出す洗練された空間と絶品メニューの数々が、これまでたくさんの人を虜にしてきました。素材の味をしっかりと楽しめるフードメニューはもちろん、他とはひと味もふた味も違うあま〜いおやつも見逃せません。一口食べれば心が踊る最高の一品を、もみじ市の冒険で味わってみてくださいね。
http://madocafe.jp
Instagram:@madocafe_
【mado cafeの年表・YEARS】
【mado cafe・柴田真史さん、友香さんインタビュー】
愛知県を代表する喫茶店といえばこのお店。今年で11周年を迎えた「mado cafe」の歩みはどのようなものだったのでしょうか。もみじ市の元気印でもある柴田真史さん、友香さんご夫妻に、担当の富永琴美がお話を伺いました。
ふたりの思いが詰まった「mado cafe」
ーーーおふたりの出会いはどのようなきっかけだったのですか?
真史:ふたりとも、同じカフェに入社して一緒に働いていたんです。お互いカフェ巡りが趣味だったことをきっかけに、お付き合いが始まりました。
ーーー年表では、お付き合いをはじめてから2年後にはお店を出す決心をされたとありますが、すごいスピード感ですね!
真史:たまたま僕の実家のとなりに畑があって、そこの土地を使ってみないかという話が来たんです。お互いに「飲食店がやりたい」と思っていたので、即決でした。 22〜23歳くらいの頃に決めて、2年後のオープンのときは24〜25歳くらい。若いエネルギーでしたね。
友香:考えるよりも先に「やるっ!」っていうエネルギーがありました。本能でビビっときたら実行に移しちゃう。
ーーーオープン準備の2年間はどうでしたか?
真史:設計士さんに相談して良い大工さんを教えてもらったんですが、かなり多忙な方で、実際の作業にとりかかるまでの時間がすごく長かったんです。その間に家具などを選んだりして。
友香:施工が始まってからは、私たちも一緒にペンキ塗りなんかをやらせてもらいました。
ーーーおふたりの思いがたくさん詰まった空間なのですね! オープン当初の反応はどうでしたか?
真史:しばらくは苦しい時期が続きました。ホームページもなく、店をはじめて告知らしい告知をしていなかったので。オープンから数ヶ月は近所の人や、通りがかりで立ち寄る方などで賑わったのですが、しばらくすると全然来なくなって。そこからなんとか1年やって、ランチで提供していた和食のご飯が人気になってきたので、それをメインにするようになりました。
ーーー2011年に「手紙社代表北島氏来店」とありますが、おふたりにとってこれはどのような出来事だったのでしょうか。
真史:事件でしたね。お店に入って来たとき、ショップカードのコーナーを物凄くじっくりと見ていて、怪しい人だなって一瞬思いました(笑)。でもウェブで北島さんのインタビューを読んだことがあったので「もしかして、手紙社の人かも!」と気づいたんです。
友香:お店の準備期間に、北島さんが編集長をされていた「自休自足」を読んで、掲載されているお店に憧れを持っていたので、とても嬉しかったです。「自分たちの世界がやっと認められたんだ!」って頑張る力が湧いて来ました。このときからグッとやる気スイッチが入ったんです。
ーーー手紙社と初めて関わったのはインベントかと思い込んでいたのですが、お店のDM制作だったんですね!
真史:北島さんがお店に来てくれたあと、「なにか手紙社さんと一緒にできたらな」と思って東京のお店まで相談しに行って、オープン3周年のDMを作ってもらいました。そのときにイベント出店のお話もして、「第1回 カフェ&ミュージックフェスティバル」に誘ってもらったんです。
友香:他の出店者も憧れのお店ばかりだったので、とても嬉しかったです。イベント当日は、お客さんや会場の空気感がとてもよくて、出られて本当によかったと思いました。
ーーーはじめてのイベント出店では、どんなメニューを出されていたんですか?
真史:時間によって内容を変えていたんです。朝は小倉トーストを出して、午後は出汁巻やおにぎりを出していました。
ーーー最近のイベントのメニューは、クレープやオムライスの印象が強いですが、和風のごはんも出されていたんですね。
真史:オープン当初から、お惣菜と野菜だけのワンプレート「マドごはん」が定番メニューで、イベントにも出していました。でも、何年か作り続けていくうちに「これしか作っていないな」と思って。なんとなく苦しくなってきたんです。
友香:「喫茶店がやりたい」という気持ちが強くて、途中でメニューをガラッと変えました。喫茶店に昔からあるようなものを、“mado cafe風”に仕上げたものを提供しています。
真史:でも実は、今年からまた「マドごはん」が復活したんです。なるべく作り手がわかる地元の野菜や果物、旬の食材を使って、季節を感じられるものを出せたらと思います。
愛知の喫茶店の星が、もみじ市へ
ーーー2013年にもみじ市初出店ということですが、当時のことは覚えていますか?
真史:初めてのもみじ市は、1日目が河川敷開催で、2日目が雨で会場を大移動した時だったんです。あれを経験したら、もうなんだってできるんじゃないかなと思います。
友香:2日目は大変すぎて記憶が飛んでるもんね(笑)。
真史:大変だったんですけど、「ついにここまで来た」っていう感動もありました。選りすぐりの出店者が集まる場所なので、全員の名前が紹介される朝礼のときに僕たちの名前が呼ばれたことがとても嬉しかったです。
ーーーもみじ市はどんなイベントだと思いますか?
友香:もみじ市は、会場の一体感みたいなものがすごくある気がします。同じものを好きな人が来て、楽しんでいる。お客さんはもちろん、出店者も楽しいんですよね。
真史:僕はお客さんが河川敷から帰っていく感じも好きです。幸せな空気に包まれた会場から帰っていくお客さんの背中を見送りながら、「今年も出店できた」という喜びを噛み締めています。
ーーー私も、河川敷からお客さんを見送る時間はとても好きです。「また来年、もみじ市で会いましょうね」って、心の中で背中に語りかけています(笑)。
友香:もみじ市は、ボランティアスタッフさんとの出会いも思い出深いです。今うちで働いている子も、ボランティアスタッフをしていたんですよ。もともと名古屋に住んでいる子で。お店にもよく来てくれていました。
ーーーそれはすごい! もみじ市はそんな出会いを生んでいたのですね。
真史:もみじ市で出会った出店者仲間もたくさん増えました。イベント後に店まで遊びに来てくれたりして、とてもいい縁を結んでもらって有難いなあと思っています。
これからも、自分たちらしく
ーーーおふたりが大切にしていることはありますか?
真史:自分たちは食事を出していますが、それ以上に “時間”を提供しているんだと思っています。料理やドリンクは、自分の時間を楽しんでもらうためのひとつのツールになるだけで。読書したり、ぼーっとしたり、おしゃべりしたり。思い思いに過ごしてもらえたらなって思っています。
ーーーお子さんが誕生してから、何か変化したことはありましたか?
真史:目線がかわりましたね。大変なこともありましが、すっごく楽しいです。
友香:疲れが飛ぶよね。子供が産まれたらイベント出店できないかなとか、仕事が制限されるかなとも思ったけど、家族の協力もあって、店も生活も楽しみながらできていると思います。
ーーー12年活動されてきて、大変だったことはありましたか?
真史:やらかしちゃうことはしょっちゅうだけど、あんまり「大変」って感じたことないかもしれないです。皆さんに支えられて、なんとか楽しくここまで来られた気がします。
友香:mado cafeが10周年のときに、1日1組スペシャルゲストを呼んで「マドとみんなでお祝い喫茶」という企画をしました。ものすごくバタバタで忙しかったのですが、毎日違う人に会うことができて本当に楽しかったです。やっている最中は大変だったかもしれないけれど、終わったら不思議と「また来年もやりたいね」と思うんですよね。
ーーーおふたりの人柄があるからこそ、たくさんの人が集まり、「みんなで楽しいことをしよう!」という空間が作れたのかもしれませんね。これまでの活動を振り返って、いかがですか?
真史: 10周年のときも思いましたが、本当に感謝しかないです。お客さんに来てもらわないと続かない商売なので、ここまでやってこれたことに心から幸せを感じます。
ーーーこれから、やってみたいことがあればぜひ教えてください!
友香:ちっちゃいことはいっぱいあります! また10周年みたいにゲストを呼ぶ企画はやりたいです。あとは、なかなか会いに行けない人に会いにいけたらいいなあ……。
真史:安定の「mado cafe」でこれからもやっていきたい! 軸がブレないように。やりたいことはとつぜん降りてくるかもしれないので、それまではできることを丁寧にしていきたいですね。
《インタビューを終えて》
インタビューの最中何度も「たくさんの人に出会い、支えられてここまでこられた」と話していた真史さんと友香さん。そんなおふたりもまた、もみじ市を支えてくれるかけがえのない存在です。当日は、おなじみのメニューを持って河川敷へ! 丁寧に丁寧に作られるクレープを一口頬張れば、きっと誰もが「ああ、この味に出会えてよかった」と幸せな気持ちに包まれることでしょう。家族も増え、さらにパワーアップを重ねる「mado cafe」に、どうぞご注目ください!
(手紙社 富永琴美)