出店者紹介,ジャンル:FOOD

ヘブンズテーブル(14日)


【ヘブンズテーブルプロフィール】
毎週金曜日、午前11時半。埼玉県、川口駅から7分ほど歩いた住宅街の一角に、ひっそりと行列が生まれます。人々を惹きつけるのは、香ばしいパンの香り。その香りの主こそ、ヘブンズテーブル店主・トミヤマトモミさんの作る自家製酵母パンに他なりません。野菜、果物、お茶にお米、さまざまな素材の酵母を使った風味豊かなパンは、一度食べたらやみつきになること間違いなし。私(担当:本間)は、毎年冬に販売するシュトーレンを今から心待ちにしています。もみじ市ではパンの販売の他、四季折々の食材を活かしたフードメニューや、酵母を使ったドリンクも楽しむことができますよ。“自家製酵母クイーン”と名高いトミヤマトモミさんと、もみじ市の応援歌を歌うカズヤスマキさん、お2人のベストコンビネーションは、第1回のもみじ市から人々のお腹と心を満たし続けています。
https://heavenstable.web.fc2.com/heavenstable/


『月刊 ヘブンズテーブル』記事一覧

7月号 特集「ヘブンズテーブルと台湾」
8月号 特集「烏龍茶酵母を求めて」
9月号 特集「完成! 烏龍茶酵母パン」


【月刊 ヘブンズテーブル 7月号】
特集:ヘブンズテーブルと台湾
もみじ市12回目の出店となる、ヘブンズテーブル。新たな可能性を探求し続ける彼らが、今最も注目しているのは「台湾」でした。

夕餉の時間。埼玉県川口市にあるアトリエに取材に伺った私(手紙社・本間)を迎えてくれたのは、トミヤマトモミさん、カズヤスマキさんのお2人と、ずらりと並ぶ台湾料理。

最奥から、苦瓜と煮干しの豆豉(※)炒め、皮蛋豆腐、牛肉とモヤシの辣油和え、干し大根のオムレツ ※豆豉…台湾の調味料。黒豆に塩を加え、発酵させたもの

ここにある料理は、全てトモミさんのオリジナルレシピ。台湾で実際に口にした料理を再現したものだそうです。これまでも手紙社のイベント「東京蚤の市」で台湾料理を披露してくれたり、肉まんの商品開発に携わったり……と何かと台湾に縁深いヘブンズテーブル。その縁は、どこから始まったのでしょうか?

台湾と私

取材の日、素敵な料理を振舞ってくれた、ヘブンズテーブル店主・トミヤマトモミさん

17、8年前、初めて台湾を訪れてから、今では1年半〜2年に一度は台湾を訪れるというトモミさん。そのきっかけは、自身で開いていたパン教室の生徒である、1人の台湾人の女性との出会いだったそうです。

「ある時パン教室に『外国人だけど参加できますか?』と台湾の方から問い合わせが来たんです。その後、実際にパン教室に参加してくれて親しくなり、一緒に台湾に行きました。彼女に面白さを教えてもらってから、すっかり台湾にハマってしまったんです」

曰く、台湾の魅力は、ずばり「食べ物」。食事をするところがとにかく多く、どれもとても安くて、しかも夜遅くまでお店が開いているのだとか。料理教室を開いているトモミさんでさえ「台湾にいると料理をしなくてもなんとかなってしまうんですよね」と言うのだから驚きです。

トモミさんが見せてくれた、「金針菜(キンシンサイ)」と呼ばれる、食用の乾物。百合の花を乾燥させたもので、日本では見られないが、台湾ではよく使われているそう。シャキシャキとした食感が楽しめる

「台湾は野菜の種類が豊富で、フルーツもすごく味が良い。特に野菜は、素材の質だけじゃなく使い方もすごく上手いんですよね。塩や醤油だけのごくシンプルな味付けなのに、とても美味しいんです。」

台湾料理はよく“中華料理”と混同されがちですが、実は全くの別物です。中華のように辛い料理はあまりなく、シンプルな味付けが殆どだそう。「世界一のパン屋」と呼ばれるお店も、実は台湾にあるのだとか。美食の国、台湾。なにやら奥が深そうです。

目指すは、烏龍茶酵母

そんなヘブンズテーブルが、今年のもみじ市のテーマ“DISCOVERY”に向けて、定めた目標は「“烏龍茶酵母”の発見」。これまで紅茶やほうじ茶から酵母を作ってきたヘブンズテーブル。しかし烏龍茶は案には出ていたものの、実行されたことはなかったのだそうです。カズヤスマキさんは「『DISCOVERY』(=発見)というテーマを受けた時、馴染みはあるけれど、今までやったことのないことをやってみたい、と思ったんです」と意気込みます。上手く酵母が作れるのかどうか、そしてその酵母がパン作りに適しているのかどうかは、まだわかりません。果たして烏龍茶酵母は見つかるのでしょうか? ヘブンズテーブルが烏龍茶酵母を探す旅が、ここから始まります。

(編集・本間火詩)

次号特集:烏龍茶酵母を求めて
次回はなんと、実際にトモミさんが烏龍茶を求めて台湾へ!? 理想の烏龍茶を探す旅の記録をお届けします。


【月刊 ヘブンズテーブル 8月号】
特集:烏龍茶酵母を求めて
「台湾」に注目するヘブンズテーブル。今月は店主のトミヤマトモミさんによる台湾の旅をお届けします!

6月の終わり、ヘブンズテーブル店主・トミヤマトモミさんは、新たな酵母を生み出すべく、「烏龍茶」を求めて台湾を訪れました。

今回の旅の目的は2つ。1つめは、「烏龍茶酵母」の元となる烏龍茶を探すこと。そして2つめは、「世界一のパン屋」を訪れることでした。まずは一番の目的、様々な茶葉を扱う店を巡り、理想の烏龍茶を探します。

お茶問屋では、様々な種類の茶葉がずらりと並び量り売りされています。こちらは元々トモミさんが好きだったという「東方美人茶」の茶葉。ふわりと紅茶のような甘い香りが漂うお茶です。
こちらは「高山茶」の茶葉。緑茶に似た風合いで、ころんと丸まった茶葉が印象的です。

 

発見! 理想の烏龍茶

めでたく烏龍茶酵母の元として採用されたのが、台湾のお茶屋さん、「Wolf Tea」の茶葉。今年5月、「東京蚤の市」の台湾エリアで販売されていた茶葉を購入したところ、とても美味しかったため「今回の旅では必ず立ち寄ろう」と決めていたそうです。

台湾茶は、発酵具合で「緑茶」「白茶」「黄茶」「青茶」「紅茶」「黒茶」などと呼び名が変わるそう。日本で「烏龍茶」と呼ばれているのが、「青茶」にあたります。発酵を途中で止め、半発酵茶と呼ばれる青茶の発酵具合は、15~70%と幅広く、それぞれに風味が異なるのだとか。その中からトモミさんが選んだのは「東方蜜美人」と「悠韻烏龍」という2つのお茶。「東方蜜美人」は先ほどご紹介した「東方美人茶」にあたり、発酵度が高く甘い蜜のような香りが楽しめます。「悠韻烏龍」は「高山茶」の仲間で発酵度が低く緑茶のような風合いのお茶なのだとか。

「Wolf Tea」の茶葉を使うことにした決め手は、茶葉がとても丁寧に作られていて、実際に試作をしてみても、酵母の元気さが他とは全く違ったからだそう。旅の目的1つめ、無事に達成です!

(写真・千葉祐子)

世界一のパン屋

7月号の取材で伺った「世界一のパン屋は実は台湾にある」というお話。今回は旅の2つ目の目的地にその「吳寶春麥方店」を訪れました。実はこれまで、台湾でパン屋へ行こうと思ったことはほとんどなかったというトモミさん。今回はもみじ市での新作・烏龍茶酵母パンを作るにあたって、研究のため初めて“世界一のパン”を口にしました。

こちらが“世界一のパン屋”のパン。なんと手前2つは人の顔よりも大きいという大ボリュームです。今回注目したのは、写真右にある梅とナッツのパン。「梅を合わせたパンは初めて食べました」というトモミさん。ここから何やら新作へのヒントを得たようです。

2泊3日の台湾仕入れ旅行。茶葉も手に入れ、新作への手がかりも掴み、収穫は十分です。いよいよここからもみじ市へ向けて、試作づくりがスタート! どんなパンを届けてくれるのか、今から楽しみでなりません。

(編集・本間火詩)

次号特集:完成! 烏龍茶酵母パン
次回は実際に烏龍茶酵母を使ったパンの試作の様子をお届けいたしますよ。果たしてどんなパンが出来上がるのか、乞うご期待です!


【月刊 ヘブンズテーブル 9月号】
特集:完成! 烏龍茶酵母パン
台湾への旅で“理想の烏龍茶”を手に入れたヘブンズテーブル。今回はいよいよ、烏龍茶酵母パンがお目見えです。

前回の台湾旅行で出会った烏龍茶「東方蜜美人」と「悠韻烏龍」。旅から2ヶ月、無事に烏龍茶酵母が完成したようです! 今回はそれぞれを元にした、2つのパン作りの様子を担当・本間が密着取材しました。果たして、2つのお茶からはどんなパンが出来上がるのでしょうか?

左が「東方蜜美人」、右が「悠韻烏龍」で作られた酵母。茶葉の周りに白く集まった泡からも、良く発酵しているのがわかります。
奥が「東方蜜美人」、手前が「悠韻烏龍」を用い、1次発酵を終えたパン生地。手前の生地がほんのりと緑がかっているのは、酵母に使ったお茶の色が出ているからなのだとか

「東方蜜美人」-梅とナッツ

まずは東方蜜美人酵母を用いたパン作りから。台湾旅行で出会った“世界一のパン屋”のパンから着想を得て、生地にカシューナッツと梅を混ぜ込んでいます。入っている梅は、夏にシロップ作りをした際に漬け込んだもの。濃厚な味わいが楽しめます。

1次発酵を終えた生地は、まとめて型へ。1時間程度の2次発酵を終えると、しっかりと膨らんだ生地が現れました。

型から出した生地に、切り込みを入れていきます。柔らかな生地は、まるで花が咲く瞬間のようにはらりと開き、思わず見とれてしまうような優雅さです。「綺麗に開くのは、良く発酵している証拠」なのだとか。オーブンに入れれば、東方蜜美人酵母のパンの仕込みは完了。後は焼き上がりを待つだけです。

「悠韻烏龍」-緑豆あん

次は悠韻烏龍酵母を使ったパン作りの様子をご紹介。こちらは生地自体には何も混ぜず、パンの中に「緑豆」で作った緑豆あんを入れていきます。

1次発酵を終えた生地は、パン1つに使う分量ごとに生地を分け、小さく丸めていきます。

全てを丸め終わったら、あんこを詰めて成形していきます。今回用いるのは、台湾で良く食べられているという「緑豆」を使った緑豆あん。鮮やかな黄色が食欲をそそります。

平たく伸ばした生地の上に、1つひとつあんこを乗せて、見事な手捌きで包んでいきます。全てを包み終えたら、2次発酵へ。ふきんを被せてしっかりと休ませます。

2次発酵を終えると、ツヤツヤと滑らかな生地が現れました。天辺にゴマをちょこんと載せて、こちらもオーブンへ。

完成! 烏龍茶酵母パン

いよいよ烏龍茶酵母を使った2種類のパンが焼き上がりました!

まずは東方蜜美人を使った、「台湾茶と梅とナッツ」。ふっくらとしたドーム型に焼きあがったパンは、表面はパリッと、中はしっとりとして、ぎゅっと生地が詰まった食べ応え抜群の一品です。断面から覗くのは、生地に混ぜ込んだ梅とカシューナッツ。梅の甘味が生地に移り、ほんのりと甘く、食事にもぴったりな飽きのこない美味しさです!

続いて悠韻烏龍を使った「台湾茶と緑豆あん」。こちらはヘブンズテーブルファンのみなさまにはおなじみの、おやきのような平たい円形をしています。香ばしくカリッと焼かれた表面のパンを割ると、中からは鮮やかな黄色の緑豆あんが登場。主張が強すぎない、程よい甘さの緑豆あんは、生地のさりげない酸味ともマッチして、ほっと心安らぐ味わいです。

無事、烏龍茶酵母を“DISCOVERY”したヘブンズテーブル。スープや他のお料理と一緒にも楽しめる、毎日食べたい「台湾茶と梅とナッツ」と、絶妙な甘みと酸味のハーモニーがたまらない「台湾茶と緑豆あん」。もみじ市で初お披露目する新作・烏龍茶酵母パン2種、どちらも見逃せません。ぜひ当日、実際に味わってみてくださいね。

(編集・本間火詩)

次号特集:台湾料理を召し上がれ
もみじ市ではパンの販売の他、毎回美味しい料理を用意してくれるヘブンズテーブル。次回は、もみじ市のお供にぴったりな、ヘブンズテーブルオリジナルの台湾メニューをご紹介します!