ジャンル:CRAFT,出店者紹介

SAVON de SIESTA

【SAVON de SIESTAプロフィール】
北海道・札幌市でスキンケアアイテムを作り、届けるSAVON de SIESTA。一つひとつ手作りされた石鹸は、ころんと手のひらに収まる形が愛らしく、つるんと滑らかな表面にはうっすらとグラデーションがかかっていて、惚れ惚れと眺めてしまいます。泡立てるとふわっと広がる香りが、泡と一緒に肌を包み込み、まるで「今日もお疲れ様でした」と寄り添ってくれているよう。北海道の魅力を伝えたいという想いから、使う素材はできる限り道内産。屋号の「SIESTA」は、スペイン語で「お昼寝」を意味する言葉。「お昼寝するように心地よいひとときを感じていただけますように」という想いが込められているそうです。
http://at-siesta.com/

【月刊 SAVON de SIESTA 7月号】
特集「SAVON de SIESTAの石鹸ができるまで」

代表の附柴彩子さんにお話を伺い、石鹸をはじめとする製品に込められた想いとそれにまつわるストーリーを紐解いていきます。

第1回「石鹸づくりをはじめた理由」

SAVON de SIESTA 直営店 「Siesta Labo.」

「石鹸づくりは、肌が弱い自分のために始めたんです」

そう話す附柴さんのお肌は、色白な方が多い北海道民の中でもひと際白くてすべすべ。肌の弱さなんて微塵も感じさせない。聞くと、学生の頃お化粧をはじめた途端急に荒れるようになってしまったとのこと。お化粧をする方なら一度は経験したことがあるであろう、化粧品による肌荒れ。私自身も肌がひどく弱
く、化粧品選びには随分と悩まされてきた。

附柴さんの場合は、肌に合うものと合わないものが明確だったそう。大学で化学を専攻していたため、
「合わないものは何がダメなんだろう」と合わない製品に含まれる成分を気にするようになった。

「そうしたら、有効成分以外のお肌に要らないものがたくさん入っているってことに気付いたんです」

化学を学んでいたからこその気付きだった。しかし、この時はまだ、化粧品を自分で作り出すという発想はなかった。そんなある日、本屋で運命的な出会いをする。

「おかしづくりが好きだったんですが、レシピ本の横に石鹸づくりの本があって。石鹸って自分で作れるんだと思って読んでみたら、全部研究室にあるもので作れる! と(笑)。実際に作ってみたら楽しく
て、すごく良いものができて。これは絶対仕事にした方が良い! と思ったんです。学んでいた化学を活かすこともできる石鹸づくりは、まさに天職だと思いました。」

この勢いで卒業後すぐに事業を立ち上げ…ではなく、製薬会社に就職。石鹸屋になることは決心していたが、わからないことが多いため知識を身に付けようと考えた。しかし、配属されたのは研究でも開発でもなく、営業部だった。

「営業はすごくハードで、最初は全然うまくいきませんでした。でも先輩に、お医者さんではなく、その先の患者さんが何を必要としているのかを考えるんだと教えられて。」

お客様が喜ぶことを第一に考える姿勢は、ここから生まれていた。直営店やイベントでの接客にも、営業で培ったコミュニケーション力が活かされている。また最初は不安だった京都での勤務も、石鹸づくりをする上での1つの指針へと繋がる。

「一度外に出たことで、北海道の良さを意識するようになって。もっと多くの方に伝えたいと思い、製品にはできる限り道産素材を使うようにしています。」

その中の1つが、北海道十勝産の小豆を使用したアズキ石鹸。小豆にはサポニンという洗浄成分が含まれていて、毛穴の汚れを綺麗にする作用がある。昔は絹の袋に小豆の粉末を入れ、洗顔に用いていたそう。このようなストーリーも、素材を選ぶ上で大切にしている。

オープン以来人気No.1のアズキ石鹸

その後結婚を機に、製薬会社を退職。北海道に戻り専業主婦として家事をこなす毎日を続けるが…

「家にいるよりも、外に出て仕事をしたい!と思いました。そこで主人の会社を手伝い始めつつ、自分のやりたかった石けんづくりを仕事とするための準備を始めました。」

当時26歳だった附柴さんには、もうとにかくやりたいという気持ちしかなかった。毎日のように保健所に通い、わからないことは全て確認して開業までの課題点を1つずつクリアしていった。

「熱量がすごすぎて、保健所のおじさんはきっとドン引きだったと思います(笑)。」

退職してから約半年後、WEBショップを立ち上げた。いくつものイベントや店舗での販売を経て、2009年に直営店をオープン。その後現在の場所に移り、お客様からもつくっている様子が見える工房とお店をスタート。次号ではこの工房での石鹸づくりについてもお伝えする予定だ。

直営店では定期的に個展やフェアを開催している。取材に伺ったこの日は「tamaki niime展」が店内を彩っていた。

石鹸づくりに興味を持ったきっかけからSAVON de SIESTAの立ち上げまで、キラキラと眩しい笑顔で表情豊かに話してくれた附柴さん。その快活な話ぶりからは、石鹸づくりへの情熱が感じられました。もみじ市まであと3ヶ月、私もSAVON de SIESTAの石鹸で美肌づくりに励もうと心に誓ったのでした。

(編集・南怜花)

《次号予告》
こんな風に作っています〜手作り石鹸のレシピ