【アンリロプロフィール】
栃木県鹿沼市の細い路地の奥に、ひっそりと佇むフレンチベジタリアンレストラン。オーナーである上村真巳さんの手がけるマクロビオティックを基本としたフレンチは、地元栃木の美味しい野菜にあふれている。「次の休みは、栃木に遊びに行こう!」。上村さんの料理を食べて以来、私(担当・丸本)はすっかりアンリロと栃木県のファンになってしまった。サクサクの衣をまとった、しっとり甘い人参が主役の「人参フライ」は店の看板メニュー。食欲を掻き立てるエビフライのような見た目で、子供も大人も心踊る一品です。
https://www.facebook.com/an.riz.leau/
『アンリロ』記事一覧
7月号 特集「アンリロともみじ市の歴史」
8月号 特集「担当・丸本がアンリロの名物、にんじんフライ作りに挑戦!」
9月号 特集「オーナー・上村さんのにんじんフライ作り」
10月号 特集「オーナー・上村さんの発見」
フレンチベジタリアン。そう、フレンチをベースにした野菜料理を提供する店として、アンリロは栃木県鹿沼市に誕生しました。この店を初めて訪れ、「人生が変わった」というのが、手紙社代表の北島勲。今回は、アンリロともみじ市との歴史について、もみじ市を立ち上げた張本人でもある北島にインタビューしました。
特集 アンリロともみじ市の歴史
鹿沼にすごい男がいる
ーーーアンリロの上村さんとの出会いを教えてください
北島:きっかけは、もみじ市にも出店している陶芸家の石川若彦さんです。若さんから、「とても才能のある料理人が鹿沼に店を出したから行ってみたら」と言われて、これは行くしかないな、と。びっくりしましたね。美味しくて。その日以来、ある意味上村真巳の追っかけになったんですよ(笑)
ーーー北島さんの中の“美味しい!”の感動の背景はなんだったのでしょうか。
北島:野菜だけを素材にした料理を出すと聞いていたので、正直最初は“軽い料理”なのかな、と思っていました。サラダの延長かな、みたいな。今考えると失礼な話なんですが。でも実際は違った。上村さんは東京の某有名フレンチで働いた後、益子のマクロビオティックをベースにしたカフェでシェフを務めたいたのですが、それぞれの技術が融合した独創的な料理が出てきたんですよね。美しいし、美味しいし、お腹いっぱい(笑)。これは取材するしかないな、と、当時私が編集していた『自休自足』という雑誌で特集を組ませてもらいまいた。2006年のことですね。
ーーー『自休自足』はどんな雑誌だったんですか?
北島:地方で自分たちなりの表現をして、ポジティブに暮らしている人たちを取材する雑誌でした。2003年の創刊当時は、農業を営んでいる人や手仕事の作家さんを取材することが多かったのですが、今思えば、アンリロを取材するころから、方向性が変わったのだと思います。東京でも十分勝負できる上村さんという料理人が、鹿沼の人通りのない路地で店を始めたことがとてもかっこよく見えた。こういうお店を営んでいる人を取材していきたいな、と思う転機だったのかもしれません。
「栃木が生んだ伝説のフレンチベジタリアン。上村真巳率いるアンリロ」
ーーーアンリロに惚れ込んで、もみじ市に出てもらうことになったんですね、反響はどうでしたか?
北島:人参フライが大ブレイクして、大変な騒ぎでした。行列ができて、アンリロのスタッフはひたすらにんじんフライを揚げてた(笑)。第2回もみじ市(当時は、花市という名称)から参加してくれているんですが、もみじ市に飲食店が出店したのは、アンリロが初めてなんですよね。そういう意味ではパイオニアかも。もみじ市の日は、開場前に出店者が全員集まって朝礼をするのですが、その時に私がひとくみずつ名前を呼んで紹介するんです。今でも覚えているけど、「栃木が生んだ伝説のフレンチベジタリアン。上村真巳率いるアンリロ!」というキャッチコピーが自然に出てきた。このコピー、気に入っています(笑)
ーーー北島さんを惹きつける上村さんはどのような方ですか?
北島:一見落ち着いて見えるけど、実は、中は熱い男です。料理が本当に好きで、技術と才能は本当に素晴らしくて天才的なんだけど、いちばんの魅力は、うちに秘めた熱い心のような気がしますね。私が『自休自足』の編集から離れて手紙社を立ち上げた後も、変わらずに付き合ってくれた。独立した時に上村さんから「北島さん、また新しい伝説を作ってください!」という手紙をもらったのは一生忘れませんね。もみじ市も手紙社も、上村真巳と共にあります。これからも頼りにしたいし、常に一緒に何かしたいなって思う存在です。切磋琢磨しあうライバルでもありますし、上村真巳がどんな人物になっていくのか、ずっと見つめていくのも私の仕事だと思っています。
手紙社の象徴ともいえるイベント「もみじ市」で、初代飲食店として出店して以来、中心にいるアンリロ。アンリロの存在こそが、もみじ市を、もみじ市たらしめているといっても過言ではないのかもしれません。
(編集・丸本菜穂)
《次号予告》担当・丸本がアンリロの名物、にんじんフライ作りに挑戦!
【月刊 アンリロ 8月号】
特集「担当・丸本がアンリロの名物、にんじんフライ作りに挑戦!」
野菜だけでできた料理が、どうしてあんなにも美味しいのだろう。鹿沼産の野菜や水に秘密があるのか、特別な技術が必要なのか……。疑問の絶えないわたしは、2006年の自給自足公開されていたレシピで、アンリロの「にんじんフライ」を作ってみることにしました。今号では担当・丸本によるお料理レポートをお届けします。
◎塩もみ
◎蒸す
◎オリエンタルドレッシングを作る
◎溶いた小麦粉をつける
◎パン粉をつける
◎揚げる
◎完成
調理を終えて
わたしでも、青臭さのない、甘さが引き立つカラッとジューシーなフライを作ることが出来ました! ただし、ドレッシングの分量を間違えてしまい、本家アンリロのドレッシングより水分が多く、白みが強いものが出来上がりました。それでも、振る舞った友人には好評で一安心。早速、ドレッシングのリベンジをするため意気込んでいます! 次号は、アンリロの上村さんによる調理の様子を動画でご覧いただきますよ。どうぞお楽しみに!
(編集・丸本菜穂)
【月刊 アンリロ 9月号】
特集「オーナー・上村さんのにんじんフライ作り」
今号では、みなさんに「にんじんフライ」の美味しさをお伝えするべく、オーナーの上村さんによる華麗なにんじんフライ作りの様子をご覧いただきます! 食べたことのある方も、そうでない方も、にんじんの深い味わいを想像してくださいね。
今にも食べたくて仕方のないそこのあなた、ご安心を。今年も、もみじ市にアンリロがやってきます!
(編集・丸本菜穂)
【月刊 アンリロ 10月号】
特集「オーナー・上村さんの発見」
アンリロは「一粒の米、一滴の水」を表すフランス語の造語。マクロビオティックを表現する種、つまり玄米をイメージしています。玄米は、種ひとつぶに一滴の水が落ちると発芽しそして数千の実がなる繁栄の証です。
新たな試み。EAU DE VIE
今年、上村さんがお店を始めて15年目の節目を迎えました。日々、料理や食材と触れ、「食べることは生きること」「毎日の健康は食のエネルギーによるもの」だと感じていた上村さん。この9月、フレンチと薬膳を融合した「EAU DE VIE(オードヴィ)=いのちの水」を新たな店舗としてオープンしました。
フレンチ×薬膳
フレンチの華やかな技法と、薬膳の自分の体に合わせた食のとりかたを提案。「DELI」「LABO」「BISTRO」の3つのカテゴリーにて表現していきます。
◎DELI:日々の生活にすこしでも知識としてお伝えしていこうと、お惣菜を販売。旬の食材を薬膳の知識とフレンチテイストに仕上げ、体に合わせてお買い求めできます。店舗販売のほか、駅ビル等でも購入可能。
◎LABO:ジャム、ドレッシング、焼菓子などの製作、販売、OEMなどを受ける工場ラボラトリーです。大切に育てたお野菜を無駄にしないように加工をして売れる商品開発のお手伝いをします。
◎BISTRO:地元の旬の野菜やお肉を心から美味しく、そして楽しい空間で召し上がっていただきたい! 美味しく食べて、美味しく飲んで、そして健康に!
上村さんの日々の発見はやはり野菜。生薬。薬膳。これからも、上村さんの食への探求は続きます。もみじ市で、アンリロのまっすぐな情熱が詰まった野菜料理を噛み締めてください。もみじ市でお待ちしています!もみじ市で会いましょう。
(編集・丸本菜穂)