出店者紹介,ジャンル:FOOD

wato kitchen

【wato kitchenプロフィール】
岩手出身。お料理好きなお母さんと絵が上手なお父さんの元で育ったwatoさんは、小さい頃からお料理も絵を描くことも大好きだったという。短大で管理栄養士の資格を取った後、働きながらイラストの専門学校に通い、現在は管理栄養士、フードコーディネーター、イラストレーターの3つのステージで活躍している。小さい頃のどちらの“好き”も生業にしてしまった、watoさんの行動力と好奇心がつくる愛情たっぷりのスープは、今や手紙社のイベントには欠かせない一品。ひとくち食べたら思わず笑顔がこぼれる魔法のスープに舌鼓を打ってほしい!

http://blog.watokitchen.com/

【商品カタログ予習帳】
あさりと9種の野菜のジンジャーミネストローネ

人参ととうもろこしのポタージュ 大麦のカレーマリネ添え

コラボ企画メニュー
白くてほわっとやさしい、まるでアルパカスープ(鶏団子とペルー産カナリオ豆入りクリームスープ)


『月刊 wato kitchen』記事一覧

7月号 特集「▼イラスト編」
8月号 特集「▼ラジオパーソナリティー編」
9月号 特集「▼撮影編」
10月号 特集「▼もみじ市の仕込み編」


【月刊 wato kitchen 7月号】
特集「watoさんのお仕事ディスカバリー!」

▼イラスト編
今や手紙社のイベントでは欠かすことのできないwato kitchen。食べた人を優しく包み込む愛情たっぷりのスープをつくるのは、主宰のwatoさんです。watoさんといえば、スープやケータリングなど、“お料理”のイメージがありますが、実はイラストレーターとしての顔を持つのです! 昔からお料理をつくることと、絵を描くことが大好きだったwatoさん。美大に進学することも考えましたが、絵はこれからもはじめるチャンスはあると思い、管理栄養士の資格を取るため短大に進学しました。卒業後、管理栄養士として働きつつも、「いつか絵を描いてみたい」と心のなかで思ってたときに、ある雑誌で見つけた「パレットクラブスクール3期生募集」の文字。現役で活躍するイラストレーターやデザイナーの講義を受けることができるという記事を読んだwatoさんは、申し込もうと決意したそう。決意してからは、1年間学費を貯め、晴れて4期生として入学しました。ケータリングなどの仕事の傍ら、イラスト基礎コースで学ぶ日々は、忙しいながらも充実していたと語るwatoさんの目はキラキラと輝いており、当時の様子が私にも伝わってきました。なかでもパレットクラブスクールの創始者の一人、原田治先生が「好きならば絵と料理はどちらも続けたほうが良い。絵心があるから作れる料理がある。」と背中を押してくれたのが、今でも励みになっています。1年間のコースを卒業し、その後もスタッフのお姉さんとして10年間、そして2012年からは講師として働いており、パレットクラブスクールとの出会いは、watoさんの人生にとって大きな影響を与えました。今回は、料理と同じくらい絵を描くことが大好きなwatoさんの一面を“発見”していきます!

 

1、レシピ本の挿絵

左から:『スープやさんのスパイ』(Dear.SOUP)ノベルティ、『キレイにやせる美人レシピ』(成美堂出版)、『管理栄養士watoさんのかんたん、満足 やせ*ごはん』(Gakken) 、『リトルギフト英字版』(サンクチュアリ出版)『リトルギフト』(サンクチュアリ出版)

今まで何冊ものレシピ本の出版に携わってきたwatoさん。なかにはレシピや挿絵、そして文章の執筆まで全てを手がけた、思う存分“watoワールド”に浸れる本があります。挿絵のお仕事は、絵の雰囲気やカット数などが、あらかじめ担当の方から指定され、それ以外はお任せで描くのだとか。随所随所にwatoさんのイラストが入ることで、作ってみたいと思えるお料理として親しみが生まれます。

2、株式会社かたすみ「有機レモン果汁」パッケージイラスト

現在も発売中の株式会社かたすみ「有機レモン果汁」パッケージイラストを描いたのはwatoさんなんです! ラベルに登場するのはレモン博士。最初は、真ん中にあるおじさんの博士を考案したそう。しかし、「もっと若く!」との要望から、今のレモン博士が誕生。この商品はロゴのデザインもwatoさんが行っています。左上に映るのは、レモン博士の双子の兄弟、ライム博士。ライムらしくどこかニヒルな雰囲気。キャラクターの設定を考えることで、より描きやすさが増すのだとか。

3、原画(2006年)

2006年に二人展を行った際に展示した原画。watoさんはイラストを描く際、水彩絵の具や色鉛筆、サインペンなどを用いて描いているそう。細部まで描き込まれたイラストは、その緻密さはさることながら、独特な色合わせにもご注目いただきたい! watoさんが大好きなアルパカの出身地、南米の陽気な色合いを彷彿させるような色使いは、パワフルで見る者を元気にさせてくれます。

4、レシピカード

上段:2006年製作/下段:2015年製作

出版社に依頼され、レシピ本を作ることが多かったwatoさんですが、このレシピカードはオリジナルで製作したもの。上段のフレームに入ったものは、2006年の二人展で展示されました。このイラストはポストカードとして販売もしていたそう。展示の際に隣接するカフェでレシピに描かれた料理を食べることができ、原画を見てメニューを食べた人がレシピカードを買う、カードを見ながらお家でつくる……というような一連の流れができたらいいなと思い、ポストカードを作ったとのこと。もちろん、ポストカードなので送ることもできます! 届いた人がレシピカードを見てお料理をつくることで、料理・イラスト・そして笑顔の輪が広がるというwatoさんらしい素敵な想いが込められています。

 

【今日の発見!】
・レシピ本はメニューや挿絵はもちろん、文章までwatoさんが書くというのだから驚き!
・キャラクターの性格まで事細かに設定しているなんて...!
・watoさんが絵を描くことが本当に大好きということを発見!

【月刊 wato kitchen 8月号】

▼ラジオパーソナリティー編
7月号では、イラストレーターとしてのwatoさんを“発見”しました。イラストに関わる仕事のお話をするwatoさんの姿は、眩しいほどキラキラしていて、好きなことを仕事にできる幸せを、私も分けてもらいました。今月号では、地元・岩手県一関市のラジオ放送局で冠番組を持つ、“DJ wato”に迫ります。

watoさんがメインパーソナリティーを務める『watoのおむすびラヂオ』が始まったのは今から6年前の2012年。東日本大震災で被災したことがきっかけで地元である岩手県一関市にラジオ局が開局しました。テレビとは違い、“ながら聴き”ができるラジオは、余震の続く被災地では情報伝達手段として重宝されており、開局と同時に市内全戸に防災無線付きの一関FM専用ラジオが支給されたそうです。毎日ラジオから流れてくる声は、町の人の心の支えになっていました。

収録前の打ち合わせの様子

当時のwatoさんは東京で暮らしながらも、月に一度は地元・岩手県に帰りボランティア活動をしていました。そんななか、突然ラジオ番組のオファーが来たそうです。県内のタウン誌で6年ほどレシピとイラストの連載をしていたつながりで、依頼がきたのだとか。「ラジオは専門外のため、受けるか迷いましたが、地元のために何かしたい! という気持ちが大きく、依頼を受けることにしました。」と語るwatoさんですが、実はJ-WAVEのある番組で7年ほどお料理コーナーを持っていたそう。本業ではないとはいえ、ラジオの出演経験があったからこそ、この依頼がきたのかもしれませんね。

毎週金曜19時半から放送されるラジオは、毎回素敵なゲストをお招きし(ゲストが出ない週もあります)、30分間お届けします。実は、私(鈴木)もゲスト出演したことが……。緊張して全然話せなかった記憶があります(笑)。その節は、大変お世話になりました。

ゲストの長谷川美歩さん。調布FMで番組を持つラジオパーソナリティーの方です。

今回の取材では、8月17日(金)放送の回の収録にお邪魔させていただきました。ゲストは、我らが調布市のラジオ局、調布FMで番組を持つ、ラジオパーソナリティー・長谷川美歩さん。以前、長谷川さんの番組に出演したことがご縁で、今回はおむすびラヂオにご出演いただくのだとか。収録前には台本をもとに綿密に打ち合わせたり、合わせなかったり……。台本を用意するかは、ゲストによって変えているそう。台本がある方が安心して喋れる人もいれば、逆に台本があることでなかなか喋れない人など、さまざまなタイプの人がいるので、その都度変えているそうです。この日は、取材のために台本をご用意くださいました(笑)。

今回の取材のためにご用意いただいた台本。見てお話する素振りは一切ありませんでした(笑)。

ラジオで話す上で気をつけているのは、「言葉だけでわかってもらえるように説明する」こと。自分の頭の中では補完できていることも、リスナーにとっては初めての話題かもしれない。誰が聴いてもわかるように説明することを心がけているそう。例えば、ゲストが話しているときに、もう少し説明が欲しいな、と思う場面では、フォローを入れるなどして常にリスナー目線を絶やしません。周りの人への気配りが、ラジオパーソナリティーには必須事項なのかもしれませんね。

今回取材した回は、8月17日(金)19:30から一関FMあすもにて放送されます。もみじ市のこともほんの少し喋っているかも? そして、8月23日(木)には今回のゲスト・長谷川美歩さんがパーソナリティーを務める調布FM『東京オアシス』に、watoさんがゲスト出演します! こちらも併せてお聴きくださいね(どちらもPCやスマホで可聴。詳しくは各局のHPをご覧ください)。

 

【今日の発見!】
・ラジオパーソナリティーは気配り上手であれ!
・事前打ち合わせは入念に!(約1時間......!)

【月刊 wato kitchen 9月号】

▼撮影編
9月号では、みなさまお待ちかね“watoごはん”が登場! これを読んだら、もみじ市当日にwato kitchenのブースに足を運びたくなりますよ。

撮影用の小道具は、季節によって使うものが変わるため、たくさんストックしている。

watoさんは、ケータリングだけでなく、雑誌などに掲載するメニューを考えるお仕事もしています。今回は、雑誌の撮影現場に密着しました。撮影のお仕事にはたくさんのスタッフが関わります。雑誌の編集者、ライター、カメラマン、スタイリスト……。スタッフと息を合わせて現場の空気を作り上げることがまず一番目に大切と話すwatoさん。企画によっては、スタイリストがつかず、下に敷く布からお皿までwatoさん自身でスタイリングすることもよくあるそう。アトリエにはこんなにもたくさんの撮影小道具が! もともとテキスタイルや紙もの雑貨が好きなwatoさんは、ついつい集めすぎちゃうと照れ笑い。季節感や和洋中などさまざまな料理に対応できるようオールマイティーに取り揃えています。 もちろん、お皿のスタイリングも仕事のうち。食器は自前のものを使用することもあれば、食器のリース屋からレンタルすることもあるそう。この仕事を始めたばかりの頃、リース屋の存在を知らなかったwatoさんは毎回お皿を買っては、「なんてお金のかかる仕事なんだ……」と愕然としていました。しかし、実はリース屋さんがあったということをスタイリスト仲間から聞き、「そうだよね! 毎回買ってたら破産しちゃうもんね。」と納得したそうです。

まるで海外映画に出てくるような、愛らしい内装と日当たりが素晴らしいキッチンは、watoさんのお気に入りスポット。

今回は、「かぼちゃ」をテーマに4品を作りました。テーマに沿って何品か作らなければいけない時に求められるのは、“煮る”、“焼く”、“揚げる”など違う工程でつくること、“和”、“洋”、“イタリアン”などジャンルが違うこと、そして、“輪切り”、“千切り”、“漉す”など食材の見せ方を変えること。味付けも、“醤油”、“塩”、“味噌”……。同じ味付けにならないように考えなければなりません。もちろん、“肉”、“魚”、“野菜”など組み合わせる食材も変えることが求められます。 盛り付けるときも一工夫! 料理は山のように盛り付けるのが吉。そして使っている食材が全部見えるよう、撮影のアングルに合わせて盛り付けます。たとえ、ゴマ1粒だとしても妥協できない大事なスタイリング作業です。 完成した料理の撮影をしてこの日のお仕事は終わり……かと思えばそうじゃないんです!! 実はレシピの文章を考えるのもwatoさんのお仕事。どんなアレンジにしようかな、と文章を考えながら調理しているのだとか。不安な時は改めて調味料などの分量を計り、レシピを練りなおします。完成した1つのレシピには、並々ならぬ時間とアイディアが詰まっているのです。 「私は緊張しいなので、撮影の時は『みんなに美味しい料理を食べてもらおう』という気持ちで、自分も周りも楽しい現場にしたいと思ってお仕事をしています。」と話すwatoさんからは、料理を作ることが大好きという気持ちはもちろん、みんなの喜ぶ顔が大好きというwatoさんの素敵な人柄を感じることができました。

【今日の発見!】
・布やお皿、時にはロケハン!? スタイリングも自分でするなんて……!
・メニューを1品考えるのは、まるでパズルのよう。自分の作りたい料理が必ずしも紙面に載るわけではない。
・調理だけでなくレシピやテキスト作成も仕事のうち。


【月刊 wato kitchen 10月号】

▼もみじ市の仕込み編
いよいよ今週末に迫ったもみじ市。当日販売するスープの仕込みをするということで、watoさんのアトリエに突撃しました!!

もみじ市に向けて何ヶ月も前から、どんなスープにしようかと考えていたwatoさん。メニューを考えるときに気をつけていることは、「味わいをかぶらないようにすること」! 先月ご紹介したレシピ考案と同じで、ベースとなる味付けはもちろん、具材の種類や切り方をばらけさせることが大事。ブースに遊びにきたお客さまが、自分に合うスープが見つかるよう、何種類か用意するように心がけています。

こんなにもたくさんの野菜が入っています

メニューが決まったら、材料の買い出しに出かけます。スーパーには並ばない珍しい食材は、ネットなどで発注することもあるそう。野菜が揃ったら、下ごしらえに入ります。下処理が必要な豆などは、調理を開始する前々日には水で戻し、煮て、当日すぐに使える状態にしなければいけないため、事前の段取りが大切です。watoさんはスケジュールを忘れないために、仕込み用のカレンダーを作り管理しているのだとか。下ごしらえも済んで、調理当日。朝から野菜を切っていきます。“切る”といってもその量は膨大! watoさんひとりで作るには目が回る量のため、当日はお手伝いのスタッフさんもフル稼働。2人でテキパキと調理を進めます。普段、料理をあまりしない私(担当:鈴木)は、料理をしながらもどんどん片付けを進めていく姿に驚いていると……「片付けながら料理を進めるのは基本!」とwatoさん。「道具を使い回すこともあるので段取りが大事! あとは片付けていかないと置き場所がなくなってしまうので、なにかやっている間に片付けを進めるんです」と話します。wato先生、勉強になります!!

今回、大きなお鍋に大きなしゃもじを使って作るのは、「あさりと9種の野菜のジンジャーミネストローネ」。ミネストローネのような野菜をたくさん使うスープは、野菜の鮮度でスープの味が変わってくるそう。同じレシピで作っても、季節によって味や出来高が異なるのだとか。「おいしくなってほしいと思って全力を尽くして作っているけれど、どこか神頼みのような気持ちがあるんです。野菜を煮ているとき“どうかおいしくできますように”と祈ってしまうんです」とwatoさんは話します。watoさんが、料理を作るときに何よりも大切にしていること、それは「おいしくな〜れ」という想いを込めること。大きなお鍋に入ってしまったら、たった1切れの野菜だけど、お客さまにとってはスプーン1すくい分の野菜。その野菜は、ガタガタなものよりも、綺麗に切られていた方が良い。「おいしくな〜れ」の心を持って作っていれば、自然と落ち着いた気持ちで丁寧に料理できるのだとか。

寸胴鍋いっぱいのミネストローネ。野菜たっぷりです。

この日もwatoさんは、お鍋の中の野菜たちに話しかけながらスープを混ぜ混ぜ。「スープを作っていると野菜たちが仲良くなる瞬間があるんだよ」と話すwatoさんにはてなマークの私。「煮る時間が短いと野菜それぞれが溶け合わずバラバラな味がする。でも、そのまま煮続けると『あ、仲良くなった!』っていう瞬間があって……。味見したときに物足りないと思っても、すぐに調味料を足さずに、もう少し煮てあげるとおいしくなることもある。“ちょっと煮てみる”ことも調味料のひとつ」。長年スープを作るなかで気づいたことだと言います。

そんなことを話しているうちにミネストローネが完成! 完成後は品質を保つため、パックに詰めて急冷します。こうすることで、もみじ市当日に河川敷に並ぶスープがおいしいまま保たれるのです。当日は、この日の取材で撮影したミネストローネの他にも「人参ととうもろこしのポタージュ 大麦のカレーマリネ添え」・「白くてほわっとやさしい、まるでアルパカスープ (鶏団子とペルー産カナリオ豆入りクリームスープ)」の3種類が並びます。「白くてほわっとやさしい、まるでアルパカスープ」は今回のもみじ市のコレボレーション企画のため作られたもの。アルパカの“白”とコラボレーションのお相手、陶芸家・竹村聡子さんの白磁の作品の“白”からインスピレーションを受けて出来上がったスープです。クリームベースのスープの中に、アルパカの出身地・ペルー産のカナリオ豆や白いんげん、ホワイトマッシュールームにカリフラワーなど白い食材がふんだんに入っています。そして、アルパカスープということで「アルパカのお肉なの?」とお思いの方もいるかもしれませんが、真っ白な鶏団子ですのでご安心ください。一足お先に試食させてもらいましたが、アルパカのように素直でマイルドな味わいでした。

いよいよ今週末はもみじ市。wato kitchenのブースでは、3種類のスープをお召し上がりいただくことができます。watoさんの「おいしくな〜れ」の魔法がかかったスープを河川敷でご堪能ください。

【今日の発見!】
・お鍋としゃもじの大きさにびっくり! なんとオタマまで大きいのです。
・“ちょっと煮てみる”ことも調味料のひとつ。
・「おいしくな〜れ」の想いのこもったスープのおいしさといったら……みなさんも河川敷で発見してみてください!

(編集・鈴木麻葉)