もみじ市 in 神代団地,出店者紹介,ジャンル:FOOD

cafeゴリョウ(出品のみ)


【cafeゴリョウプロフィール】
そこにあるのは、自然と調和した特別な空間と、世界の味を再現した格別の料理。北海道・富良野にあるcafeゴリョウは、その居心地の良さと絶品メニューの数々で、訪れた旅人たちの心を魅了します。傾きかけた古い納屋をセルフリノベーションしたカフェは、今年でオープンから11年。澤井雅樹さん・加菜子さんご夫妻の汗と涙が詰まった場所は、今でも日々進化を続けています。河川敷の会場には、おふたりが手塩にかけて育てた野菜をふんだんに使ったメニューが登場予定。富良野の風を感じに、ぜひ「ミニゴリョウ」の小屋を訪れてみてくださいね。
https://www.goryo.info/cafe/
Instagram:@cafe_goryo

【cafeゴリョウの年表・YEARS】

【cafeゴリョウインタビュー】
富良野が誇る名店、cafeゴリョウ。ひとたびその地を訪れた人は、そこに流れるのびのびとした空気や、世界の味を再現したメニューに心を奪われます。そんなゴリョウファンの一人である担当富永が、オーナー・澤井雅樹さんにお話を伺いました。

はじまりは世界旅行

ーーー最初の転機からからパンチが効いていますね。世界一周旅行!
澤井:26歳で勤めていた洋服店を退職して、世界一周の旅に出たんです。当時は若かったので、後からどうしようとか何も考えていませんでした。期間も行くところも決めずに予算だけ決めて、お金がなくなったら帰って来ようと思って。はじめは一人で行こうと思っていたのですが、当時付き合っていた妻の加菜子が、「そんなことなら私も行きたい!!」ということで、彼女も3ヶ月ぐらい遅れて旅に出ることにりました。合流したのは、イスタンブールでしたね(笑)。

ーーーイスタンブールで合流は、なかなかハードルが高そうですね(笑)
澤井:2年くらいの旅行で、全部で55カ国くらい回りました。今も毎年海外旅行には行っているので、合わせて70カ国くらいは旅しているかもしれません。訪れた土地の文化に触れたり、美味しいものを食べたり、、行きたいところに行って、やりたいことをしていました。結婚式も、道中カナダで挙げて。そしてその後、2006年ぐらいに一度日本に戻ってきて、富良野の「野良窯」という、カフェと陶芸を営んでいるお店で働きました。

世界旅行をしていた当時の写真

ーーー野良窯にはどのような経緯でたどり着いたのですか?
澤井:妻がかつて働いていた縁で、住み込みで働かせてもらいました。これがきっかけで、富良野という土地に自分たちの拠点を作りたいという気持ちが強くなったんです。その後また旅に出て、2007年に帰国してから本格的に移住しました。それが11月だったので……寒かったですね〜(笑)。

ーーーお店を作るにも、大変な苦労をされたんですよね。
澤井:ボロボロで傾いていた築80年の納屋を、ロープで引っ張って起こしたんです。手伝ってくれた大工さんも無理だと思っていたみたいなんですけど、起き上がっちゃったからそのまま進めることになって(笑)。

ーーーそれにしたって真冬ですもんね。
澤井:改装作業しながら暮らしていましたが、家の中に干していた洗濯物が凍っていたりして(笑)。北海道の冬の厳しさを完全に甘くみていましたね。とりあえず次の冬までにはなんとかしないといけないと思って、死ぬ気で作業しました。

ロープで小屋を引っ張る様子

ーーー移住した翌年には「cafeゴリョウ」をオープン。改装しながらですから、なかなかのスピード感ですよね。
澤井:12月にオープンだったのですが、お客さんはなかなか来ませんでしたね。最初はずっと、改装の費用や経費を捻出するために、農協のたまねぎ倉庫でアルバイトをしていました。

改装中
見事に生まれ変わりました!

ーーー今のように知られるようになったきっかけは、なんだったのですか?
澤井:雑誌やテレビに紹介されるようになって徐々に……という感じですかね。僕たちも、旅の目的地にしてもらえるような提案は常に続けて行きたいなと思って、日々あれこれ考えています。

ーーー提案というと、例えばどんなことでしょうか。
澤井:わざわざ行きたくなる理由を作っていく、というイメージです。商品構成やお店の雰囲気、周囲の環境など色々考えられることはありますよね。例えば、自家菜園の野菜を使ってここだけでしか食べられない料理を作るとか、席数を減らしてゆったり過ごしてもらえる空間にするとか。一つひとつのメニューにストーリーを持たせることも大切にしています。あとは、世界旅行の経験を生かして、現地で僕たちが実際に食べたものを再現したものを出しているのも、大きな特徴かもしれません。何か一つでも、地域で一番になるようなものを作れたらと思っています。「チャイといったらこのお店だよね」と言ってもらえるような。

cafeゴリョウの絶品メニューたち

手紙社との出会い

ーーー大きな転機としてあげていただいていますが、はじめて手紙社のイベントに出店したのが「第1回森のカフェフェス」だったのですね!
澤井:そうなんです! それまでは、どちらかというと建築や移住系の雑誌などで取り上げていただくことが多かったので、声をかけてもらったときに「ついに自分たちはカフェになったんだ!」という実感がありました(笑)。

ーーーそこで忘れられない出会いがあったとか。
澤井:はい、同じく出店していた「Maruyoshi」の笠原慎也さんが、厨房でものすごく怒ってました(笑)。後々わかったのですが、それにはきちんと理由があって、本当に真剣にイベントに向き合っていたからこその出来事だったんです。でもその時は本当に怖い人だと思って、それから3年くらいは気軽に声をかけられませんでしたね(笑)。ようやく話せるようになって、笠原さんがすごく真面目で楽しい人だとわかったんです。

ーーーそうだったんですね(笑)。
澤井:怒っている笠原さんをみて、手紙社さんのイベントに出ることがいかに凄いことなのかを実感しました。自分のように生ぬるい気持ちでイベントに参加してたらダメだと感じたんですよね。そのとき僕たちは、準備が終わったら魚釣りをしようと釣竿を持っていたのですが、「遊んでいる場合じゃない!」って思いながら……結局釣りに行きました(笑)。

ーーーその次の転機が、「第3回森のカフェフェス」になるんですね。
澤井:この時の打ち上げで、妻とスタッフの女の子が出店していた「日光珈琲」の風間教司さんに「イケメン見つけた!」と声をかけてました(笑)。次の日、調子に乗りすぎたことを反省して謝罪したら、「今度鹿沼でイベントをやろうと思ってるんだけど、来てくれますか?」と誘いを受けたんです。

ーーー「鹿沼のカフェフェス」ですね! 記念すべき本州初上陸。
澤井:この打ち上げで、ようやく笠原さんと仲良くなりました(笑)。この年に、もみじ市と関西蚤の市に初出店を果たしたんです。もみじ市はずっと出たいと思っていたイベントだったし、関西は自分たちの地元なのでとても嬉しかったです。

ーーーはじめてのもみじ市はどうでしたか?
澤井:最初のもみじ市は、すごく大変でした。まず、来場者数の多さににおののいて……。。あとは、ものすごくアウェー感があるなと。すごく打ちのめされたというか、考えさせられました。お店やイベントで出すもののクオリティを上げなければと感じるきっかけになったと思います。

ーーー昨年のもみじ市の企画では、イラストレーター・高旗将雄さんとコラボされていますよね。
澤井:高旗さんは鹿沼のカフェフェスのときにはじめてお話ししました。車で移動していたとき、会場からかなり遠い駅から、インクのついた白衣っぽいものを着た高旗さんがとぼとぼ歩いてくるのが見えたんです。そこで「乗っていきませんか?」と声をかけたのをきっかけに、イベントで一緒になるたびにコーヒーを買いにきてくれたりして。そこから何か一緒にお仕事ができないかなと、ずっと思っていたです。

ーーーそんな出会いをしていたのですね!
澤井:昨年はコラボを実現させるために、もみじ市当日まで100通くらいメールのやりとりをしました。すごいですよね(笑)。

高旗さんとコラボした自家焙煎珈琲の新パッケージは、今年のもみじ市で初お披露目

ーーー今年でオープンから11年ですが、これまでを振り返っていかがですか?
澤井:はじめたばかりのときは、11年後の今の状況は考えられなかったので、毎日のコツコツとした積み重ねがあったからこそ、お店を続けて、イベントにも出ることができて、成長できたのかなと思います。

ーーーこれからの“YEARS”ということで、まずは今年のもみじ市でやってみたいことはありますか?
澤井:今回で5回目の出店。回を重ねるにつれて余裕もでてきたので、イベント自体を楽しむことができたらなと思います。他の出店者の方とお話しできるのも楽しみです。

ーーーありがとうございます! 今年はどんな世界の味が河川敷にやってくるか、おふたりの11年が詰まった2日間を楽しみにしています。

《インタビューを終えて》
「自分たちの好きな土地で、やりたいことをする」。そんな夢を実現し、11年月日を重ねてきたcafeゴリョウは、雅樹さんと加菜子さんがともに歩んだ歴史そのもの。自由な空気をもちながら、妥協なく真摯に仕事と向き合ってきたおふたりの努力が、富良野を代表するカフェを育てあげました。こんなふうに生きられたら、と憧れずにはいられない。そんなcafeゴリョウの“YEARS”が、もみじ市で花開きます。

(手紙社 富永琴美)

【もみじ市当日の、cafeゴリョウさんのブースイメージはこちら!】

ブースの建設の様子を完成までまとめました。