【houtiプロフィール】
理想の生活を求め、東京都狛江市から千葉県君津市に移住。さまざまな古道具や古雑貨、古家具を求め、夫婦二人三脚で日本各地を周っています。現在は骨董市やイベント出店などで活動中。一際目を引く、花柄のレトロなホーロー鍋を見つけたらそれはhouti(おうち)のブース。日常がパッと明るくなる選りすぐりの道具に、たくさんの人が出会えますように。
http://www.houti-8.com
【houtiの年表・YEARS】
【houtiインタビュー】
もみじ市には2014年から参加しているhoutiさん。私(担当・木村)は来場者として東京蚤の市を訪れた時から、手紙社のイベントといえば“あの花柄のホーロー鍋“が目に浮かんでいました。そんなhoutiの石倉真司さん、まきこさんご夫婦にお話を伺いました。
1つ目の転機は、狛江市に引っ越したこと
ーーーお2人の出会いは?
真司:僕は横浜の地下街にある飲食店のマネージャーをやっていました。ホームページの作成やパソコンで絵を描いたり、お店のメニュー、スタッフのユニフォームを作ったりしていました。
まきこ:私はまた別のお店ですが、そのお店の近くのカフェで働いていました。お互いのお店を、お互いのお店のスタッフが利用していたので、顔見知りで。真司くんとの出会いはこれなんです。それから付き合ってすぐに結婚しました。5月に付き合って、9月に結婚!
真司:それからまきちゃんが新宿のお店へ異動したのを機に通いやすい狛江市に引っ越しました。
ーーーなぜ狛江市に?
まきこ:24歳まで長野の松本市にいて、花屋さんで働いていて、それもあって庭があるところに住みたいという夢があって、探していたらたまたま見に行った物件がすごく良くて、すぐに契約しました。
真司:この後の話になりますが、同じ敷地内にある平屋が空いてお店を始めるんです。そのお店に、今回のもみじ市にも出る杉見朝香さんが「この物件気になってたんです」と、偶然杉見さんのお知り合いだった、手紙社代表の北島さんとお店に来てくれたんです。それが手紙社さんとの出会いです。狛江に引っ越していなかったら、今の仕事も、手紙社さんとの出会いもなかったかもしれません。
2つ目の転機は、フリーマーケットへの参加
ーーー2008年4月、フリーマーケットに参加した経緯は?
真司:一緒に住み始めてから、お互いのやりたいことを話すようになって、「いつかそういうのできたらいいね」なんて。
まきこ:そうですね。それぞれ働いてはいたんですが、もともと主人は古本が好きだったので古本屋をやりたかったんですよね。私は花屋さんで働いていたのもあって、衣食住に関わることを仕事として提案できる人になりたいという漠然とした夢があって、それを話すようになって。
真司:それで、たまたま市役所でフリーマーケットやっているのを知って。
まきこ:地元の10軒もない、市役所の前でやっているフリーマーケットなんです。お互い雑貨とか好きで家にたくさんありました。あとは私が手作りしたものとか、庭で育てた植物とかを出品しました。当日は準備している段階からすごく売れて、忙しくて。お客さんから「お店やっているんですか?」「次も出て欲しい」という声をたくさんいただきました。それがスタートです。それから何回か出て、これは楽しいと実感しました。
真司:たまたまうちの斜め向かいの平屋が空いちゃってね。置く場所は作れば良いってね。あまり深く考えず、計画性なく、やりたいことをやろうと思い、お互い仕事をやめて今の仕事を本業にしました。いきあたりばったり。駅から10分もするところで、しかも砂利道を通ってその奥に平屋があるという悪条件ですが、ひっそりと「houti」を始めました。
ーーー何か宣伝活動などされていたんですか?
まきこ:道路に看板出すだけで宣伝とかもせず、とりあえずお店をオープンして、あとはブログを毎日更新しました。自分たちの生活とか、内容のわかるものを更新するようにして。そしたらアクセス数も徐々に増えていって。
真司:あとは知り合いの骨董屋さんの紹介で雑誌の人が来てくれたりして、オープンして3、4ヶ月くらいで雑誌に載せてもらいました。そしたら反響がすごくあって、わざわざ遠くから来てくれる人が増えました。
まきこ:ママさんが口コミで広げてくれたりもしたよね。でもやっぱり最初は誰にも知られてないから、誰も来ないんですよね。誰も来てないけど、ディスプレイを替えたりして(笑)。 あとは古道具を置くだけではなく、自分でリースを作ったり、編み物をしたりしたものも扱うようにしました。
まきこ:小さいテントを張って、お友達のカフェに来てもらって、平屋でイベントをやってみたんです。常連のお客さんにハガキを送って案内したら、たくさん人が来てくれて。あとは、花火大会に合わせてちょこっと屋台を出したり、色々やりました。その活動がどんどん口コミで広がっていって、私が先生になって編み物の会とかやってみたりゆるく始めました。これも来たお客様同士が仲良くなってくれたりして楽しかったです。クリスマス前や母の日前は、私の作ったリースとお友達のパン屋さんが作ったパンを組み合わせたりとか。思い立ったら深く考えずやってみようって!
真司:手紙社の北島さんが声をかけてくれて、「カフェ&ミュージックフェスティバル」に参加しました。これが初めての手紙社さんのイベントへの参加でした。
まきこ:今まではhoutiを知っているお客様しか来ていなかったので、いろんな人に知ってらえる初めての機会となりました。結構喜んでもらえて「自分たちのやっていることはこれで良いんだ」と確信できました。
自分たちのペースで進めるということ
ーーーお互いの好きなものが集まって、やりたいことが実現してますね!
真司:そうですね。だからあんまりストレスがないんですよね。
まきこ:今やりたいこと、できることをやる、ですかね。
ーーー大変と思うことはなかったですか?
まきこ:私のできない細かいことは真司くんがやってくれていたり、役割分担しています。それも、あなたこれやって、というようなどちらかが指示するのではなく、自分がやりたいことができています。2人だから、なんとか気楽な感じでやろうって、特に話し合いもなく、深く考えずやれています。
ーーー素晴らしい関係性ですね。ちなみに、現在の千葉に引っ越すことになったきっかけはなんですか?
真司:いつも家1軒分の荷物を仕入れるので、狛江市の家は身動きがとてないほどいっぱいになってしまってね。あと、お店と仕入れとで2人で手が回らなくなってしまって、たまたまネットでみたら千葉に良い家がいっぱいありそうなので見に行って、そしたらその家がとても良くて、縁もゆかりもない千葉県に引っ越しました。今は、狛江市の家と違って、うちのみーちゃんも駆けずり回る広さです。
ーーー猫のみーちゃんですね! instagramでよく拝見しています。みーちゃんということは、女の子ですか?
まきこ:いや。男の子なんです。
真司:猫はみんなみーちゃんになってしまう(笑)。
ーーーそれにしても、新居はとても大きいんですね。
まきこ:あと、自分たちで改装もしたんです。壁に色を塗ったり、そんな新居での様子をブログにアップすることで、離れ離れになってしまった狛江時代のご近所さんやお客様も見てくれていると思えて、寂しさは埋まりましたね。
ーーー今年はどんな年ですか?
まきこ:特に毎年これをやろうとは決めていないです。このペースで2人で続けていきたいね。
真司:そうだね。これからも自分たちのペースでやっていきたいね。
ーーー自分たちの当たり前の日常を続けることほど、難しいことはないと思うのですが、お2人は自然体でそれをやってのけているのがすごいと思います! 本日はたくさんのお話をありがとうございました。
《インタビューを終えて》
これと決めたらどんどん突き進むまきこさん、自分のペースを崩さない真司さん。「2人だからこそ続けられる」というまきこさんの言葉が印象的で、やりたいことがあればとりあえず挑戦してみるという裏には、お互いの信頼関係がありました。houtiのYEARSとは、まさに“自分たちのペースを保つこと“で重ねられてきたのでした。
houtiさんが出品する古道具、古雑貨、古家具からは、お2人を象徴するような明るく、華やかなものが揃っています。2人の思いがたっぷり詰まった道具が、たくさんの食卓に並び、日常を明るく照らしますように。
(手紙社 木村朱里)
【もみじ市当日の、houtiさんのブースイメージはこちら!】