もみじ市 in 神代団地,出店者紹介,ジャンル:CRAFT

KUROSAWA

【KUROSAWAプロフィール】
1996年から革製品の製作を始め、技術を磨き、 2008年KUROSAWAとして活動開始。 ベビーシューズやバッグなど、日常に馴染む革小物を製作しています。 2010年には工房を千葉県外房に移転。トレードマークのハチの刺繍は、カバンにとまっている姿をイメージした遊び心から生まれました。経年変化により味が生まれる革小物は、何年も使い続けたい宝物です。
http://hachi-kurosawa.com/
Instagram:@hachi.kurosawa


【KUROSAWAの年表・YEARS】

【KUROSAWAインタビュー】
昨年、新しいご自宅兼アトリエにお引越しをされたKUROSAWAさん。担当の梶みのりが訪ね、お話を伺いました。

メーカー勤務から作家へ

ーーー「ハチのマークの革製品」でおなじみのKUROSAWAさん。その高い技術は、どこで学ばれたものなのでしょうか。
黒澤:仕事として初めに、1996年にメンズ向けの革製品メーカーに就職しました。そこでは10年以上お世話になっていました。「KUROSAWA」で展開している女性向けの商品は、勤務時間以外に家族や友人の為に作ってプレゼントしていました。喜んでもらえるのが嬉しかったんです。

ーーー独立して、作家になるという考えはその頃からあったのでしょうか?
黒澤:年表には書いていないのですが、2001年くらいかな、栃木県の黒磯にあるカフェギャラリーに行きました。そこで、作家さんがオブジェ作品の展示をされていたのが、ちいさな衝撃でした。それまでは革製品を作って展示をするという発想がなかったのですが、いつかそこで発表できたらという目標になりました。

「ベビーシューズ」が最大の転機に

ーーー2006年が大きな転機だったのですね。
黒澤:はい、長女が生まれた年です。娘のために赤い水玉のベビーシューズを作ってみて履かせたら可愛らしくて。いつか独立した時に商品にできたらいいなと思ったんです。

赤い水玉のベビーシューズを履く長女のあかねちゃん
ベビーシューズ

ーーーベビーシューズは、「KUROSAWAさんといえば」という定番商品のひとつですね。それから2年後の2008年に独立されましたが、なにか踏み切るきっかけはあったのでしょうか?
黒澤:なんだったかなぁ、2008年の夏に、突然でしたね。でも、いつかは独立したいとは思っていたのと、今まで家族に作っていた革小物を見て「いいね」って言ってくれる方が周りにいたのが後押しになったような気がします。

ーーー「KUROSAWA」としての活動、始めたばかりの頃はいかがでしたか?
黒澤:はじめは販売のこともよくわからず、クラフトフェアにも詳しくなかったのですが、話に出てきたカフェギャラリーに行って独立することになったという話をしたら、お店に置いてもらえることになったんです。そこで最初に取り扱ってもらってから、今でもお付き合いのある大切な場所ですね。

ーーー年表には書かれていませんが、ご縁の深い場所なのですね。
黒澤:それからも人に恵まれて。友達のお店で販売会をさせてもらって、そこに知り合いが来てくれたり、少しずつ繋がりを広げていきました。初めは手探りで、どんなものなら手に取ってもらえるのかわからなかったけれど、2009年の松本クラフトフェアに出てから出店ということも学びました。益子の陶器市にも春と秋どちらも出店しています。もみじ市には、2014年から参加させていただいていて、今年で6回目です。

ーーーもみじ市でできた作家さん同士のつながりなどもありますか?
黒澤:実は夫婦二人とも、すごく人見知りで……。他のイベントでもご一緒になる方やお隣同士のブースになった方とはお話させてもらいますが、もみじ市の2日間も、ありがたいことにお客さんと話しているとなかなか見て回ることもできなくて。今は新しいイベント出店はほとんど増やしておらず、長年お世話になっているイベントやお店での展示を大切に、革製品を届けています。イベントは、当日はてんてこまいで疲れるけれど、楽しかったと達成感を感じられますね。

ーーー今回は作家としての“YEARS”を振り返ってみましたが、KUROSAWAさんのこれから続く“YEARS”に目標などはありますか?
黒澤:今の時点でずっと先の目標は決めることができません。それはきっと今の生活が充実しているからかもしれないです。子どもたちの成長に合わせて、私たちも日々変わっています。その時々の流れに合わせて、今できることをしっかりとやれたら、と思っています。仕事はずっと丁寧に、お客さまに喜んでもらえることはもちろん、自分も作っていて、楽しいことが大切かなと思います。そして仕事に良いインスピレーションを与えてくれる大好きな旅行は、家族でこれからも行きたいです。

ーーーありがとうございました! もみじ市当日も楽しみにしております。

新しいアトリエ

《インタビューを終えて》
KUROSAWAさんのもみじ市担当をさせていただいて、私も今年で3回目になりますが、イベント当日、にこにことブースで迎えてくださる洋行さんや奥様の由美子さんがいつも印象的です。革小物を手に取るとわかる丁寧な仕事ぶりとちょっとした遊び心は、人を喜ばせたい、作ることを楽しみたいという想いの現れなのでしょう。自分自身、洋行さんの確かな技術で作られた革小物のファンでありながら、謙虚で朗らかな人柄に惹かれているのだと、お話をしながら改めて感じました。

お引越しをしたばかりの新しいご自宅は、窓が大きく、すぐそばに小さな池が見える素敵な場所でした。この場所で生まれるこれからの作品もとても楽しみです。

(手紙社 梶みのり)

【もみじ市当日の、KUROSAWAさんのブースイメージはこちら!】