もみじ市 in 神代団地,出店者紹介,ジャンル:CRAFT

mego

【megoプロフィール】
megoこと牧野潤さんは、函館を拠点に活動する陶芸家。土色と黒の2色のみで作られる器は、クールな印象も柔らかな印象も孕み、どんな料理も受け止める包容力があります。彼女が陶芸に本格的に取り組み始めたのは、31歳の時。母の目線をもって生まれた形はどれも毎日繰り返し使いたい、しっかりとした安心感があります。昨年までは「rocaとmego」としての参加でしたが、今年は単独でのもみじ市出店です。
http://mego-makino.com


【megoの年表・YEARS】

【megoさんインタビュー】
北海道・函館に生まれ育ち、今も地元で作家活動をされているmego・牧野潤さん。30代から本格的に陶芸に取り組み始めたという牧野さんの“YEARS”とは? 担当・梶みのりがお話を伺いました。

きっかけは小学生の頃に

ーーー函館に生まれ育ち、今も地元で器を制作されているmegoさん。陶芸にはいつごろから親しみがあったのでしょうか?
mego:小学3年生のころ、近所でお茶とお花の先生が教室を開かれていました。先生の親戚の子が同級生で、一緒に習い始めました。その頃から、茶道具にとても興味があって。季節ごとの茶器や、茶室の独特の空気が子どもながらに好きだったんです。陶以外にも、ガラスや木工などすべてが新鮮でした。その教室には、中学生まで通っていました。

ーーー習い事がきっかけとは意外でした。この頃の体験が今につながっているのですね。
mego:その後は進学して、就職して、結婚、出産を経験しました。仕事も続けていたのですが、娘が年中さんになったとき、他のご家族の様子を見てハッとしたんです。私、この子の小さい時のことを覚えていない、仕事ばかりしていたと気づいて……。それが自分にとってとてもショックでした。夫と相談して、仕事を辞めてこれからは全ての時間を娘に費やそうと決めたんです。

ーーー大きな決断ですね。そこから陶芸を始められたのにはどのような経緯があったのでしょうか?
mego:娘と一緒に、いろんな体験教室や習い事に行ったんです。それこそ私が昔通っていた茶道の教室も。そして、ふたりで陶芸教室に行って土に触れた瞬間、衝撃が走ったんです。手から伝わる土の感触に感動して「もう、土から手を離したくない!」と思って。焼成した器よりも土を触ることに夢中になりました。それからは娘が学校に行っている間に、工房へ通う日々が始まりました。

ーーー2004年に陶芸を始められて、2006年に独立とありますが、今のご自宅兼アトリエを建てられたのがこの頃でしょうか?
mego:はい。窯のある家を建てたいと夫を説得して……(笑)。娘が学校から帰ってくるまでは家事や作陶する生活です。娘の「ただいま」が聞こえたらすぐに作業から手を離して、ふたりの時間を楽しみました。時間を有意義に使えるようになって、ますます陶芸が好きになりましたね。

初期の作品

縁をつないで、もみじ市へ

ーーー初期の頃から、現在の2色の釉薬を使った作風だったのでしょうか?
mego:いえ、陶芸の先生のところでは、今とは全く違う物を作っていたんです。ひとりでやるようになってから、土や釉薬のことを色々学んで、試して、今のスタイルになっていきました。そのうち函館のLEAVESというカフェ&レストランのオーナーさんから声をかけていただいて、そこで作品を取り扱っていただきました。そのレストランでrocaさんとも知り合ったんです。rocaさんの通販サイトで、焼き菓子と器のセットを販売させてもらうことになり、今でも定期的に販売しています。手紙社さんの「森のカフェフェス」にも、rocaさんにご縁をいただいて合同で出店して、「もみじ市」は今年で3回目です。

ーーー2017年、2018年のもみじ市ではrocaさんとの合同出店でしたね。器とパン、お菓子がたくさん並んだブース、わくわくしました!
mego:ありがとうございます。本当に、ラッキーなご縁にばかり恵まれていて。自分で売り込みをするのが不得手なので、人とのつながりを大切にしています。今年は6月の「札幌もみじ市」でもrocaさんと出店させていただきました。10月のもみじ市は「mego」での出店ですが、娘と一緒にがんばります!

ーーーもしかして、「もみじ市」の当日は、今まであまり天候に恵まれない回ばかりでしたでしょうか……。
mego:そうなんです(笑)。雨でも楽しいものですが、今年こそ晴れのもみじ市を期待しています。

2013年3月、2度目の個展

ーーーmegoさんの器は、料理をキリッと見せてくれつつ、しっかりと丈夫な佇まいも機能的で安心感があります。私(担当・梶)は日頃「手紙舎 2nd STORY」の雑貨店を担当しているのですが、ご家族分やおもてなし用にと選ばれるお客様もいらっしゃいますよ。
mego:うれしいです。買っていただいた器を使ってもらっている様子も、Instagramでよく見ていて励みになります。食卓で使っていただくのが一番の喜びですね。これからも、大好きな陶芸を続けて、技術を磨いていきたいです。

ーーーありがとうございました。もみじ市で親娘の笑顔が溢れるブース、楽しみにしています!

《インタビューを終えて》
器の色が与えるクールな第一印象とは裏腹に、いつも笑顔が絶えず優しい牧野さん。一つひとつ手に取ると、器としての使いやすさが実感でき、料理とよく馴染む様もありありとイメージできることに気づきます。幼い頃の体験が現在の作家業につながっていることをお話いただくなかで、ご自身が本当に作陶が好きということが伝わり、ますます作品に愛着がわきました。函館からはるばる、多摩川でお会いできる日がとても楽しみです。

(手紙社 梶みのり)

【もみじ市当日の、megoさんのブースイメージはこちら!】