もみじ市 in 神代団地,出店者紹介,ジャンル:FOOD

negombo33

【negombo33プロフィール】
都心から少し離れた西所沢にお店を構える「negombo33(ねごんぼさんじゅうさん )」。弾けるスパイス感と地元の食材をふんだんに使ったカレーは、多くのカレーマニアを日々唸らせています。一番人気のラム肉キーマカレーを始め7種類のカレーを提供、そして店舗の隣では「山田珈琲豆焙煎所」を併設し、店主・山田さんがカレーと同じように愛している自家焙煎コーヒーも味わうことができます。西所沢の店舗営業とイベント出店を並行させながらも、昨年は高円寺に姉妹店をオープンさせました。もみじ市初出店のnegombo33さん。そのカレーを食せたあなたはきっと幸せな気持ちになるに違いありません!
http://negombo33.com
http://negombo33.com/koenji/index.html
twitter:https://twitter.com/yamadanegombo33

【negombo33の年表・YEARS】

【negombo33インタビュー】
もみじ市初出店となるnegombo33。西所沢でカレーのお店を始めて10年、今はその味を求めたくさんの人が訪れます。お店にお伺いすると、笑顔で迎えてくれた店主の山田さん。店内にはさりげなく真空管アンプから音楽がながれ、どこか喫茶店のような、落ち着きのある空間が広がっていました。サラリーマン時代を経て、現在はカレー屋一筋の山田さんに担当・木村がお話を伺いました。

第1の転機~サラリーマン時代に偶然出会ったスパイス学校~

ーーー府中の学生時代の頃からインド料理屋さんでバイトをされてたんですね。
山田:カレーは小さい頃から好きで、家でも手軽に作れて簡単なので、たまに作っていました。学生時代は、地元のカレー屋さんにたまに貼られる「キッチン募集」の張り紙を頻繁にチェックしていました。そして、求人があった際に運よく採用されて、キッチンでカレーを作りながら、インド料理を初めて体験することができました。ですが当時自転車サークルにも入っていて、どちらも熱狂的にやっていたんですが最終的に自転車を取りました。

ーーーそこで山田さんのカレー経歴は一旦途絶え、10年サラリーマンとして働くことになったんですね。
山田:そうですね。でもやはり食に興味があったので、食品メーカーや水産会社などに勤めていました。その時、カレーとコーヒーが趣味で、今は趣味を仕事にしてしまったので、新しい趣味を探しています。

ーーーサラリーマンをしながら急にスパイス学校に?
山田:興味があったので、通ってみました。そこでは本格的なインド料理が体験できるんです。その、スパイス学校(キッチンスタジオ・ペイズリー)に通っているうちに「カレー屋になれるかも」と自信が湧いてきて、思い切って会社を辞めました。そして、今のお店であるnegombo33をオープンしました。

ーーー思い切りましたね! オープンしてから世間に広まるまで2年間ほどあるようですが、モチベーションを保つのは大変だったのでは
山田:しばらくは東京から離れてストレスフリーな環境で、カレーの研究をしながらのんびりと営業して、うまくいけばそのまま続けて、だめだったら、またサラリーマンに戻ろうかなというくらいのマイペースな感じで営業していました。1年くらいして、カレーが好きな方が知るようになり、口コミで少しずつお客さんが増えていきました。

店内でいただいたカレー! 手前はラム肉のキーマカレー、奥はブリのカレー

ーーーところで今さらなんですが、店名「negombo33(ネゴンボサンジュウサン)」の由来が気になっていまして……
山田:まず、店名は“地名“と“数字“の組み合わせにしたいと考えました。数字の「33」は、当時の年齢とレコードの回転数(33 1/3rpm)などから先に決まりました。一方、地名の方は悩みました。水産会社時代に一度所沢に住んでいたことがあったんですが、当時、仕事先で行ったスリランカの地名から「ネゴンボ」と「コロンボ」という猫を飼っていて、そんな思い出もあり決めました。2択のうち「コロンボ」というカレー屋はたくさんありましたが、「ネゴンボ」を店名に使った店はなかったので、「ネゴンボ」をとって、「ネゴンボ33」と決めたわけです。本当は、一番頻繁に行っていて土地も、人も、カレーにも愛着があったのは、南インドのケララ州の州都である「トリバンドラム」だったので、「トリバンドラム33」になりそうだったんですが、どうしたって長くてゴロも悪いので、悩んだ末に、ネゴンボに。店名は今では気に入っています。たまに“ネゴンボさん“と言われたりしますが、“トリバンドラムさん“と言われるのも今となっては少し変な気がしますよね。

第3の転機~レトルトカレーの全国発売と高円寺店のオープン~

ーーーそして去年、レトルトカレーの全国発売! どういう風にメーカーさんから声が掛かったんですか?
山田:近所にSB食品に勤めている方が住んでいて、よく来てくださるようになったのがきっかけです。会社の方を連れてきてくださったりと、良い関係ができてきて2種盛りレトルトカレーの企画があがったときに、会社として声をかけてくださいました。その方のおかげで発売できたと思っています。

全国発売されたレトルトカレー

ーーー素敵なご縁ですね。高円寺に新店舗を開かれたのも、そういったご縁からでしょうか?
山田:所沢で一人でやっている店で、支店などは出す気も、出せる気もなかったので、全く考えていませんでした。そんな時、うちの業務用のカレーを数年使っていただいていた会社の方から、お誘いがありました。今高円寺店となっている場所は、その会社の運営するワインビストロだったんですが、そこを切り盛りしていた店長さんが辞めることになったので、新しい業態の店を作ろうという事になり、社内で検討した結果が「そこで『negombo33』を一緒にやりませんか」ということだったんです。その会社の皆さんは、ほぼ毎日賄いでネゴンボのカレーを食べていて、とても気に入ってくださっていたんです。全く知らない人や信頼関係がない人であれば、そういったお話をいただいたとしても、不安なのでお断りしていたと思います。でも、その会社の皆さんであれば、一緒にやりたいなと思え、自分自身にとっても大きなチャレンジになると思ったことが決め手でした。また、うちは所沢なので、距離的になかなか来られない方々にも、東京でより多くのお客さんとして、ネゴンボのカレーを食べて喜んで頂ければと考えて、一緒に取り組んでいこうと決めました。

ーーー信頼関係あっての新店舗オープンだったのですね。先ほどご自身のことをマイペース、とおっしゃっていましたが、いろいろなことをどんどん実行していて、行動力がすごいと思いました。“攻めのマイペース“ですかね(笑)?
山田:そうかもしれないです(笑)。今まで地元のみなさんをはじめ、たくさんのお客様に支えられてきたので、これからは新しいプロジェクトも含めて、その恩返しと社会貢献ができればなと思っています。

《インタビューを終えて》
温厚で物腰の柔らかい山田さん。自分のできることに最大限集中し、カレーを通し多くの人に喜んでもらえるよう日々考えているそうです。イベント出店やお店のプロデュースなど、新しいことにどんどん挑戦していくnegombo33のYEARSとは、まさに“選択と集中“でありました。

一口食べると、弾けるスパイスとふんだんに使われた具材とが合間って口の中に一瞬で幸せが広がります。日々休むことのない研究から導き出された深みのある味、そして山田さんの熱意。その2つに多くの人が惹かれ、カレーが口コミで広がっていったのだと思いました。もみじ市では、私に続き、negombo33のファンがたくさん生まれることでしょう。

(手紙社 木村朱里)