もみじ市 in 神代団地,出店者紹介,ジャンル:CRAFT

norioはんこ店

【norioはんこ店プロフィール】
1981年生まれ。京都精華大学にて日本画を学ぶ。2005年より雑貨店やカフェなどをベースに“その場でオーダーを受けハンコを制作する”というスタイルで活動を始める。これまでに手がけたハンコはなんと2万個をゆうに超え、中には、「結婚記念に」、「こどもが生まれた記念に」、と人生の節目や、家族の歴史を残すためにnorioさんの元を訪れる方も。現在は、手紙舎鎌倉店でも月に1度、ハンコのオーダー会を開催しています。norioさんが手掛けたハンコは、押す度にnorioさんとのやりとりが甦り、誰かに見せる度に「このハンコはね……」と話したくなる、人とのつながりに彩りを添える力を持っていますよ。
http://www.noriohanko.com/


【norioはんこ店の年表・YEARS】

【norioはんこ店インタビュー】
昨年、都内から神奈川県葉山町に移住し、住居兼アトリエを構えたnorioさん。山を背に、木々に囲まれ、そして遠くに海が見えるアトリエで、担当・柴田がお話を伺いました。

norioはんこ店の“norio”って?

ーーーnorioさんがnorioさんになって、もう随分長いと聞きました。
norio:そうなんよ。中学生のときに岡山から大阪に引っ越して、で、大阪のノリで高校の同級生があだ名をつけてくれて。だから人生の半分以上は、norioやね。由来は、旧姓の「西川」から芸人の西川のりおさんを連想して、それでnorio。それ以来、「のりお」って呼ばれ始めたんよ。「のりお」って全く新しい響きが、別の自分になれたような感覚があって。岡山のときとは違う、はっちゃけたこともできる新たな自分へのきっかけだったんよね。屋号の「norio」がアルファベットなのは、ローマ字の小文字が一番しっくりくるなぁって思ってたから、ってそれだけ(笑)。

謎のインド人の予言!?

ーーーnorioさんの今の活動を予言した方がいらっしゃるとか。
norio:そう! これは嘘みたいな本当の話なんだけど、大学卒業後にインドをしばらく旅していたときのこと。旅の途中に「アガスティアの葉」ってもののことを知って。自分の過去、現在、未来について全て書かれた葉っぱを、 アガスティアの葉って言うんよ。ベナレスって街を歩いてたら、「アガスティアを知ってるか?」てインド人の客引きに声をかけられて、寺院の地下2階くらいに自称占い師のおじいさんの部屋に連れて行かれたんよ。その中は、石造りでロウソクが灯っているけど、ほぼ真っ暗だった。「絶対に騙された! まずい!」と思ったけど、そこで生年月日を言っただけで、家族構成や将来の事をA2くらいの大きい紙にびっしりと英語でかきこまれて。で、それが、ほぼ正解! そこで将来の仕事について「あなたはあちこち巡って、その人その人へ向けたアートを手掛けるようになる」と言われたん。これがいまのnorioの原点。恐ろしやインド……。

ーーーその後、帰国してどんな風にハンコを手掛けるようになったんですか?
norio:雑貨屋さんで販売の仕事をしていた縁で、絵の展示をしていたときに名刺を渡していたんやけど、その名刺に自作のハンコを押してて。それを見た方からオーダーが入って。で、そこから、今のスタイル(対面式で、その人の話を聞いてモチーフを決めてハンコを作る)が生まれたんよね。東京でもグループ展や個展を開くようになった中で、学芸大学のギャラリーで手紙社の北島さんに出会って、もみじ市に声をかけてもらったんやって。当時は、花市ともみじ市と年に2度開催してて、まだ参加してた作家さんも今みたいに多くはななかったかな。で、世の「消しゴムハンコブーム」が追い風にもなって、縁が繋がり全国の三越さんでオーダー会を開くことにもなって。まさに全国行脚で、ハンコ作りの道具を携えてあちこち行かせてもらったんよ。

ーーー全国行脚と、都内でのオーダー会、もみじ市と、これまでにどのくらいのハンコを手掛けてきたのでしょうか。
norio:そうやね……。25,000個は超えたかな。ハンコは渡してしまうから、手元には残っていないけど、今でもそのハンコを目にしたら、持ち主とどんな会話をしてモチーフを決めたのか、とかまつわる記憶がふわーっと甦ってくるんよね。オーダー主の中には、最初は一人で、結婚を期に、こどもが生まれたときにも、って人生の節目節目に来てくれる方もいて、本当に嬉しいことやね。いつかこれまでに手掛けたハンコのデザインをアルバムに整理……とか考えるけど、今はなかなか手を付けられてなくて反省(笑)。

ーーーその後の大きな一つの転機としては、昨年、ここ葉山に引っ越しをされたことも挙げられるかと思います。1年経っていかがですか?
norio:この家も作家さんつながりのご縁で紹介してもらったとこなんよね。とは言え、最初はどうなることかって色々不安もあった。でも無事にリノベーションも終えて生活もかたちになったし、周りの豊かな自然も魅力で、都心から引越してよかった、てすごく思う! 今年の夏はもう数え切れないくらい海にも入った! 手紙舎の鎌倉店でも定期的にオーダー会を開催させてもらえるようになってからは、リズムとメリハリが生まれて、すごく有り難いなって思ってるんよ。これからは、ここのアトリエにもお客さんに足を運んでもらって、ハンコを手にすることだけじゃなくて、この場所に来るまで、ここで過ごす時間もまるごと楽しんでもらえるようにしたいなって色々アイデアも巡らせているんよ。

昨年のもみじ市の取材を通じて柴田は、norioさんにmyハンコを作ってもらいました。そのハンコは自分のトレードマークとして、しっくり馴染み、活躍しています。今年のもみじ市で、あなたも自分だけの印となるnorioさんのハンコを手にしてみませんか?

 

「ちょうどいい紙があるんよ」とさらさらと年表を書くnorioさん
年表上の出来事と、ハンコのイメージがぴったり!
これまでに彫ったハンコたち、今回の年表で大活躍でした

《インタビューを終えて》
「葉山に拠点を持つようになったことを含め、年表に記した出来事、これまでの活動は全部ご縁が結んでくれたものやなって最近すごく感じてて。この先も自分の活動、手掛けるハンコから広がって、どんな縁を呼んでくるかワクワクする」と話すnorioさん。自分自身の“しるし”としての役割を持つハンコだからこそ、norioさんに委ねたいと思う人がいて、その縁がまた重なって、新たな縁を運んでくるのだろう、と感じました。

(手紙社 柴田真帆)

【もみじ市当日の、norioはんこ店さんのブースイメージはこちら!】