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もみじ市2014 最新情報タイトル

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もみじ市2014 最新情報カテゴリ

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もみじ市2014 お知らせの内容

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【特別編/白組:竹中悠記】幻の技法『パート・ド・ヴェール』で生み出すもの

 

 

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『パート・ド・ヴェール』という言葉を聞いたことがありますか? これは、『吹きガラス』や『カットグラス(切子)』と並ぶ、ガラスを成形する技法のひとつです。

 

今回初めてもみじ市に参加するガラス作家・竹中悠記さんは、この技法を使って器を作っています。ガラスは透明でクリアなもの、単一の色をもつもの。そんな常識をガラリと覆す、カラフルで細やかな模様をまとった美しい器です。なぜ、ガラスにこのような表現ができるのか、その器がどのようにして生まれるのかを知りたくて、鳥取にある竹中さんのご自宅兼工房を訪ねました。

 

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その家は、鳥取県の山に囲まれた集落にありました。同じくガラスでアクセサリーを作るご主人と同じ工房の中、それぞれの作品づくりに励んでいらっしゃいます。

 

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ガラスづくりは、まず、型作りから入ります。あらかじめ石こう型を作るための原型がシリコンで作られており、それがデザインの元となります。そこに、石膏を流して型取りし、いくつもの石膏型を作ります。

 

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石膏型に色ガラスの粉を詰めて行きます。色ガラスの粉は何色もあり、完成をイメージしながら、まるで絵付けをするように、小さな凹凸に合わせて色ガラスの粉をのせていきます。同じ石膏型でも、色の配置を変えることで、違う輝きをもった器が生まれるのです。

 

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型にすべて色をのせたら、電気炉に入れて焼きます。ただし、温度管理が非常に難しく、竹中さんは3段ある電気炉の中段しか使っていないそうです。急激に冷ますと割れてしまうため、焼き上がったのちも炉のなかでじょじょに冷まします。

 

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焼き上がった『パート・ド・ヴェール』のガラス。この、白に透けた石膏を壊します。水につけるとホロホロと溶けていくため、ブラシで磨きながら、きれいに落としていきます。

 

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最後に、縁などを研磨してなめらかに仕上げ、器が完成します。

 

ガラスを焼いた時に深さがあると、溶けたガラスが中心に向かって流れ落ちてしまうため、作ることができる器の大きさや角度には限りがあるといいます。それを少しずつ調整することで、大きな器へと進んでいけるようになったそうです。また、色ガラスの粒は色によって、またその細やかさによって溶け方や透明度が異なるため、それを試行錯誤しながら、あらたな表現を生み出しているのだそうです。

 

はるかメソポタミア時代から伝わるこの技法。一度途絶えてしまったことから「幻の技法」とも言われています。工程が多く、1つずつしか生み出すことができないため、本来なら美術品を作る技法として受け継がれてきました。その技法で竹中さんは「飾るものより、使うものを作りたかった」と、器を作り出したのだそうです。

 

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光を当てると、宝石のように美しい光を反射させ、そのものが芸術品のように輝く器。そんな器が暮らしのそばにあったなら―――。この器を実際に目にしたとき、その美しさは心にぐっと響くに違いありません。

 

文●渡辺洋子

2015. 9. 24
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