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【特別編/紅組:松本寛司】松本寛司さんのアトリエと海を訪ねた日のこと
愛知県・渥美半島。青く澄みわたった海のすぐ近くに、松本寛司さんが家族といっしょに移住してきたのは3年ほど前のこと。いつかアトリエにおうかがいします、と彼と交わした約束がようやく果たせたこと、そして彼の作品と向き合う瞬間に立ち会えたことに、心がふるえていた。
松本さんが使う刃物は、いままで見てきた木工作家の方が用いるものとは異なっていた。これまでさまざまなナイフを使って作品を彫っていたものの、年数を重ねるごとに作風は研ぎすまされ、その種類はしぼられていった。
「クラフトとプロダクトの外見の違いは、分かりづらくなってきた。手でさわった感触や風合い。人によっては、それはほんの少しの違いかもしれない。でも、その違いがこの手で生み出せたとき、それを“美しい”と思える」
松本さんは強いまなざしと確かな言葉で、そう話してくれた。
「海パンはもってきた? せっかくなら海で話そうか」
そう言って松本さんはアトリエからすぐ近くの海に連れていってくれた。制作に行き詰まったとき、気分を変えたいとき、サーフィンボードを持って海に繰り出すそうだ。海のなかで、波にゆられながら、気づけばおたがい笑顔で話していた。
「山、海、森。人の近くには、ちゃんとすばらしい自然がある。もっとシンプルに、そういったものを大切にする暮らしがある。自分の作品も、そんな良さを伝えられるものであれたら、と思う」
その日、海のなかで交わした言葉は波の音とともに、いまでも心に響きつづけている。
文●柿本康治
松本寛司さんのご紹介ページは、こちら。
2015. 9. 22