もみじ市 in 神代団地,出店者紹介,ジャンル:ILLUST&DESIGN

イシイリョウコ

【イシイリョウコ プロフィール】
どこかミステリアスな雰囲気を持つ作品を手掛けるのは、人形作家でありイラストレーターのイシイリョウコさん。物語の中から飛び出してきたような手縫の人形は、何かを語りかけてくるように私たちのことを見つめています。一つひとつ手で彩られた鮮やかな色の作品に出会えば、きっとその世界に吸い込まれるように惹かれてしまうはず。イシイさんしか生み出すことができない一点ものの作品を迎えて、あなたと相棒の新しい物語を紡いでみてはいかがでしょうか?
https://hibi-no-rakugaki.blogspot.com

【イシイリョウコの年表・YEARS】

【イシイリョウコさんインタビュー】
イラストレーター・人形作家として活躍する、イシイリョウコさん。独特の雰囲気を持つ作品たちは、どのように生み出されているのでしょうか。担当の富永琴美がお話を伺いました。

人形制作のはじまり

ーーー人形の制作は、いつ頃からはじめたのでしょうか?
イシイ:人形は大学を卒業してから作りはじめました。卒業のタイミングで展示をやることが決まっていて、そこで絵だけではなく、手に持てるものや立体ができたらいいなあと考えていたんです。その時たまたま目についたのが布で、「布に絵を描いて立体にしてみよう!」と思いついたのがきっかけですね。

ーーーいきなり人形を作るのは、とてもハードルが高そうですね。
イシイ:作り方もよくわからないまま、手縫いでなんとなくチクチク作って、カーブのところに切り込みを入れることも知らなかったので、「なんでこんなところにシワがあるんだろう」と思っていました。最終的に、かなりギュッとした人形ができて面白かったです(笑)。でも「とても良いものができた!」と感じて、ギャラリーの人に恐る恐る展示しても良いか聞いてみたら気に入っていただけて、とても勇気が出たんです。そこからずっと作り続けています。そのあとの転機といえば、もみじ市に出店したことくらいかなと思います。

ーーーもみじ市には2007年に初めて出店されたんですね。
イシイ:初めて参加したのは、2日間開催のうち台風で1日が潰れてしまったときのもみじ市でした。

ーーーはじめてのもみじ市は、いかがでしたか?
イシイ:はじめはやっぱり、人の多さに驚きましたね。「こんなにすごいイベントがあるんだ」って。大げさかもしれませんが、駅から会場まで数百メートルもお客さんが並んでいたような気がします。もみじ市は、私の作品を初めて見るという方がとても多いので、いろんな反応を感じられて嬉しいです。最近のもみじ市は、外国の方が多いですね。

ーーー年表には、2003年ごろから雑誌に取り上げてもらうようになったとありますが、何かきっかけはあったのでしょうか。
イシイ:イベント出店をちょっとずつ重ねていくうちに、わたしの作品を面白がってくれる人が増えていきました。雑誌に紹介されて少しずつ知られるようになってからは、展示会に来てくださる方も増えてきて、今につながっていると思います。

ーーー昔から積極的にイベント出店をされていたのですね!
イシイ:インターネットもそこまで普及していない時代で、自分で積極的に売り込みに行かなければいけなかったのですが、怖くてできなかったんです。何か作品に対してマイナスなことを言われたら、絶対に心が折れてしまうなと思って(笑)。なるべくたくさんの人に見ていただける機会を持つようにしていました。

ーーー今年のもみじ市は、“YEARS”というテーマですが、出店に向けてなにか考えていることはありますか?
イシイ:そうですね、何かはやりたいなと思っているのですが結構難しいテーマですよね。私の作品は基本全部1点ものなんですけど、過去に作って面白かったものを振り返って作ってみるのも良いかもしれませんね。今あんまり作ってないもの、なんだろう……。

ーーー人形の形は作り始めた当初から変わっていないのでしょうか。
イシイ:やっぱり少しずつですが上達はしてくるので、どんどん複雑な形が作れるようにはなっています(笑)。昔は本当にシンプルでした。全部ズトーンって直線で。当時の作品をもう一度作ってみても良いかもしれませんね! 例えば、年を重ねて作れるようになった複雑な形状の人形と、昔のシンプルな形のものを組み合わせても面白いかも。

誰にも真似されないものを作りたい

ーーーイシイさんの作品は、どれもどこかミステリアスな雰囲気があるように感じます。無類のホラー映画好きと伺ったのですが、何かその影響はあるのでしょうか。
イシイ:要素としては混じっていると思うんですけど、前面には出さないようにしています。可愛過ぎず、怖過ぎずの間ぐらいが好きなんです。それは最初から変わりません。

ーーー人形のアンニュイな表情が、どの作品もとても印象的ですよね。
イシイ:自分の中ではそんなにアンニュイだと思っていないんです。イメージとしては「強さ」。女の子の表情を強い感じに見せたい。あとは、手にした人が見るときの気持ちによって、ちょっと違う表情に見えるものにしたいと思っています。

ーーー表情を描くときに気をつけていることがあれば、ぜひ教えてください。
イシイ:例えば、すごい笑顔とか泣き顔にしてしまうと、その感情しか見えない気がするんです。わかりやすい表情にならないように気をつけています。

ーーーイシイさんの作品は、どちらかというと夜のイメージがありますが、どんな環境で作品を作られているのでしょうか。
イシイ:制作するのは夜がほとんどで、朝まで絵を描いてることもよくあります。そこから寝て朝の11時くらいに起きて。昼夜逆転しちゃっています。そろそろ改めたいと思っています。

ーーーこれまでに、絵や人形以外の作品を作ろうと思ったことはありますか?
イシイ:カバンを作ってみようと思ったことがあるんですけど、うちにミシンがないので本を読みながら手縫いでやってみたら、すごく長〜い取手のついたランチョンマットができてしまいました(笑)。人には向き不向きがあることがよくわかりました(笑)。

ーーー作品制作にあたり、どのようなことを大切にしているのでしょうか。
イシイ:「自分にしか作れないものを作ろう」っていつも思っています。全て1点ものにしているのも、そういった気持ちからかもしれません。自分が持っているのが“世界にひとつしかない”と思える喜びって大きいと思うので、そういうのを大事にしたいです。売れるからといって、同じものをたくさん作るのはやめようと思っています。作っていて飽きるというのもあるんですけどね(笑)。

ーーー全て1点ものということは、常に新作を作り続けるということですよね。本当にすごいと思います。
イシイ:やっぱり新しいものを生み出すのは難しいです。だから、いつも何か良いモチーフはないかと考えています。目についたもので面白そうなものを、「これは人形になりそうだな」って。職業病ですね(笑)。常に新しいものを見つけなきゃって考えています。作ろうと思ったその場でアイディアを出そうとしても浮かぶものではなくて、常日頃から考えているからこそなのかなって。実際に作る作業は、やりきるだけの根性さえあれば良いので、そんなに難しくはないんです。

時には陶器の作品を作ることも

一対一の仕事を大切にしたい

ーーー年表の最後に「一周回って絵を描く楽しさに気がつく」とありますが、こちらについてお話を聞かせてください。
イシイ:20代後半からわりと間延びするというか「このままじゃいけない気がする」という感じで、もやもやとした気持ちが生まれたんですね。そのもやもやを抱えながら日々を過ごしていたら、何かをしたわけではありませんが、急に「あ、絵が楽しい」って気づいたんです(笑)。今までも好きだったけれど、本当の意味での楽しさには達してなかったんだなって改めて思いました。そこから絵を描くのが楽しくなって。

イシイさんの世界観が凝縮された作品の数々

ーーー印象に残っている絵のお仕事はありますか?
イシイ:ある理由があってご依頼をいただいて描いた作品があったのですが、出来上がった絵をお届けしたら、とても喜んでいただいて。そのときに絵を描いてきてよかったなと幸せを感じたんです。だれかのことを、一生懸命に考えながら絵を描く時間も幸せで。「こういう制作を大切にしたい」と思いました。

《インタビューを終えて》
「手にした人のその時の気持ちによって、違う表情をみせる作品にしたい」そんな思いが込められた人形たち。その瞳に見つめられると、自分の心の奥にしまい込んでいた気持ちを見透かされているような、不思議な感覚に包まれます。イシイさんが作り上げる特別な空間に足を踏み入れれば、きっとあなたも、世界でたったひとつしかない自分だけの“友達”に出会えるはず。河川敷に並ぶ唯一無二の作品たちを、どうぞ間近でご覧ください。

(手紙社 富永琴美)

【もみじ市当日の、イシイリョウコさんのブースイメージはこちら!】

テントにさげて看板(目印)にしようと思っている出来立てほやほやの大きな三日月の人形作品です。

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大森木綿子

【大森木綿子プロフィール】
心に浮かんだ情景や、四季折々の風景をモチーフとしたイラストを描く、イラストレーター・大森木綿子さん。水彩絵具や色鉛筆、クレヨンなどのさまざまな画材を使ったみずみずしい表現はそのとき聞こえた音や香り、温度までも思い起こさせてくれるような不思議な感覚です。様々な絵柄のポストカードは、いつもより大事に気持ちを届けたくなる素敵な一枚。丁寧な気持ちを届けられるように、一つひとつ帯に包まれています。
https://omoriyuko.com/
Instagram:@momenmemo

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岡崎直哉

【岡崎直哉プロフィール】
写真家・岡崎直哉さんとは、2014年秋、手紙社に入社する2年前に遊びに行ったもみじ市で出逢った。当時、写真が趣味のただの大学生だった私にとって、それはそれは鮮烈な出逢いだった。テーブルに規則正しく並べられたポストカード。そこに写るのは、私の目では見つけることのできなかった世界。被写体の見つけ方、切り取り方。岡崎直哉の世界観は何をとっても新鮮で、今も私の心を掴んで離さない。
http://www.color-travel-guide.com/

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柴田ケイコ(出品のみ)

【柴田ケイコプロフィール】
今や「絵本作家」としても大活躍の高知県在住・柴田ケイコさん。2016年の絵本デビュー作『めがねこ』(手紙社)を皮切りに、『おいしそうなしろくま』『あま〜いしろくま』『おべんとうしろくま』『うみのごちそうしろくま』( PHP研究所)といった「しろくまシリーズ」は、なんと4作合計16万部を出版、数々の絵本賞も受賞する大ヒット作に! さらに『ぽめちゃん』(白泉社)ほか、今年2019年には4月に『めがねこのぼうけん』(手紙社)、6月『おにゃけ』(パイ インターナショナル/文 大塚 健太)、7月『にんじんかりかりかじったら』(金の星社/文 石津 ちひろ)など精力的に作品を発表、9月にはしろくまシリーズ第5弾『おやさいしろくま』(PHP研究所)が発売となりました。もちろんイラストレーターとしても幅広く活動中。広告・出版物のほか、手紙社をはじめ飲食店のパッケージや紙もの雑貨など多岐にわたり手がけられ、彼女の手により生み出された、一度見たらクセになるキャラクターたちは、私たちの笑いある生活に欠かせない存在として、今日も多くのファンを虜にしているのです。
http://momijiichi.com/2019/creators/kirinya
Instagram:@keikoshibataillust
facebook:https://www.facebook.com/keiko.shibata.5209

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すげさわ かよ

【すげさわ かよプロフィール】
「旅で見つけた素敵なものを、みんなに伝えたい!」と、行った先々で出会ったものを描く、イラストレーター・すげさわかよさん。フランス・パリへの留学のほか、今までに25か国以上の国々へ足を運んでいます。『北欧トラベルダイアリー』(河出書房新社刊)、『ブルガリアブック』(ダイヤモンド社刊)などのイラストエッセイも多数出版。民族衣装や民芸品、その土地に咲く野花など、その国のイメージがぎゅっと詰まったイラストは、色鉛筆による手触りのあるタッチで、あなたのもとへときめきを届けます。
https://i.fileweb.jp/sugesawakayo/
Instagram:@sugesawa.kayo
twitter:@sugesawakayo

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TAKAHASHI AYACO

【TAKAHASHI AYACOプロフィール】
写真学科卒業という、少し変わった経歴を持つ絵描きのTAKAHASHI AYACOさん。TAKAHASHIさんの絵を見ていると、映画を見ているような不思議な感覚を覚えます。季節、気温、湿度、音の感じやその時の光、時には匂いのようなものまで、五感で感じるものが直接脳で再現されるような、今いる場所ではないどこかに連れて行ってもらえる感覚。耳に入ってきた会話や街中にある看板、流れている音楽の歌詞など、“ことば”からインスピレーションを得て作品を作ることが多いというTAKAHASHIさん。それは平面に止まらず、バッグやブローチなど、身につけられるものにも及びます。TAKAHASHIさんが作り出す世界を身につけて過ごす、現実の世界。作品に込められた世界と地続きになっている毎日に、私は喜びが隠せません。
https://takahashiayaco.tumblr.com/

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高旗将雄

【高旗将雄プロフィール】
愛知県生まれ、神奈川県在住のイラストレーター。もみじ市をはじめ、蚤の市や紙博など、手紙社イベントには欠かせない存在の高旗さん。高旗さんの描く暮らしの道具や動物たちは、ゆるりとした空気感と思わずクスッと笑ってしまうようなユーモアを持ち合わせています。また、なんといってもそのフォルムや表情に至るまで、どれもがのびのびと表現され、愛くるしさがたまりません。そんなイラストを描く高旗さん、頭の中のアイディアの泉はいつも溢れんばかりに満ちています。紙ものにとどまらず、布ものやブローチ、食器類など、暮らしに寄り添う作品が盛りだくさん。そんな高旗さんの作品を手にすると、ホッと癒され、気負わず素直な気持ちになれるのです。ぜひ、高旗将雄ワールドをお楽しみに。
http://masaox2006.xxxxxxxx.jp

【高旗将雄の年表・YEARS】

【高旗将雄さんインタビュー】
手紙社イベントには欠かせない存在の高旗将雄さん。イラストを描き始めたのは、なんと大学生になってからなのだとか! 高旗さんの学生時代から手紙社との出会いなど、担当・高橋美穂がお話を伺ってきました。

ヴィレヴァンで育ったようなものなんです

ーーー大学ではグラフィックデザインを学ばれていたんですね。美術の世界に興味を持ったのはなぜですか?
高旗:美術というより、子どもの頃から映画とかCMが好きだったんですよね。「広告批評」という月刊誌があって、休刊になるまでずっと買い続けていました。そこにCMだけじゃなく広告も載っていて、だんだんグラフィックの方に興味が湧いていったというかんじです。ちゃんと進路を考えたのは高校生の時ですけどね。

ーーー「広告批評」はいつ頃から読んでいたのですか?
高旗:中学生くらいですかね。名古屋港にヴィレッジヴァンガードがあって、行くたびにそこで買っていました。東京の本屋だと、こういった本やデザイン系の本とかも普通に置いているけど、僕の地元はそうではなかったので、ヴィレヴァンが文化的なものの全てでしたね。ヴィレヴァンで育ったようなものなんです。昔は今よりもっと本屋寄りでしたし、海外小説とかもヴィレヴァンで覚えました。

生活=スマブラorシルクスクリーンの大学時代

ーーー大学時代は漫画研究部だったのですね。ちなみに、絵は昔から描いていたのですか?
高旗:昔は全然描いていなかったです。絵を描き始めたのは大学に入学してからでした。

ーーーえっ! そうなんですね。とても意外です。
高旗:普通は大学受験の前に美術系の予備校に行ったりするんですが、僕が入学したグラフィックデザイン科は当時、学力テストと小論文で入れたんですよ。なので、予備校にも行かなかったんですよね。

ーーー漫画研究部はどんな経緯で入部したのですか?
高旗:それが、通りすがりでうっかり、なんですよね。もともとは自転車部に入ろうと思っていたんです。自転車部の説明会に向かっていたらその途中で漫研の説明会をやっていて、そのまま入部してしまいました。漫研ではゲームばっかりやっていましたね。

ーーー通りすがり(笑)! 自転車部は入らなかったんですか?
高旗:入りませんでした(笑)。今でも自転車には乗りますし整備もしますけどね。昔は好きで自転車1台作りましたもん。自転車のフレームがあったので、買ってきたパーツを組み合わせる感じです。

ーーー自転車を作る(笑)!?
高旗:正直、性能は完成形で売っているものの方が良いと思いますけど、それだと高いですからね。良い自転車を買おうと思うと高いけど、自分で作れば多少安いというか。初めてのパソコンも自分で作りましたね。こういうのって、プラモデルを作る感覚とあんまり変わらないんですよ。とにかくお金がないので、「自分で作ってしまえ」と色々作っていましたね。

ーーー「自分で作ってしまえ」という発想に至る点が、もう根っからの作家気質ですね。シルクスクリーンを始められたのは、何か理由があるのでしょうか?
高旗:大学では印刷機は使わせてもらえなかったんですが、シルクスクリーンの部屋はタダで使えたんです。それで、写真とかよりはイラストの方がシルクスクリーンとの相性が良いので、イラストを描くようになりました。

ーーー当時はどのような作品を作っていましたか?
高旗:紙ベースのものが多かったです。学祭の時にはバッグを作って売ったりもしていましたね。

ーーー大学院を卒業してからはずっと作家業一本ですか?
高旗:そうですね。特に企業に就職もしていないですし。自分の周りの漫研の人たちが全然就職しなかったので、就職しなくても頑張ればなんとかなるかなと思ったんです。グラフィック科の人は就職していましたし、僕も変わらず広告は好きだし、そちらが嫌になったわけでもないんですけどね。かと言って当時「絶対作家になる!」という強い気持ちがあったわけでもなかったのですが。

ーーーそうだったのですね。一般的には就職した方が楽だと思ったりはしなかったのですか? 作家一本でやっていこうと思えるのは、本当にすごいなぁと思います。
高旗:就職した方が安定しますからね。僕は基本的に“人に流されてやる”ということが多いんですよ。はじめはグラフィック科の中でも広告をちゃんとやっていたので、自分で言うのもなんですが、そこそこ成績はいい方だったと思うんです。漫研がよくなかったですね、みんなハナから働く気がない奴らばかりだったんで(笑)。あとはコミティアなどのイベントにも出て、普段から学校の課題以外にも自分で何かを作るという環境下に置かれていたので、作って売るということがあたり前になっていました。

ーーー学生の頃から作っていて、今も販売している作品はありますか?
高旗:生産が追いつかなくなったので今はもう手紙社さんにお願いしていますけど、「塩」と「しょうゆ」のトートバッグは学生のころ1つ1つ手刷りで作っていたのが始まりなので、販売してから長いこと経っていますね。

「塩」と「しょうゆ」のトートバッグ

ーーーあのトートバッグ、かなりのロングセラー商品なのですね。他にも、ずっと出している商品はありますか?
高旗:そんなにはないですね。いちど作って、売り切ったら終わりということが多いです。いちどに結構な数を作るので、それを売り切ってしまえば欲しい人には行き渡ったかなと思いますし、同じものを作るより、新しいものを作れるなら、そっちの方がいいかなと思っています。

「土星」が引き寄せた出会い

ーーー高旗さんと手紙社の出会いは1冊の本がきっかけだったのですね。「土星」とはどんな本だったのでしょうか?
高旗:僕ともうひとり、漫画を書いていた人とで企画をしました。pixivで描き手を募集して、はじめはグループ展をしていました。「土星」はそうやって集まったメンバーで毎回テーマを決めて、各々がイラストと文章を作る、というリトルプレスです。2010年に初めて作って、年2回のペースで発刊していました。結局2年くらいしかやらなかったんですけど、手紙社の代表の北島さんが本の対談の中で「土星」を紹介してくれたんですよね。

「土星」1号

ーーーその後、当時の手紙舎調布パルコ店で展示をされていますが、どういった経緯で展示をすることになったのでしょうか?
高旗:僕が北島さんに挨拶をしに行ったんです。本の編集をしていた方から「対談の中で『土星』のことを載せていいですか?」という連絡が来たので、それなら挨拶しに行こうかなと。その時に作っていたものを一緒に持って行って見てもらって、展示が決まって、という流れでした。

ーーー手紙舎調布パルコ店での展示はどういったものでしたか?
高旗:学生のころからずっとマッチ箱をシルクスクリーンで作っていたので、それをメインに展示していました。今作っているものとは少し違うんですが、ブローチもこの展示に合わせて初めて作りましたね。この展示の翌年にはもみじ市にも出店するようになって、今に至ります。

シルクスクリーンで作ったマッチ箱

もみじ市はあっという間の2日間

ーーーもみじ市には2013年の「カラフル」から出店いただいておりますね。特に印象的だったもみじ市はありますか?
高旗:もみじ市って実はあんまり覚えてないんですよね。それくらいバタバタしているというか、あっという間というか。開催2日間とも晴れた年が1回だけあったと思うんですけど、あれはいつのもみじ市だったかな、とかちょっと思い出せないんですよね。記憶も色々混じってしまって。

ーーー高旗さんといえば、楽しいワークショップも印象的ですよね。今までのワークショップのお話を聞かせていただけますか?
高旗:確か初めて東京蚤の市に出た年は、手紙社の方から「買ったものを持って帰るためのカバンが欲しいから、トートバッグをシルクスクリーンで刷る、というのはどうでしょう」と提案されてやりました。その後は、もみじ市以外でのワークショップも含めると、シルクスクリーンでTシャツや手ぬぐいを作ったり、似顔絵を書いたり、モビールや驚き盤を作ったこともありました。2017年の「ROUND」のもみじ市では、缶詰を作れる機械を買ったので、好きなものを入れて自分でオリジナルの缶詰を作る、というワークショップもやったんですが、これはちょっと不発でしたね。cafeゴリョウさんとのコラボで作った「momiji缶」は上手くいったので、缶詰は最初から中身が入っていてこそなんだなと思いました。

ーーー本当にたくさんのワークショップをしてくださっていますね! 聞いているだけでもワクワクしてしまいます。イベントで時々どーんと登場するドローイングガチャも、目を引きますよね。
高旗:ドローイングガチャは去年のもみじ市で初めてやりました。もうちょっと、仕組みをどうにかしたいなとは思っているんですけど、難しくて。

ドローイングガチャ

ーーー日々進化しているのですね。今年はどんなワークショップを予定していますか?
高旗:どうしましょうね(笑)。ちょっとまだ未定なんですが、今年もドローイングガチャをやりたいかな、と思っています。

ーーー詳細情報、お待ちしてますね。今年のテーマが「YEARS」ということで、高旗さんの今までのお話を伺ってきましたが、これからやりたいことはありますか?
高旗:やりたいことはあると言えばあるんですが、きっとあまり人に言うもんじゃないですよね。イラストの仕事って、資格をとるものでもないし、年に仕事が1本あるだけでも「イラストレーターです」と名乗れますが、年1本じゃ生活はできない。コンスタントに毎月毎月仕事がないとやっていけないんですけど、何かものすごい大ヒットがあって、急に仕事がガッと増えるというものでもないですから。やっぱり少しずつの積み重ねで仕事をする機会が増えていくものだと思うので、これからも“続けていくこと”が大事だなと思います。

《インタビューを終えて》
高旗さんの生み出す作品を手に取ったり、ワークショップに参加されているお客さんは、皆さん笑顔が輝いているのが印象的です。それはきっと、高旗さんの作品が「素敵!」、「可愛い!」というのはもちろんのこと、高旗さんご自身が“ワクワクする仕組みを生み出す天才”だからなのではないかと、インタビューを通して感じました。インタビュー中、「僕は基本的に流されやすいタイプなので」と度々口にしていた高旗さん。もみじ市当日、「こんなの楽しそう!」「こんなのあったらいいな」など、ぜひ高旗さんとお話ししてみてください。もしかしたら、次に高旗さんの頭の中から飛び出す“ワクワク”の、小さな種となるかもしれません。

(手紙社 高橋美穂)

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つぼいたけし

【つぼいたけしプロフィール】
シンプルなシルエットや、幾何学模様をモチーフとした作品を手がけるイラストレーター・アニメーション作家。学生時代に、デジタルで作るグラフィックや映像に魅了され、アニメーションの世界へ進む。現在は、絵が描かれた紙をくるくる回すことで絵が動いて見える、ゾートロープやソーマトロープといった「視覚玩具」を得意とし、ワークショップやショーを開催。めくるめくひらめきの世界に、子どもも大人もみんな夢中!
http://www.hilameki.com
Instagram:@takeshitsuboi

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ニシワキタダシ

【ニシワキタダシプロフィール】
思わずつっこみたくなるようなおかしなシチュエーションと、ユーモアあふれる関西弁のことばたちが魅力のイラストレーター。その独特の世界観や、“なんともいえない”キャラクターたちのとりこになっている方も多いのではないでしょうか。画風を少しずつ進化させながら日々生まれるニシワキワールドからは目を離せません。代表作『かんさい絵ことば辞典』(パイインターナショナル)をはじめ、絵本『ぼくのともだちカニやまさん』(PHP研究所)『えでみる あいうえおさくぶん』(あかね書房)や、漫画『かきくけおかきちゃん』(大福書林)など著書も多数。
http://www.smoca-n.com/
Instagram:@nishiwaki_t

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白水麻耶子


【白水麻耶子プロフィール】
画家・美術作家。大阪出身。広島県尾道市在住。生活の中から生まれる想いや信条を、人や動物など具象的なモチーフを用いて表現している。白水作品は青が基調となっており、夜の空気のような、深い海のような、森の奥深くにいるような、そんな美しく幻想的なブルーは、見る者を異世界に誘う。独創的な作品たちは、一目で心が揺さぶられ、その世界に溶け込んでしまう。作品は、絵画ばかりでなくブローチなども。イベントでは、似顔絵仮面(ポートレートマスク)を制作したり、音楽と共にライプペイントも行ったりする。このほど「ちいさいあなた」という、小さな張り子に、お客さまから言葉やイメージをもらって絵を描く新しい試みもスタート。自身のTwitterでは、モノクロのイラストを日記のように公開している。最近、青の世界に広がりや深みがさらに増しており、翼が生えたような印象を受ける。そんな白水さんがもみじ市でどんな世界を繰り広げるのか楽しみでならない。
Instagram:@mayakohakusui
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